以前DTMステーションでも紹介しましたが、現在Synchro ArtsのVocAlign 6 Proを含むバンドルが年末セールを実施中です。VocAlign 6 Proは、たとえばリードボーカルをガイドにして、ダブルやハモリパートのタイミングやピッチを自動で調節することができ、作業時間を大幅に短縮してくれる画期的なプロ御用達ツール。ボーカル修正ツールとしては、CelemonyのMelodyneやantaresのAuto-Tuneがあるほか、CubaseのVariAudioなどDAWの機能として搭載されているものがありますが、これらは通常1トラックずつしかボーカル編集を行えません。なのでダブルトラックやハーモニーのトラックが大量にある楽曲で、エディットに膨大な時間がかかった経験がある方も多いと思います。
そんな中、VocAlign 6 Proを使えば、かなりの時間を圧縮できるし、その完成度も抜群。Synchro Arts自体は、今はLANDR社の傘下ですが、設立は1994年と老舗のブランドでもあり、音楽に携わる世界中のプロが愛用しているプラグインでもあるのです。そんな、VocAlign 6 Proや同じSynchro ArtsのRevoice Pro 5、RePitch Standardさらには、LANDRの数々のソフトウェア音源、AI自動作曲ツール、エフェクト……などテンコ盛りに詰めたを含むバンドル製品Ultimate Plugin Bundleが通常価格でも激安の46,900円(税込)で、それがこのセールでさらに50%OFFの23,450円(税込)というトンでもない価格で展開されているのです。そもそもVocAlign 6 Pro単体の通常価格33,550円(税込)ですから、いかにメチャクチャなセールを展開しているのかが分かると思います。そこで、今回はVocAlign 6 Proに焦点を絞り、実際の使用方法や、その実力をチェックしてみたので、セールの概要も併せて紹介していきましょう。
タイミングを速攻でエディットできるVocAlign 6 Pro
VocAlign 6には、すべての機能が開放されているVocAlign 6 Proと、フォルマント・シフトやトランスポーズ、ピッチ補正など一部機能制限のあるVocAlign 6 Standard、2つのラインナップが用意されています。いずれにおいても、システム要件は、macOS 10.14以降またはWindows 10以降(64 ビット)で、VST3、VST3 ARA、AU、AU ARA、AAXに対応しています。またVocAlign 6はARAに対応しているので、Studio One、Cubase、Pro ToolsなどARAに対応したDAWで使えば、VocAlign 6をDAWの一部の機能として使うことが可能です。
ではさっそく、実際にStudio One 7上でVocAlign 6 Proを試しながら、その使い方を見ていきましょう。
トラックは、メインボーカルとハモリトラック2つを用意しました。まずは、メインボーカルをガイドにハモリトラックのタイミングを揃えていこうと思います。VocAlign 6 Proはあくまで、ガイドのトラックに合わせていくという操作しかできないので、事前にメインボーカルなどガイドとなるトラックは、RePitchやMelodyneなど1音1音調整できるツールを使って最初にエディットを行っておきましょう。
さて、Studio One 7はARAに対応しているので、これを使ってVocAlign 6 Proを利用していこうと思います。まずは、メインボーカルのイベントを右クリックして、オーディオの中にあるVocAlignで編集をクリックします。
すると、下の画面にVocAlignが表示されます。このVocAlignの画面の左側にある、GUIDEのCaptureをクリックすると、メインボーカルトラックがガイドとして読み込まれます。
続いて、ガイドに合わせたいトラックもイベントを右クリックして、オーディオの中にあるVocAlignで編集をクリックします。
次にVocAlignのDUBにあるCaptureをクリックします。これだけで、ガイドボーカルのタイミングにハモリのタイミングを合わせることが可能です。
改めて一番上は、ガイドのトラック、中段がガイドに合わせるトラック、一番下が結果となっています。初期値では、ガイドにピッタリ合わせる設定になっていて、ルーズさは右の時計アイコンをクリックすると表示されるMATCH TIMINGのツマミを左に回すと、調整することが可能。
