11月25日からSonarworksのSoundID Referenceがブラックフライデーセールを実施中です。SoundID Referenceは、ご存知の方も多いとは思いますが、ヘッドホンやスピーカーをキャリブレーションするソフトウェア。昨今では、GENELECやNEUMANN、IK Multimediaからキャリブレーションできるスピーカーも登場してきてますが、SoundID Referenceは、それよりも前からキャリブレーションできるシステムとして、いろいろなユーザーに愛用されてきました。
そんなSoundID Referenceは、先日Universal AudioのオーディオインターフェイスApollo XシリーズのDSPを使ってのキャリブレーションもできるようになりました。SoundID Referenceは、主にCPUで動かすソフトウェアとして使用されてきましたが、最近ではPCに負担を掛けず、またレイテンシーなくキャリブレーションを行えるようになったのです。スピーカーで作業するには、スピーカーを選ぶ以上に、部屋の環境がかなり重要。とっていても、何千万も掛けて、音楽専用の部屋を作るのは現実的じゃありません…。そうした中、SoundID Referenceを使えば、確実に今のモニタリング環境よりはよくなるし、ちゃんと作られたスタジオには敵わないものの、それに匹敵する音を実現することができるのです。今回はこのSoundID Referenceを改めて紹介するとともに、Apollo Xシリーズで使うにはどうしたらいいか、そしてブラックフライデーセール情報も含めて紹介していきましょう。
自宅をスタジオへと作り変えるSonarworksのSound ID Reference
ご存じの方も多いと思いますが、改めてSound ID Referenceについて簡単に紹介すると、これは部屋の壁や天井などによって変化してしまった特性をフラットに補正するルームキャリブレーションツール。いくら高価なスピーカーを使っていても、壁、天井、机、スピーカー周囲の家具などによって影響を受け、そのサウンドがフラットから遠のいてしまいます。お店で試聴したときは、いいサウンドに聴こえたのに、いざ購入して家で聴いてみたら、イマイチだったという経験をしたことある方も多いと思います。また、こういったキャリブレーションツールが登場する前は、部屋に吸音材や音響パネル、家具の配置を移動したり…など、予算内で頑張って、いい音でスピーカーが鳴るようにする必要がありました。商業スタジオの様に大きな資金があるわけではないですし、部屋の反射音や音響特性をコントロールするには、かなりの知識と経験が必要になってきます。そんな問題を一気に解決したのがSound ID Referenceであり、一度導入した人は、ずっと使い続けている印象ですね。
そんなSound ID Referenceは、ラインナップとしては
SoundID Reference for Speakers & Headphones
SoundID Reference for Speakers & Headphones with Measurement Microphone
Calibrated Measurement Microphone
があります。Calibrated Measurement Microphoneとありますが、スピーカーをキャリブレーションするためには、SoundID Reference for Speakersというソフト以外にこの測定用マイクが必要になってきます。SoundID Reference for Speakers & Headphones with Measurement Microphoneが、マイクとソフトのセットなっているので、初めてSoundID Referenceを導入する方は、こちらを購入する必要があります。
スピーカーのキャリブレーションを行うには、ソフトと専用のマイクが必要実際のキャリブレーションは20分ほどで終わり、その後作成されたプロファイルを使用すれば、部屋の環境が変わらないかぎり、そのまま使い続けることができます。ちなみにSoundID Referenceで周波数だけでなく、音量差を0.1db、スピードを0.1msの差まで補正してくれます。なおAU、AAX Native、RTAS、VSTに対応しているので、あらゆるDAWで使うことができ、基本的にはDAWの最終段にインサートして使用します。
また、PCシステム全体でのオーディオをキャリブレーションも可能で、iTunesやYouTube、ウェブブラウザ、そのたソフトウェアを使用する際にも、フラットで正確なサウンドを再生することが可能。以前までは、Mac環境のみの対応でしたが、今はWindowsでも使用することができますよ。
ヘッドホンのサウンド最適化を実現するSoundID Reference for Headphones
メイン機能は、スピーカーのキャリブレーションですが、Translation Check機能では、車のステレオやイヤホン、テレビでの再生音を再現するので、さまざまな環境での音源チェックを行うこともできます。
さらにSoundID Reference for Headphonesを使って、ヘッドホンをフラットな音響特性に変えることも可能であり、これもSonarworksが人気な大きなポイントとなっています。もっとも、このヘッドホンのキャリブレーションは、スピーカーで行うような測定は不要です。というのも、ヘッドホンの場合は部屋の形状や音の反射などの影響は受けることはなく、基本的に同じ型番のヘッドホンであれば、どれでも音は同じなので、Sonarworksがそれぞれのヘッドホン用のプロファイルを用意しているのです。つまり、これを設定するだけで、キャリブレーションが完了する、というわけです。
もちろんヘッドホンもエイジングで音が変わったり、イヤーパッドの状況によって音に違いが出るのは確かですが、基本的な傾向は同じなので、プロファイルを選んだ上で、必要あれば各自調整するということも可能です。
Apollo Xシリーズを使うと、DSP処理でSound ID Referenceが使える
以前「ApolloがApollo X G2シリーズへとフルモデルチェンジ。音質を大幅向上させ、Sonarworks SoundIDでのDSPキャリブレーションにも対応」という記事で年内に、Apollo XシリーズがSonarworks SoundID Reference対応予定と書きましたが、無事こちら搭載されました。
