UR22やUR242をはじめとするSteinbergのオーディオインターフェイス、間もなくの発売が予定されている初音ミクのデザインのYAMAHAのUSBミキサーAG03やAG06、またその他YAMAHAの各種製品にバンドルされているDAWであるCubase AI、またZOOMやAKAI、Focusrite製品などにバンドルされているCubase LEが揃ってバージョンアップし、Cubase AI 8、Cubase LE 8になっていました。
とくにSteinbergからもYAMAHAからも、バージョンアップの発表はなく、まさにこっそり入れ替わっていたのですが、これらの製品を購入するユーザーにとっては、とっても嬉しいポイントですよね。そっそく、そのCubase AI 8を入手して試してみたので、これがどんなものなのか、またどうやったら入手できるのかなどを紹介してみましょう。
ゴールデンウィーク中(?)にCubase AI 8およびLE 8が密かに登場していた!
ご存じの方も多いと思いますが、Cubase AI、Cubase LEはSteinbergのDAW、Cubaseシリーズの下位バージョンに位置するもので、非売品。Cubase AIはYAMAHA/Steinberg製品にバンドルされ、Cubase LEはサードパーティー製品にバンドルされています。
Cubase AIはSteinbergのオーディオインターフェイス、URシリーズなどにバンドルされている
まあバンドルといっても、現在これらのハードウェア製品の中に入っているのはダウンロード・アクセスコードが書かれた紙切れ1枚のみ。以前はDVD-ROMが入っていましたが、Cubase 7時代から、このダウンロードの形に変わったんですよね。2.5GB近くあるので、ある程度時間はかかるものの、今回のようなメジャーバージョンアップした際も、ハズレ製品を入手してしまう心配はなく、確実に最新版が入手できるのが大きなメリットなんですね。
オーディオインターフェイスのパッケージ内に封入されているダウンロード・アクセスコード
私がCubase AI 8が出ていたのに気付いたのはゴールデンウィーク最終日の5月6日の深夜。Twitterで読者の方から教えていただいたのがキッカケでした。リリースされたのはゴールデンウィーク中だとは思うのですが、YAMAHAに聞いてもハッキリとした答えは返ってこず、本当に密かに差し替わっていたようなんです。
ダウンロード・アクセスコードを入力した結果、無事Cubase AI 8をGET!
手元には、先日入手したUR12に入っていた未ダウンロードのアクセスコードがあるので、ここに記載されたURLにアクセスし、このコードを入力してみたところ、情報どおりCubase AI 8のページへと接続され、これを入手することができました(事前に、MySteinbergというアカウントを作成しておくことが必要になります)。
さっそくインストールして起動してみると、Cubase AI 8のロゴが表示され、Cubase Pro 8やCubase Artist 8、Cubase Elements 8と同じユーザーインターフェイスの最新版Cubaseの画面が出てきます。とくにWindowsの場合、Cubase 7シリーズとはユーザーインターフェイスが変わったので最初、少し戸惑いを感じる方もいるとは思いますが、やっぱり最新版を入手できるというのは嬉しいですよね。
UIも変わり、かなり強力な機能を装備しているCubase AI 8
Cubase 8シリーズから搭載されたコードパッドも使えるし、コードをサジェスチョンしてくれる五度圏表示機能などもしっかりサポートされていますよ。
ただし、市販のCubase 8シリーズとは当然のことながら機能的な違いもいろいろあります。その違いを以下の表にまとめてみたので、ぜひ確認してみてください。
Cubase Pro 8 |
Cubase Artist 8 | Cubase Elements 8 | Cubase AI 8 |
Cubase LE 8 |
|
オーディオ関連機能 | |||||
最大ビット/ サンプルレート | 32bit/192kHz | 32bit/192kHz | 32bit/192kHz | 32bit/192kHz | 24bit/96kHz |
最大オーディオトラック数 | 無制限 | 64 | 48 | 32 | 16 |
VariAudio | ○ | - | - | - | - |
AudioWarp | ○ | ○ | - | - | - |
VCAフェーダートラック | ○ | - | - | - | - |
MIDI 関連、作曲&シーケンス機能 | |||||
最大MIDIトラック数 | 無制限 | 128 | 64 | 48 | 24 |
譜面作成・印刷機能 | ○ | ○(簡易) | ○(簡易) | ○(簡易) | ○(簡易) |
コードトラック | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
コードアシスタント | ○(フル機能) | ○(限定機能) | - | - | - |
五度圏表示 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
近接コード表示 | ○ | - | - | - | - |
コードパッド | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
VST プラグインエフェクト | |||||
付属オーディオエフェクトプラグイン数 | 71 | 51 | 41 | 28 | 18 |
VST インストゥルメント | |||||
インストゥルメントトラック | 無制限 | 32 | 24 | 16 | 8 |
付属VST インストゥルメント数 | 8 | 8 | 3 | 1 | 1 |
HALion Sonic SE 2 音色数 | 1410音色 | 1044音色 | 688音色 | 185音色 | 185音色 |
Groove Agent SE 4 音色数 | 179プリセット | 179プリセット | 96プリセット | – | – |
基本的にはCubase Elements 8がベースになっているのですが、トラック数や同時に利用できるプラグインの数、バンドルされているプラグインの種類などに違いがあります。とはいえ、Cubase AI 8もCubase LE 8もVST対応のDAWですから、自分の好きなプラグインを追加して使うことは可能ですから、かなりのポテンシャルを持ったDAWであることは間違いないですよね。
インストール時の画面を見ても、Cubase Elements 8、AI 8、LE 8は基本的に同じソフトなのが分かる
もちろん本気で使っていくと、トラック数に物足りなさを感じることになるとは思いますが、とりあえず使ってみる分には十分過ぎるスペックを持っているし、Cubase AI 8なら、192kHz/32bitFLOAT(Cubase LE 8は96kHz/24bit)まで対応しているので、性能的にも十分ではないでしょうか?
