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reProducerの系譜を引く低価格なDTM用モニタースピーカー、Auraphon PS3が誕生

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アメリカ・カリフォルニア州のメーカー、Auraphon AudioからAuraphon PS3という3.5インチという小型のモニタースピーカーがリリースされ、国内でも発売が開始されました。現在発売記念のイントロプライスとのことでペアで39,600円(税込)と手ごろな価格になっています(イントロセール終了後、49,000円程度になる模様)。でも、このデザインを見て、おや?と感じた方も少なくないと思います。そう、これはドイツのメーカーで国内でもプロユーザーから評価の高い、reProducer AudioのEpicシリーズに通じる雰囲気をまとっているのです。

それもそのはず、実はAuraphon PS3はreProducerが設計に協力する形で開発されたものであり、大きさ的にもreProducer Epic4とほぼ同じになっているのです。またEpicシリーズでお馴染みのインシュレーター機能を持つ脚部分は、まったく同じ部品が使われているのもユニークなポイントです。Epic4がペアで148,500円であるのと比較して、かなり低価格なAuraphon PS3ですが、ここにはreProducer EpicシリーズにはないUSBオーディオ機能やBluetoothオーディオ機能なども装備し、より手軽にオーディオを楽しめる仕様にもなっているのです。実際どんなものなのか試してみたので、Auraphon PS3について紹介していきましょう。

reProducer Epicシリーズの弟分的な位置づけで誕生した3.5インチのモニタースピーカー、Auraphon PS3

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reProducerの開発陣が協力する形で2年前にスタート

今回発売されたAuraphon PS3、最初に見たのは1月のNAMM Showの会場でした。カラフルなカワイイ感じのスピーカーが並んでいて、何だろうと思って見たら、横にreProducerのEpicシリーズが置かれていて、「あれ?」と思ったのです。

NAMM Showで見かけたAuraphon Audioのブース

ブースにいたヨーロッパの営業担当というThomas Spechtさんに話を聞いてみると、

「Auraphon Audioは2年前から立ち上がった新しい会社ですが、縁があってreProduceの開発陣の協力を得て、新たなターゲットに向けたスピーカー開発を開始しました。その結果、新会社Auraphon Audioとして初の製品が完成しました。それがこのAuraphon PS3です。reProducerの音作りを引き継ぎながら、DTMユーザー、ミュージシャン、映像制作者、DJ、配信者、ゲーマー、そして音楽好きと、より幅広いライト層に向けたスピーカーとして開発したのです」と話していました。

Auraphon Audioのヨーロッパ営業担当のThomas Spechtさん

reProducerがまさに業務用モニタースピーカーであり、とにかく正確な音を出すアナログのスピーカーとして開発したものであるのに対し、Auraphon PS3は、そのサウンドの傾向はそのままに、より手軽に、より幅広い用途で使えるように、Bleutoothオーディオに対応させたり、USB Type-C端子経由でPCやスマホと接続できるようにするなど、使い勝手の面で一般ユーザーに大きく寄せたものになっているのです。

DTM環境で使用してもコンパクトなサイズで置き場所にも困らない

低音の量感もしっかりあり、バランスの取れたサウンド

NAMMで展示されていたのはブラック、ホワイト、ブルー、オレンジ、イエローと5色でしたが、これに加えてレッドも登場し、最終的には6色がラインナップされるようですが、最初にリリースされたのはブラックとホワイトの2色。カラバリについては、イントロセール終了後に登場するものと思われます。

現在Auraphon PS3はホワイトモデルに加え、ブラックモデルが販売されている

reProducer Epic4(左)とAuraphon PS3(右)

そのAuraphone PS3をreProducer Epic4と並べてみたのがこの写真。サイズ的にはほぼ同じで、PS3が3.5インチのウーファーなのに対し、Epic4のほうは4インチなため、スピーカーサイズはちょっと違います。

前述のとおり、インシュレーター的な意味合いを持つ三角の足部分は共通になっており、取り外して水平に置くこともできます。

足部分はreProducer Epic4もAuraphon PS3もまったく同じものが使われている

またEpic4は左右それぞれアンプを搭載した同じモニタースピーカーですが、PS3は左側スピーカーのみにアンプが搭載されており、右側のスピーカーは左側スピーカーと2mの付属ケーブルで接続して使う形となっています。

右側のスピーカーには付属のスピーカーケーブルで接続する

「左右のスピーカーは絶対同じ構成であるべき」という原理主義者からすると、対象外のもの、ということになってしまうのですが、左右アンプ独立型と比較してもそん色ないバランスの取れた再生が可能なチューニングがされているという印象でした。また接続端子が1箇所に集中しているからセッティングがしやすいのも大きなメリットだし、電源もメガネケーブル1本で済んでしまうというのは手軽で便利です。

Auraphon PS3のリアパネル

もっとも価格面において3倍以上に違いがあるだけに、音においては、やはりreProducerのEpic4が一枚上なのは確か。Epic4のほうが解像度が高く、低域も深いという印象ですが、PS3も傾向は近く、同様にサイズからは想像できないほどパワフルなサウンドが出せるものでした。とくにパッシブラジエーターを装備していないにも関わらず低域のパワフルさには驚かされ、まさにいまの嗜好にマッチした音、という印象。といっても低音がズンズン強すぎるというわけではなく、バランスは取れつつも、ズッシリと来てパンチのあるサウンドになっています。

