PCのキーボード操作で無数のリズムを生成するドラムマシン、インドPitch Innovations開発のRhythm Boxが超便利。8/13まで1,623円!

これまでもユニークで画期的なプラグインを次々と開発してきたインドのプラグインメーカー、Pitch Innovations(ピッチイノベーションズ)が、また非常に面白いソフトを発表しました。Rhythm Box(リズムボックス)というシンプルな名前のこのプラグイン、まさにリズムを作り出すソフトなのですが、これまでにないとってもユニークでもので、適当にPCのキーボードをタイピングするだけで曲に合わせてリズムパターンを生成してくれるのです。

このRhythm Box自体がリズム音源として機能させることはもちろん、既存のドラム音源やパーカッション音源をRhythm Boxから鳴らすこともできるし、サンプリングデータを読み込んでそれを音源にすることも可能。作れるリズムはまさに無限大で、ドラムやパーカッションを叩いたことがない人でも、即パフォーマンスすることも可能です。もちろん生成したリズムはそのままDAWに記録していくことができるので、本当に簡単に、直感的にリズムトラックを作ることが可能なツールなのです。そのRhythm Boxそもそも5,229円($29+税)と激安なのですが、発売記念のイントローセルで1,623円($9+税)と超激安。これは持っておかなくては絶対損というものなので、実際どんなプラグインなのか、紹介してみましょう。

Pitch InnovationsがリリースしたRhythm Box

インドのPitch Innovationsが生み出したRhythm Box

まだインドのプラグインメーカーというのはあまり多くはなさそうですが、このPitch InovationsはBollywoodと呼ばれるインド最大の映画産業拠点ムンバイに拠点を置くメーカーで、かなり実力のある会社です。これまでも「インドメーカーが開発。手持ちのMIDIキーボードをMPE対応にする画期的プラグイン、Fluid Pitchが国内発売開始」、「コードからコードへのベンディングを実現する画期的なプラグイン、Fluid Chordsが誕生」といった記事で紹介してきており、とくにMIDI関連で独創的で、すごいソフトを次々とリリースしています。

そのインド生まれのRhythm Boxというソフトがどんなものなのか、以下の3分のビデオをご覧になってみてください。

だいたい雰囲気が伝わったでしょうか?パソコンのキーボードをタイピングするように押すことで、さまざまなリズムが鳴り、それがプロジェクトに同期する形で鳴るので、適当に押してもピッタリと合ってくれるのです。

またRhythm Boxをプラグインと表現しましたが、実はスタンドアロンでも動作させることができるので、DAWが入っていないパソコンでも、これを単独のリズムマシンとして使うことも可能になっています。

カードゲームような記号がリズムを作り出す?

数多くのプリセットが用意されているので、これらを読み込むことですぐにプレイすることができ、プリセットによって生成されるリズムの雰囲気も変わるし、画面の表示も切り替わります。ただ、この画面を見ても、あまりリズムマシンという感じはないですよね。そして△、□、〇……などカードゲームような記号が並んでいて、これはなんだ?と不思議に思う方も多いと思います。

Rhythm Boxには妙な記号が並んでいるが…

この記号、以前「◯、△、□のアイコンを並べてグルーブを作り出すプラグインGroove Shaperがスゴイ!」という記事で紹介したGroove Shaperで登場していた記号と共通する面があるのが、実は以外と単純な意味なんです。

記号はGroove Shaperで使われていたものと意味的には共通する

〇は4分音符、〇〇と丸が2つ並んだものは8分音符x2、△は3連符、□は16分x4……となってます。つまり何角形かが、4分音符を割る数に相当するわけで、これがアクセントの効いたいい感じのリズムを作り出してくれるのです。たとえば「〇〇と□」の組み合わせだと「ツッツッ・タタタタ」というリズムになるわけです。そして、PCのキーボードの1~8のキーが画面に表示された2つの記号の組み合わせに相当していて、押していくとテンポに乗った形で、切り替わっていく形になっています。

〇は4分音符を意味する

またこの記号の組み合わせは、MAGIC DICEというランダムボタンを押すと、その時々で切り替わるようになっています。このMAGIC DICEボタンはPCのキーボードの0キーに割り当てられているので、演奏しながら、これを押して展開していくということも可能です。

〇〇は8分音符x2を意味する

もっとも作られたリズムを演奏するだけでなく、キックだけ、ハイハットだけリアルタイムに叩くということも可能になっています。

△は3連符を意味する

ちなみに、PCのキーボードで鳴らすだけでなく、MIDIキーボードが接続されていればMIDIキーボードから同じように鳴らすことも可能です。また「MIDI HOLD」というスイッチをオンにすれば、PCのキーボードでもMIDIキーボードでも、キーボードから手を放しても鳴り続けるようになっています。