という内容を読んで、「おお!じゃあ、自分のCubase AIもバージョンアップしよう!」なんて思った方、残念ながらそれはできないんですよ。このダウンロード版のCubase AIやCubase LEにはバージョンアップというものは存在しないんです。すでに、Cubase AI 7をダウンロードした方は、そのダウンロード・アクセスコード使用済みということになり、Cubase AI 7はまだダウンロード可能ですが、新たにCubase AI 8を入手ということはできないんです。
Cubase AI 8を入手できる条件は、まだ未使用のダウンロード・アクセスコードを持っていること。もし1年前に購入した製品であっても、ダウンロードしていないのであれば、使うことができるので、試してみる価値はありますよ。ただし、この紙切れ1枚だけでOKかというとそうではなく、ハードウェアのシリアル番号なども必要となるので、注意してくださいね。
Cubase LE 8が存在していることは確認できたが、入手できるかはメーカー次第
一方、Cubase LE 8のほうはちょっと条件が異なるようです。Webサイトを見ると、確かにCubase LE 8はリリースされているのですが、未使用のダウンロード・アクセスコードがあれば絶対Cubase LE 8が入手できるとは限らないんです。
というのは、前述の通り、Cubase LEはサードパーティー製品にバンドルされるものであり、そのメーカーがSteinbergとどんな契約をしているかによって、対応が異なってくるようなのです。たまたま5月5日に、AKAI製品を登録してCubase LEを入手したという人が知人にいたので聞いてみたところ、ダウンロードできたのはCubase LE 7だったとのことなので、何でもOKというわけにはいかないみたいですね。
5月末発売予定のUSBミキサー、AG03にもCubase AI 8がバンドルされる
とはいえ、Cubaseバンドルのオーディオインターフェイスを買うのには、いいタイミングなのではないでしょうか?サードパーティー製品についてはメーカーに確認してみる必要がありますが(メーカー側も認識していない可能性が高いですが……)、Steinberg製品のほうは、すべて確実にCubase AI 8が入手可能ですからね!
あ!それから、私の怠慢で、遅れに遅れていたCubase 8の解説書、「Cubase 8徹底操作ガイド」ですが、ようやく書き終えて、現在最終段階に入っています。急きょ、ここにAI 8とLE 8も対応する形で編集しており、近日中に発売されると思いますので、もうしばらくお待ちください!!
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Cubase 8のエントリー版、Elementsが1万円で発売だ!
【価格チェック】
◎Amazon ⇒ UR22
◎サウンドハウス ⇒ UR22
◎Amazon ⇒ UR12
◎サウンドハウス ⇒ UR12
◎Amazon ⇒ AG03
◎サウンドハウス ⇒ AG03
◎Amazon ⇒ TAC-2R
◎サウンドハウス ⇒ TAC-2R
◎Amazon ⇒ Scarlett Studio
◎サウンドハウス ⇒ Scarlett Studio
コメント
いつも楽しく拝見させていただいておりますm(_ _)m
現在、Cubase6.5を使ってるんですが8にしようかすんごく悩んでいます。
あんまり言えないんですが他のverがバグやらでverを上げて大丈夫なのかすんごく不安です。
8も今上げるかまたは次のverで上げるか悩んでるんですがどうでしょう。
よろしくお願いします。
タッチさん
どのDAWでも、どのバージョンでもバグがないものはないと思います。
確かに6.5は比較的安定していると評判ではありましたが、現在の8.0.10、悪くないと思いますよ。
古いソフトだと、最新のアップデートがないので、新しい環境での動作には支障をきたす可能性もあると思います。完全にOSもドライバもいっさいかえず、古いものを使う覚悟があれば、6.5のままでのいいとは思うのですが。
遂に!Cubase 8徹底操作ガイド期待して待ちます!