モニタースピーカーとしてだけでなく、オーディオ用スピーカーとしても抜群

アナログ、デジタルの入力装備だが、音質的にはTRSフォンがベスト

では、その入出力について見ていくと、アナログ入力としてTRSフォンのバランス入力があるので、DTMユーザーであれば、オーディオインターフェイスとTRSの3端子のケーブルを2本使って接続するのがベストです。

メインの入力はTRSフォン。音質的にもこれを使うのがベスト

一方で、RCA(ピンプラグ)の入力もあるので、民生のオーディオ機器と接続するのであれば、こちらを使う形になりますが、やはり音質を求めるならTRS接続が間違いない感じですね。

オーディオ用として使う場合はRCAの入力も利用可能。またサブウーファー出力も搭載されている

そしてUSB Type-C端子があるのもAuraphon PS3の大きな特徴の一つ。そう、これをWindowsやMac、またiPhoneやiPad、Androidに接続することで、デジタルのまま直接このPS3を鳴らすことができるのです。そういう意味では、ノイズレスでPS3にとってベストの接続方法のようにも思えますが、実際に試してみたところ、DTM用モニタースピーカーとして使うという観点からすると、これはサブ的な機能、と捉えたほうがいいように思いました。

USB Type-C端子があり、これをPCやスマホと接続することで直接音を鳴らすことが可能

というのも音質面においてはUSB接続よりも、アナログのTRSフォン接続のほうが断然高品質。またあくまでもUSBクラスコンプライアントでの接続とのことで、各種コンピュータやスマホと接続するだけで使えるのは便利ですが、ドライバは用意されていません。そのため、とくにWindowsにおいてはASIOドライバが利用できず(ASIO4ALLなどを利用することは可能ですが)、レイテンシーも大きくなってしまいます。そうした点から見ても、DTM用途で利用するのであれば、断然TRSフォンを使うべきでしょう。

なお、サブウーファー出力端子があるのもユニークなところ。前述の通り、PS3は十分な低域の量感を持っていますが、よりパワフルな重低音を求める場合は、ここを通じてサブウーファーに接続して使うことも可能になっています。ほかのメーカーのサブウーファーでも汎用的に利用できるようなので、別途入手して使ってみるのもよさそうです。

LF-TRIMおよびHF-TRIMがあり、ここで音の調整が可能

さらにもう一つチェックしておきたいのがベースとトレブルの調整スイッチが2つ用意されている、という点。デフォルトはもちろん両方とも0dBとなっているのですが、もし低域が強すぎると感じた場合は、LF-TRIMを-1.5dB、-3dBと下げることで押さえていくことが可能です。一方の高域が強すぎたり、弱すぎた場合はHF-TRIMで調整することが可能となっています。

フロント操作で入力切替やBluetooth接続も

続いてフロントを見てみましょう。左側のスピーカーの左下にボリュームがありますが、ここで音量調整をすると同時に、プッシュボタン式になっており、これでアナログ、デジタル(USB)、Bluetoothの入力切替ができるようになっています。複数のソースを接続しておいて、このスイッチで手軽に切り替えることができるという意味では、非常に便利だと思います。またアナログの場合、周りのLEDが水色(シアン)、USBの場合は緑、Bluetooth接続すると青になるようになっているので、何に接続されているのかも一目で分かるというのも使いやすい点です。

フロントのノブでボリューム調整できるほか、プッシュすることで入力の切り替えができる

ちなみにBluetooth接続するにはこのボタンを長押しすることでペアリングすることができる仕掛けとなっています。ただしBluetoothで対応しているCODECはSBCとAACの2種類のみとなっています。

長押しするとBluetoothのペアリングモードに入り、接続されると青く点灯する

また右側には3.5mmのステレオ入力出力端子が2つ用意されていますが、上がヘッドホン出力、下がAUX入力となっており、ちょっとしたサウンドチェックなどの際に便利に使えます。また、スマホとBluetooth接続した際の音をヘッドホンで聴くことができるという点でも重宝しそうです。

3.5mmのヘッドホン出力およびAUX入力も装備されている

DTMer向けにプラグインもバンドルされている

以上、Auraphon AudioのDTM向けモニタースピーカー、Auraphon PS3について見てきましたが、いかがだったでしょうか?この価格の割に、かなり使える強力なモニタースピーカーの登場という印象です。

またモニタースピーカーではありながらも、オーディオリスニング用、ゲーム用などとしても利用できるように、USB接続機能があったり、Bluetooth接続機能、AUX入力機能も装備するなど、普段使いに便利なスピーカーにもなっています。

さらに、DTMユーザー向けに各種プラグインがバンドルされているというのもユニークな点です。具体的には以下の4種類。

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– 90年代を代表するデジタルシンセのコレクション
https://www.uvi.net/jp/digital-synsations.html
Melda Production MTurboEQ
– 12種のビンテージEQを1つにしたEQプラグイン
https://www.meldaproduction.com/MTurboEQ
United Plugins United Guitar Essentials
– 録音したギターやベースをより良くするためのシンプルなプラグインバンドル
https://unitedplugins.com/UnitedGuitarEssentials/
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DTM用にコンパクトなモニタースピーカーを探している、という人にとって、Auraphon PS3はかなりお勧めできる製品です。

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