通常であれば、SoundID ReferenceはPCに負荷を掛けて使う必要がありますが、Apollo Xシリーズに搭載されたDSPでこのSoundID Referenceを動かせるので、より快適に使うことができます。しかもこの機能は最新のApollo X Gen 2だけでなく、第1世代のApollo Xシリーズでも使うことができるのです。Apollo XシリーズはPCと接続せずとも、スタンドアロンでも動き、その状態でもキャリブレーションの状態をキープできるので、たとえばインプットにオーディオ再生機器を繋いでおけば、Apollo Xシリーズをキャリブレーション機器としても使うことが可能ですよ。
なお、スピーカーのキャリブレーションのために、Apollo XシリーズとSoundID Referenceを組み合わせて使うためには、専用の測定マイク、SoundID Referenceソフト、そしてApollo Monitor Correction Add-onの3つの製品が必要となります。すでにSoundID Referenceのユーザーであれば、Apollo Monitor Correction Add-onのみの購入でOK。新規ユーザーであれば、これらがセットになったバンドルも発売されており、Apollo Monitor Correction Add-onは12月2日までセールを行っているので、後ほど紹介しますね。
ちなみに2024年10月8日から12月31日の間にApollo X Gen 2 インターフェイス購入した場合だと、Apollo Monitor Correction Add-onライセンスが無料で提供されています。購入を検討している方は、年内の購入がよさそうですね。また詳しい接続方法については、こちらのFAQ(https://support.minet.jp/portal/ja/kb/articles/how-to-use-apollo-monitor-correction-powered-by-sonarworks)をご参照ください。
Apollo Monitor Correction Add-onイントロセール(12月2日まで)
12月2日まで、Apollo Monitor Correction Add-onイントロセール実施中で、約40%OFFで購入することが可能です。通常価格は14,400円(税込)ですが、今なら8,900円(税込)となっています。前述の通り、これは第1世代のApollo Xシリーズを使っていて、既存のSoundID Referenceユーザー向けのセールですね。
また、Apollo Monitor Correction Add-onとSoundID Referenceがセットになったパッケージもセール実施中です。
商品名 | 希望小売価格(税込) | セール価格 (税込) |
補足説明 |
Apollo Monitor Correction Add-on | ¥14,400 | ¥8,900 | ※1:本製品はApollo Monitor Correctionのアクティベーションキーとなります。本製品の使用にはアクティベート済みのSoundID Referenceライセンスが必要ですのでご注意ください。(既存SoundID Referenceユーザー様向けAdd-on) |
SoundID Reference for Headphones and Apollo Monitor Correction Add-on bundle | ¥27,000 | ¥19,600 | ※2:本製品はApollo Monitor CorrectionとSoundID Reference software for headphonesのバンドルになります。最大3回のインストールが可能です。 |
Apollo Monitor Correction Add-on for bundling with SoundID Reference for Speakers & Headphones with Measurement Microphone | ¥63,300 | ¥41,400 | ※3:本製品はApollo Monitor CorrectionとSoundID Reference for Speakers & Headphones with Measurement Microphone (retail box)のバンドルです。 |
Apollo Monitor Correction Add-on for bundling with SoundID Reference for Multichannel with Measurement Microphone | ¥108,700 | ¥77,700 | ※4:本製品はApollo Monitor CorrectionとSoundID Reference for Multichannel with Measurement Microphone (retail box)のバンドルです。 |
SoundID Reference for Speakers & Headphones and Apollo Monitor Correction Add-on bundle | ¥54,300 | ¥35,700 | 本製品は※3のマイクが付属しないバンドルパッケージです。(ソフトウェアのみ) |
SoundID Reference for Multichannel and Apollo Monitor Correction Add-on bundle | ¥99,700 | ¥71,600 | 本製品は※4のマイクが付属しないバンドルパッケージです。(ソフトウェアのみ) |
SoundID Referenceブラックフライデーセール(12月2日まで)
そして、SoundID Reference自体のセールも実施中です。最大50%OFFの大チャンスとなっていて、具体的な価格は以下の通り。
以上、SoundID Reference、Apollo Xシリーズとの組み合わせ、そしてブラックフライデーセールについて、その概要を紹介しました。スピーカーのキャリブレーションは今や当たり前。もしGENELECやNEUMANN、IK Multimediaのキャリブレーション付きスピーカーを購入しようとすると10万以上はしますから、それらと比べるとコストを抑えることができるし、今の環境を変えずにキャリブレーションできます。ぜひ、この機会に検討してみてはいかがでしょうか?
【関連情報】
SoundID Reference製品情報
Apollo Monitor Correction Add-onイントロセール情報
【価格チェック&購入】
◎MIオンラインストア ⇒ Apollo Monitor Correction Add-on for bundling with SoundID Reference for Speakers & Headphones with Measurement Microphone