昨年から何度か紹介しているサイバーステップのゲーム機風小型DAW、KDJ-ONEがあと数ヶ月で発売となります。すでに予約受付もスタートしているので、待ち遠しく思っている方も多いのではないでしょうか? 先日、その機能の詳細についてはAV Watchの連載でレポートしました。その記事において、画面もいっぱい撮影して紹介しているので、全体像はそれを読んでいただくのがいいと思います。
一方、そのときに実際どんな音がでるのかをビデオ撮影するとともにリニアPCMレコーダーで録音もしてみました。これを見ると、KDJ-ONEの実際の雰囲気がもう少しよく分かると思いますので、ビデオを交えながら2回に分けて紹介してみます。
KDJ-ONEをビデオで撮影してみた
KDJ-ONEは見てのとおり、DAW専用機ではあるのですが、中身はコンピュータそのもの。CPUには<strong>Intel ATOM E640 1.0GHz</strong>、OSには<strong>MeeGo</strong>というLinux系のものが採用されています。実際、DAWとして使えるだけでなくブラウザとして使ったり、Skypeで通話をしたり、メールのやりとりをしたり……ということも可能なマシンになっているのです。
そのことはKDJ-ONEの起動シーンを見るとニュアンスがつかめると思います。電源を入れるとMeeGoのGUIによる選択メニューが表示されます。ここからKDJ-ONEを起動させるのですが、ほかのものを起動させることもでき、アプリケーションをインストールすれば、まさに汎用マシンとしていろいろ使えるのです。
ほかにもさまざまなアプリケーションを動かせる
KDJ-ONEを起動させると、まずこれはシンセサイザそのものとなっています。数多くのプリセット音色が入っているので、まずはこの中からいくつかの音色を選択してみます。
演奏は本体にあるボタンを鍵盤代わりに使え、ボタンを押すと点灯するようになっています。また、このビデオ上では操作しませんでしたが、フロントの角にある左右のスライダーを動かすことでベロシティ(左)とモジュレーション(右)を調整することも可能になっているのです。
左のスライダーでベロシティ、右のスライダでモジュレーションを動かせる
また、このボタン鍵盤では物足りないというのであれば、CoreMIDI対応の<strong>USB-MIDIキーボード</strong>を接続して演奏することも可能です。
USB端子にUSB-MIDIキーボードを接続することもできる
さて、シンセサイザというからには、当然音色をエディットすることが可能です。先ほどのAV Watchの記事でも書いていますが、基本的に2オシレーターの音源で、波形としてさまざまなものが用意されているだけでなく、2つを足してリングモジュレータ的に使ったり、掛け合わせてFM音源として使うなど、さまざまな組み合わせが可能です。もちろんエンベロープジェネレータやLFOなど、一通りのパラメータが用意されているわけですが、やはり音色をいじる上で大きなポイントになるのがフィルタです。
KDJ-ONEにはフィルタ専用画面があり、FREQとRESOの2つのパラメータで音色を自在にいじることが可能です。またモード選択により、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタに切り替えることが可能で、どのモードにするかによって効き具合も大きく変わってきます。ここではもっともオーソドックスなローパスフィルター「LP 12」のモードで音をいじっています。
ビデオを見ても分かるとおり、マルチタッチに対応した液晶ディスプレイなので、FREQとRESOをいっしょにいじることも可能です。ボタンを押しながら、液晶も動かすのはちょっと難しく指が滑ったりしていますが、もちろんシーケンサで演奏させながら、フィルタをいじることもできるし、その際の動作を記録させるといったことも可能なので、いろいろ応用ができると思いますよ。
次回はそのシーケンサの画面を少し撮影しているので、そちらを紹介する予定です。
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