VocAlignでの調整が終わったら、一度書き出しておくと、後々の作業が楽になりますよ。
実際に調整前と調整後を比べてみると、ガイドのトラックにしっかり合っていることが分かりますね。下の画像は真ん中がVocAlign適応後のトラックとなっています。
ピッチもガイドに合わせて修正できる
続いて、ハモリトラック1をガイドにハモリトラック2を合わせていきましょう。せっかくなので、プラグインをインサートする形でもVocAlignを使っていきます。プラグインは、ガイドに合わせたいトラックにインサートしていきます。またハモリトラック1は、まだタイミングしか合っていないので、ピッチは事前に調整しておきます。
ガイドのトラックは、サイドチェーンを使って信号を取り込みます。
インサートして使う場合は、Melodyneを使うときなどと同様に、実際にDAWを再生してVocAlignに信号を読み込ませる必要があるので、Captureをクリック後、1曲通して楽曲を再生していきます。再生して読み込み終わった後は、先ほどと同様の状態になります。
VocAlign 6 Proは、ピッチもガイドに合わせていくことができるので、次はこちらを使っていきます。右のピッチタブをクリックして、MATCH PITCHをオン。
ピッチを合わせるときは、中央の表示をピッチに切り替えると分かりやすいですよ。
ピッチに関しても、タイミングを合わせたときと同様に、右側のパラメーターを使って、ピッタリ合わせることも、少しずらすことも可能です。
MATCH PITCHのオンオフを切り替えた、調整前と調整後が以下の通りです。実際に音を聴いてみても、精度よく調整されていましたよ。黄色がガイド、紫色がガイドに合わせたトラックです。
一度使い始めたら手放せなくなるVocAlign
VocAlign 6 Proでの調整が終わったら、こちらも一度バウンスしておくと、作業が行いやすくなりますよ。ざっと、VocAlignでできるメイン機能を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?たとえば、ボーカリストがたくさんいて、メインだけでも数トラック、コーラスにいたっては数十トラックある場合、VocAlignを一度使い始めたら、手放せなくなると思いますよ。
今回は試していませんが、Synthesizer Vでメインのボーカルを作っておいて、それをガイドにメインボーカルを合わせるとか、仮歌をガイドにしたり、もしかしたら2mixからボーカルを抜き出して、それをガイドにするということもできるかもしれないですね。またボーカルだけでなく、ギタートラックにも使えるので、打ち込みのギターに対して、生のギターのタイミングを合わせていく、といった使い方も可能。1音1音ボーカルをエディットするツールは複数の選択肢がありますが、VocAlignのようにガイドに合わせて、タイミングやピッチを合わせるツールはないので、持っていて損のない製品だと思います。
VocAlignを含む、バンドル製品が50%OFF。VocAlign 6 Standard単体も40%OFF。
そんなVocAlignですが、「VocAlign 6 Proを含む合計30万円相当のプラグインバンドルが23,450円。AIマスタリングのLANDRがブラックフライデーセールが実施中!」という記事で紹介したように、現在セールを実施しています。
通常55,990円(税込)のVocAlign 6 Proですが、これを含むバンドルUltimate Plugin Bundleが、23,450円(税込)。VocAlign 6 Standardを含むバンドルSuper Plugin Bundleも13,350円(税込)で発売中です。
また、追加で年末セールもスタートしており、VocAlign 6 Standardの単体購入が、40%OFFの5,970円(税込)となっています。個人的には、ピッチも調整できるVocAlign 6 Proがおすすめですが、まずはタイミングだけでもVocAlignを試してみたいという場合は、今がチャンスですね。
【関連サイト】
LANDRサイト
LANDR プラグインセールページ
VocAlign 6 Standard製品ページ
【価格チェック】
◎LANDR ⇒ LANDR Studio
◎LANDR ⇒ プラグインバンドル
◎LANDR ⇒ VocAlign 6 Standard