「DTM用にPCを新調したいけど、何がいいかな…」そんな風に考えている人も少なくないと思います。私もそろそろ新しいマシンを…と思っていたところ、ASUS JAPANから「液晶一体型プレミアムパソコン“Zen AiO(ゼン エーアイオー)”を試してみませんか?」というお誘いの連絡をいただいたのです。DTMステーションの「問い合わせ窓口」からは、日々いろんな売り込みメールが届くのですが、その一つとして届いたこの話。1か月程度タダで借りて試すことができるというので、お願いしてみました。
具体的な型番としては「ASUS Zen AiO Z240IC(Z240ICGK-I76700T)」というモデルで23.8インチのディスプレイ一体型で販売価格が229,800円(税別)というもの。実は届くまでどんな機材なのかあまりよく分かっていなかったのですが、試してみたところ想像していた以上に、DTM用途としてピッタリ使えるマシンでした。どんな機材なのか紹介してみましょう。

ASUS Zen AiO Z240ICをDTM用途で使ってみた
自宅に宅急便で届いた大きな箱。上にiPhone 6sを置いてみたので、だいたいの大きさの雰囲気がわかると思います。本体の重さは7.3kgとのことなので、引っ張り出すのはそれなりに大変ではあるけれど、23.8インチのディスプレイとしてみれば、まあ、そんなもんだろう、というサイズでもあります。

宅急便で届いた大きな箱(貸し出し用の機材だからか箱はAiO Proという別の機種用の模様)
とりあえず、階段において撮影してみると、こんな感じです。そうZen AiO自体はまさにディスプレイそのもの。でも、これは単体のディスプレイではなく、ディスプレイの中にWindows PCの機能が搭載された立派なPCなんですよね。
スペック的に見てもかなり高性能。CPUはCore-i7 -6700Tというプロセッサを搭載しており、内蔵メモリは8GB、ストレージは1TBのHDDが内蔵されているんです。これだけのものが入っていながら、とってもスマートであり、横から見てもスタイリッシュなディスプレイという感じです。

スペック的にはCore-i7 6700Tに8GBのメモリ、1TBのHDDという構成
画面を見ると、ものすごく繊細でキレイだなと思ったら、これ私が普段使っているFullHD=1920×1080のものとは次元が違いました。そう、いま話題の4K=3840×2160の解像度を持つディスプレイだったんですね。4Kディスプレイなんて、まだまだ未来のもの……なんて思ってましたが、もう世の中、ここまで来ていたんですね。

横から見てもとってもスッキリ…。ちょっと飛び出しているのはワイヤレスキーボード、マウス用のUSBアダプタ
ちなみに4Kディスプレイを駆動するグラフィック機能としてはNVIDIAのGeForce GTX960Mが搭載されています。画面が広く使えるというのはもちろんなんですが、単純に文字の表示を見ても「Windowsってこんなキレイな文字が出せるんだったっけ?」と感激してしまうほどです。

リアパネルに並ぶ拡張用端子。一番右には噂のUSB Type-Cの端子も
さらに自分が使っているPCとのジェネレーションギャップを感じてしまったのが、ここに用意されている拡張端子です。USB 2.0×1とUSB 3.0×4があるのは、普通だとして、一番右には見慣れない端子が……。そう、これが噂に聞く、USB Type-Cの端子なんですね。規格としてはUSB 3.1というまさに新世代。

USB Type-Cの端子があれば、M-TRACK 8×4なども利用できるはず
今年の夏に発売されるというM-Audioの新しいオーディオインターフェイス、M-TrackシリーズがUSB Type-C対応になるということだったので、どこかのタイミングでこれに対応したPCを入手せねば……なんて思ってましたが、このZen AiOであれば対応しているというわけですね。
さて、さっそくこれを自分のデスクトップに置いてみました。普段使っている同じ23.8インチのFullHDディスプレイをどかして、Zen AiOを置いてみたところ、当然ではありますが、ピッタリと差し替えることができました。現状は別途キューブ型のPCが置いてあるのですが、Zen AiOであればPC内蔵ですから、不要になるわけです。