4月上旬にUR242を購入、4月9日にコードを打ち込んだ時のCubaseはAI 8でしたよ~
ご参考までに!
雪ふくろうさん、情報ありがとうございます。
Elements 8が出た時点ではAIがまだ出ていないことを確認していたのですが、
私が何か確認ミスをしていた可能性もありそうですね…。
うぉっしゃああああぁ!
敢えて 「ボーカロイドスターターキット」 の Cubase AI をダウンロードせずに待っていたのです。
「Cubase 8徹底操作ガイド」も買わせていただきますよ。 🙂
supersenseさん
それは、作戦勝ちですね(^^)。
本のほう、もうしばらくお待ちください。よろしくお願いします。
Cubase AI 8を使い始めました。
SteinbergのCubase AI 8のホームページ
http://japan.steinberg.net/jp/products/steinberg_yamaha_products/cubase_ai_8.html
のHALion Sonic SE 2の説明項目の中に「さらに、強力なアナログモデリングシンセサイザー Trip も搭載しました。」と記述がありますが、Cubase AI 8では具体的にどのように起動すればよいのでしょうか?
Cubase AI 8では起動できないのでしょうか(ホームページの誤記でしょうか)?
情報をお持ちでしたら、ご教示お願いします。
Mさん
こんにちは。私も、HALionSonic SE 2でゼロからTripを起動させる方法がわからないのですが、Elements 8やPro 8では、音色リストからTrip***というものを選ぶと、画面がTripへと切り替わるのを確認できます。
が、いまAI 8で見てみると、そもそも音色にTrip系がないですね。ということは表記ミスのように思います。
はじめて投稿させていただきます。シンセサイザーMX61買ったときに、(cubase ai element 8 をインターネットでダウンロードしてみました。また初めてはいませんけど、このソフトで、CDなみの音楽が作れるんでしょうか?
honoluluryhmeさん
こんにちは。いい音楽が作れるかどうかは、作る人次第ではありますが、スペックという点だけでいえばCubase AI 8であれば、CD並レベルはもちろん、24bit/192kHzという現在最高級のハイレゾサウンドも作れますよ。
失礼します。cubase element 8を使っていました。先日artist8.5アップグレード版をネットで購入しました。artist8.5のアクティベーションコードは認識されたのですが、アップグレードに選択可能なライセンスなし、と出てしまいます。
そもそもelement8からartist8.5にはアップグレードできないのでしょうか…?steinberg社のサイトを見てもわからず、教えていただけますと幸いです
cubase初心者さん
いまSteinberg online shopに見に行ってみました。
普通にArtist 8.5のところを見ると、「Upgrade from Cubase Elements or Studio」
というのがありますよ。価格は21600円ですね。
もし間違ったものを購入してしまったのであれば、online shopの問い合わせ窓口に
連絡してみるといいと思いますよ。
コメントありがとうございます。はい、elementからのアップグレード版を購入したのですが…。artistのアクティベーションコードは認識されたのですが、アップグレードするライセンスがない、と出てしまいます。サポートに問い合わせもしましたがよい回答が得られず…
cubase初心者さん
それは、やっぱりサポートとやりとりするしかないように思うのですが、
まずElementは青のSteinbergキー(USBドングル)をUSBポートに刺して使っていますか?
それともSoft elicenserという形でドングルなしで使っていますか?
いずれにせよ、アップグレードするには、いずれかに入っているライセンスが必要になります。
そしてライセンスが入っていれば、現在そのPCでElementsを起動させることができるはずですが、そこは問題ないでしょうか?
もし、別のPCにライセンスが入っている場合、まずはそのライセンスを、これからインストールしたいマシンへ移す必要があります。
そのライセンスが用意できれば、うまくいくと思うのですが。
ありがとうございます。steinberg社にはartistのキャンセルができるか問い合わせしています
ドングルなしのeライセンサーで使っていました。いったんartistはアンインストールし、elementを立ち上げてみたところ、立ち上がるには立ち上がりましたが、Halionの一部がロードできないと出て、ライセンスに不具合が出ていると考え、eライセンサーコントロールセンターでメンテナンスもかけてみましたが変わらないようで参りました。elementも再インストールしてアクティベーションコード再発行しようかと考えています
失礼します。その後、ドングルを購入して、elementsのライセンスをコピーしてみたところ、うまくアップグレードが出来ました!お騒がせしました。ありがとうございました。
cubase初心者さん
無事解決してよかったです!
LE7のライセンスを持っててアクティベートはしてましたがほとんど使っていなかってのですが、先日アカウント管理ページを覗いたところLE8へのアップグレードオファーが表示されていました。
いつから始まってたのか不明で何らかの条件などがあるのかもしれませんが、有償でLE8へのアップグレードも用意されているようです