毎週月曜日に記事を掲載しているインプレスのAV Watchの連載「藤本健のDigital Audio Laboratory」。今週3月12日（土）、この連載がスタートしてちょうど10年を迎えることになりました。AllAboutでやっている「DTM・デジタルレコーディング」も先日の2月15日、ちょうど10周年を迎えたところですが、よく10年間やってこれたな、と感慨無量です。
自慢はこの10年間、「一度も休まなかったこと」だったはずなのですが、10年を目前にして事故で入院し、2週間休載してしまったことは、非常に悔しいところ。とはいえ、なんとかここまでやってこれたのは読者のみなさんがいっぱい読んでくれたことに他なりません。改めて御礼申し上げます。
AV Watchの「藤本健のDigital Audio Laboratory」が連載10年を迎えることができました
振り返ってみると、AV Watchでの連載は、ちょっとしたキッカケでスタートしました。ちょうどその直前までリットーミュージックのSound & Recording Magazine（サンレコ）で、5、6年PCやWindowsの連載をしてきたのが終了となり、どうしようかなと思っていたのです。たまたま別件でリットーミュージックの親会社でもあったインプレスに打ち合わせで来ていた際、スタートしたばかりのAV Watch編集部を紹介されたのです。その際、編集担当者のFさんから「コンテンツがまだ少ないから音関連のネタで何か書かないか？」と誘われ、二つ返事でOKしたのが始まりでした。
私もオーディオそのものに強いわけではなかったのですが、当時すごく気になっていたのが「CD-Rにダビングしたら音質が変わるのか？」というテーマでした。どう考えても嘘、というオカルト話がいっぱいで、雑誌や書籍などにも、インチキ臭い話ばかりだったので、これを実証して、暴いていこうというのが最初のテーマでした。そのため、初回の記事のタイトルも
第1回：迷信だらけのデジタルオーディオ
【CDにまつわる噂を徹底的に解体!】
～ 第1回 そもそもオーディオCDって何だ? ～
となっていたわけです。とはいえ、記事を引き受けた時点では、とくに自分自身で証明できているデータがあったわけでもなく、細かい実験をしていたわけでもないので、結構軽い気持ちで、受けてしまったんですよね。
Digital Audio Laboratoryの第1回の記事
しかも当時はまだサラリーマン（株式会社リクルートで仕事をしていました）。副業？として、月刊誌での記事はいろいろと書いていましたが、週刊での連載は初めてだったため、いきなり仕事地獄に陥りました。ちょうどAllAboutもスタートしたばかりで、ほかにもいろいろな雑誌（当時はまだ出版業界も今と比べると元気で、PC誌などがいっぱいあり、ここでDTMネタ、音ネタを書かせていただいていました）で書いていたので、会社の仕事も含めると大変なことに……。
書いたと思ったら、すぐに翌週のネタを考え、実験をし（今でもそうですが、テストをしても思ったとおりに行かないケースが多く、大変です）、原稿にして納品し……の繰り返し。常に来週のネタはどうしよう、と考える毎日で、人にあったら「何かいいネタないかな」なんて話ばかりしていました。もっとも毎週ネタを考えて…というサイクルは今でも同じなんですが、10年やってると、さすがにペースはつかみましたからね。また、現在はそれが本業なわけですし。
また当初は「AV Watch」ということで、DTMをそれほど前面に出すことは控えていました。CD-Rのシリーズを一通り終え、第8回で、初代バージョンのSONARの紹介記事を掲載していましたが、その後からはMP3の検証と、それなりにオーディオ中心に書いていました。が、いつの間にやらDTMメインの連載になってしまいましたね。それを許してくれた編集部にも感謝しております。
第453回を持って10周年を迎えた
前述のとおり、2回ほど休んでしまいましたが、現在、第453回。よく続けられたな、と。その続けられた背景には、現在編集長であるFさんが、初回から現在でも10年ずっと担当して支えてくれたことが第一にあります。そして、連載が月曜日だったというのも大きなポイント。そう、ハッピーマンデーによるお休みが適度にあってくれたから、息抜きができたんですよね。
さて、これからどれだけ続けることができるでしょうか。私の思いとしては、ずーっと書いていきたいとのですが……。まず当面の目標は第500回を向かえること。ぜひ、続けられるよう応援していただけると嬉しいです。
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