いつも使っているデスクの上にセッティングしてみた
電源を入れてみると、これ、静かですね。HDDではなくてSSDなのでは…!?と思ってしまったほど静かで快適です。部屋のエアコンなどをすべて切ると、確かにファンの音が微かに聞こえますが、これは音楽制作マシンとしてはなかなかいいですね。

リアのUSB端子にはオーディオインターフェイスやキーボード、USBドングルなどを接続
では、ホントにDTM用途で使えるマシンなのでしょうか?実際に試してみました。まずはオーディオインターフェイスとしてTASCAMのUS-2×2を接続。さらにRolandのA-300PROを接続するとともに、Cubase Pro 8.5をインストール。あ、Zen AiOは光学ドライブは装備されていないので、USBで外部HDDに接続してインストールしましたよ。

Cubase Pro 8.5も快適に動作。4Kディスプレイだと、ミキサーも大きく表示できる
まあ、内蔵HDDが1TBではちょっと物足りないわけですが、USB 3.0で外部HDDを接続しておけば容量の問題も解決でいい感じですね。さっそく、Cubase Pro 8.5を起動してみると……、まったく問題なく快適に動いてくれます。US-2×2のドライバ設定でバッファサイズを最小にしてみましたが、音が途切れるようなこともなく、再生したり、ソフトウェアインストゥルメントをリアルタイム演奏することができますよ。

US-2×2のバッファサイズを最小にしてもまったく問題なく使うことができた

FL STUDIO 12も4K表示機能をフル活用できました
1か月以内に返却しなくてはならないのですが、この快適さに慣れてしまうと、元に戻れないような気がしますね……。ワイヤレスマウスとワイヤレスキーボードであるというのも気に入ったところでもあります。

リアパネルにはSDカードスロットも用意されています
ところで、個人的にはメーカー製のPCって、いろいろとプリインストールソフトが入っているのが好きでなく、DAWなどで動作が遅くなったり、トラブルを起こす原因…と敬遠していたところがあります。ところが、このZen AiOは、その辺がスッキリしているのも嬉しいところでした。まあ、まったくプリンストールソフトがない、というわけではないのですが、主なところとしては
・ASUS Manager
・ASUS Share Link
・CyberLink PowerDirector 10
・CyberLink PhotoDirector 3
・KINGSOFT® Office 2013 Standard 30日間無料体験版
の5つであり、いらなければ削除すればいいだけなので、さっぱりしてますよ。
ただ1点気に入らなかったのがHDMI端子の扱いです。2つ搭載されているんですが、いずれも出力用であり、入力用がないんですよね。別のディスプレイを接続すればマルチディスプレイで使えるというのですが、これが入力に対応していれば、Mac miniなど別のPCの画面をこのキレイなディスプレイで表示できて、完璧だったのになぁ……と。ASUSさん、ぜひ、今度この手のPCを開発する際は、HDMI入力もよろしくお願いします!
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コメント
モニタースタンドは高さ調節できないんですね。
角度については上下に調節できるみたいだけど。
VESAマウント付いてないですね。
制作現場は一体型PCにモニターアーム使ってます。
VESAマウントアダプタ搭載iMac使ってるとモニタースタンドには戻れません^-^;
DTMで問題になりそうなところを考えてみました。
OSがWindows 10 Home 64bitであること、Windows10 Pro 64bitでないとWindows Update の種類やタイミングを調整できる「Windows Update for Business」を利用できない。
*「Windows Update for Business」Windows10 Pro 32bitでも利用できます。
作業中に勝手にWindows Updateされたら困りますよね。
PCのメモリー増設ができない。
8 GBでメモリーが足りるか心配になる。
VESAの穴はないんですか?
無いならば、選択しに入れるのは難しいです…。