先日、数値入力による打ち込みができるソフトとして紹介した国産DAWであるインターネットのSinger Song Writer。昨年の9月16日以降購入した人には、もれなくNative Instruments(以下NI)のKOMPLETE ELEMENTSというパッケージがもらえるキャンペーンが実施されています。さらに1月13日からは、Singer Song Writer Lite 7とKOMPLETE ELEMENTSをセットにしたバンドル版が数量限定で18,900円で発売されました。
通常版のSSW Lite 7の価格が15,750円だから3,150円の価格差ですが、この価格でNIのソフトシンセやプラグインエフェクト、音色ライブラリなどが入手できるなら、だいぶお得なような気がします。ちょっと気になっていたので、インターネットの村上社長にお願いしてみたら、「特別に」と1ついただけてしまったので、どんなものなのかちょっと試してみました!!
SSW9を買うともらえるKOMPLETE ELEMENTSのパッケージ
DVD-ROMが1枚、ペロンと届くんだろうと宅配便の到着を待っていたところ、B6サイズのパッケージに入った商品がやってきました。開けてみるとDVD-ROMが1枚とマニュアル類一式が入っています。日本語で表記されたクイックスタートガイドなどで、輸入元として「株式会社ディリゲント」との表記まであります。そう、これディリゲントが実売価格5,980円程度で販売しているKOMPLETE ELEMENTSそのものなんですね。
さっそくSSW Lite 7を入れてあるWindows 7 64bit版の環境にインストールしてみると、さすが大量のサンプリングデータを収録したソフトだけに、結構時間がかかります。結局30分程度を要して完了。
インストールには30分ほどかかるが、待ってればそのうち終了する
中身的には、
●KONTAKT 4 PLAYER
●REAKTOR 5 PLAYER
●GUITAR RIG 4 PLAYER
に加え、インストールに時間がかかった要因である3GB、約1,000種類のサンプルデータなどとなっています。また、SSW専用版というわけではなく、普通のパッケージなので、VST/VSTiプラグインとして使えるほか、スタンドアロンで使うこともできるし、RTASプラグインも収録されています。さらにMacとハイブリッドになっているから、Macでも使うことが可能になっているんですね。
SSW Lite 7にKOMPLETE ELEMENTSを組み込んでみた
ここでは、SSW Lite 7からそれぞれをプラグインとして動かしてみました。まず使ってみたのはKONTAKT PLAYER。これはNIの代表的な音源で、強力なサンプラーです。予めドラム音源であるAbbeyRoad|60s Drumsというビンテージドラムキットが用意されているほか、KONTAKT ELEMENTS SELECTIONというさまざまな音源ライブラリ集も用意されているため、これらから好きな音源を選んで使うことができます。
SSW上で立ち上げたKONTAKT PLAYER
KONTAKT ELEMENTS SELECTIONでは、ギター、ベース、ピアノ、オルガン…といったバンド系の音源からオーケストラ系の音源、ビンテージシンセ、ワールド楽器までさまざまなライブラリが用意されているので、かなり使えそうですよ。まあ、SSW Lite 7でもRolandのVSCやLinPlugのアナログシンセ、Alphaが入っているので、これだけでもいろいろできることは確かですが、このKONTAKTがあると、かなり広がりが出るのではないでしょうか?
さらにすごいのがREAKTORです。REAKTORはNIの原点ともいえるソフトなのですが、とりあえず、これをVSTi=ソフトシンセとして呼び出してみると、計6種類のまったく異なるソフトシンセとして使うことができるようになっています。そう、予め6つのプリセットが用意されているので、これを読み込むことで、まったく違う音源になるのです。ひとつひとつの機能については、ここでは省略しますが、どれも結構使える音源になっています。
違うプリセットを読み込むとまったく異なるシンセに変身
しかし、REAKTORというのは実は、本来ソフトシンセそのものを作るツールなんです。実際これまで数多く登場してきたNIのソフトシンセもREAKTORで作られたものが大半。古くはProphet5のエミュレータ、Pro-53やDX-7のエミュレータであるFM8なんかもそうですね。先ほどの6つのプリセットもREAKTORで作られたソフトシンセというわけです。
REAKTOR PLAYERという名前になっているのは、「これ自体ではシンセの設計・開発はできず、出来上がったものを利用するだけ」という意味でPLAYERとなっているわけです。で、試してみたのがNIのサイトに上がっているREAKTORのライブラリです。ここにはユーザーが作った1,000超える膨大な数のライブラリが置かれており、NIのユーザーであれば自由にダウンロード可能となっています。試しにいくつかダウンロードして試したところ、動かすことができました。まあ、中には読み込むとエラーになってしまうものもありますが、半分程度は使えそうですよ。たとえば、Nord Rack 2Xというライブラリを読み込むと、画面もサウンドもいかにもNordといったサウンドが飛び出してきます。
REAKTORがNordになってしまった!
ただし、その場合REAKTORのDEMO版として機能するため、設定した音色を保存することなどはできませんが、SSW Lite 7側から普通に鳴らすことができるため十分使うことができます。
また、REAKTORはエフェクトとしても機能するため、VSTプラグインとしても使えるのも面白いところです。
GUITAR RIGをプラグインエフェクトとしてSSW Lite 7に組み込んでみた
そして3つ目のGUITAR RIGはギターアンプシミュレータ。IK MultimediaのAmpliTubeと並ぶ2大ソフトの1つです。これはSSW Lite 7のエフェクトとして使うことができるほか、醍醐味はスタンドアロンで起動させて、ギタープレイを楽しむことにあるのかもしれません。
GUITAR RIGはスタンドアロンで動かすのも楽しい
全部で155種類のプリセットが用意されているほか、アンプ、キャビネットさらにはディレイ、ディストーション、ダイナミクス、EQ……と各種コンポーネントを自分で組み立てて自分だけのギターサウンドを構築できるのも楽しいところです。
これだけ楽しさいっぱいのKOMPLETE ELEMENTSが入手できるのだから、LiteにせよProfessionalにせよ、SSWは今が買い時かもしれませんよ!