より細かなシーケンスを自分で組んでいくことも可能

もっとも△なら単純に同じ3連符、五角形なら同じ5連符になるのか、というとそうではないんです。リズムとしては、その区切りになりますが、たとえば5連符なら5個ある音符のうちどれを鳴らすのか、各音符ととにどの楽器を鳴らすのか、そのベロシティをどのくらいにするのか、ゲートタイムをどのくらいにするのか……を細かく組んでいくことが可能です。

先ほどのMAGIC DICEボタンでは、そのすべてのパラメータを自動設定していたのですが、、Settingsタブをクリックすると、シーケンスパターンを組んでいくことが可能になっています。

Settingタブを選ぶと、各記号ごとにシーケンスパターンを組んでくことができる

このSettingsタブの中も4つに分かれており、まずはTRIGGER SEQでパターンを組みます。A~Hまで8つのリズムを鳴らすことが可能なので、普通にステップシーケンサとして組んでいくのです。

ベロシティの設定画面

さらにVELOCITYでは各ステップごとのベロシティを設定し、GATELENGTHでは各ステップごとのゲートタイムを設定。さらに、DELAYで、各ステップごとのズレを指定することも可能。ちなみに画面一番下のSEQUENCER SETTINGSでもグローバル値としてベロシティーやゲートタイムを調整したり、スウィングをかけることも可能になっています。

ゲートタイムの設定画面

Rhythm Box自体がサンプラーとして機能する

まあ、細かく自分でシーケンスを組まなくても、適当に使うだけで、いい感じのリズムを無限に作り出してくれるRhythm Box。プラグインとしてもスタンドアロンとしても使えるわけですが、これですぐにリズムが鳴らせるのは、Rhythm Box自体が音源機能を持っているからです。

アコースティックのドラムキットやテクノ系のドラムキットもあれば、ボンゴやコンガ、カホンのキットもあります。それぞれ8つの音で構成されるキットとなっているほか、シングルというモードにすれば、1つ音だけでリズムを構成し、音階によって音程が変わるようになります。

サンプラー画面。ここにWAV、AIFF、MP3のファイルをドラッグ&ドロップすれば音源として利用できる

といっても仕組みはシンプルで、これがシングルとマルチという2つのモードを持つサンプラーとなっており、そのサンプラーの音源がRhythm Boxにあらかじめセットとして入っているので、すぐに鳴らすことができるわけです。

マルチモードでは最大8つの音が扱えるキットを構成できる

が、このデフォルトの音色にしばられるわけではありません。手元のワンショットのWAVやAIFF、MP3のデータがあれば、波形部分にドラッグ&ドロップするだけで読み込むことができ、即それが音源として使えるようになるのです。もちろんマルチのほうであれば1キットごとに8つまでのデータを読み込めて、自分でキットを作ることも可能なのです。

外部のプラグイン音源をRhythm Boxの音源として利用できる

外部の音源を利用することも可能

またRhythm Boxは非常に自由度が高く、この音源自体をXLN AudioのAddictive Drumsに設定するとか、Native InstrumentsのKONTAKTのドラム音源にする……といったことも可能になっています。

このように使うためにRhythm Box MFXというプラグインも用意されているので、これを介して鳴らす形になっています。ルーティングの仕方はDAWごとに異なるので、マニュアルを参照してみてください。ただCubaseの場合はRhythm Box MFXを使わなくても通常のRhythm Boxでルーティングできるなど、使い方は結構違うようです。

一方、スタンドアロンでRhythm Boxを起動させた場合、これ自体がホストとして機能して、ここにプラグインを組み込んで使うことができるようになっているのも面白いところです。

演奏した結果を記録して、ドラッグ&ドロップでDAWに保存

そしてもう一つRhythm Boxが強力なのは適当に演奏した結果をしっかり記録することができ、それをDAWに反映させることができます。

前述の通り、プリセットを読み込んだり、MAGIC DICEボタンを押すことごとに、シーケンスパターンが大きく変わるので、単にMAGIC DICEを音源として指で演奏した内容だけを記録しても、同じパターンを再現できるわけではありません。

画面右下のMIDI RECボタンをクリックして録音を開始

しかし、Rhythm Box右下にあるMIDI RECボタンをオンにしてくと、そこから先の具体的な演奏結果をMIDIデータとして記録することが可能。そして、記録した結果をDAWへドラッグ&ドロップすることで、これをDAWのMIDIトラック上に再現できるのです。

録音結果をDAW上にドラック&ドロップすると、MIDIデータとして展開される

つまり、ここまでできたら、Rhythm Boxがなくても、できたリズムはそのまま使うことが可能になるので、DAWで簡単にリズムパートをMIDIで作るツールとしても使えるわけなのです。

これだけ多くの機能を持ったプラグインが、5,229円($29+税)というのは安すぎに感じました。しかも8月13日までは発売記念のイントローセルで1,623円($9+税)とお祭り騒ぎな価格になっているので、とりあえず買っておかないと損だと思いますよ。

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