最新技術てんこ盛りのOzone 11が新登場!すべての音源をマスタリングする最強ツールへと進化

超定番のマスタリングツール、iZotopeOzoneのバージョンアップが発表され、Ozone 11が登場しました。年々進化し続けるOzoneですが、今回は新モジュールとして楽曲をクリアにしてくれるClarityが追加。さらに2mixの音源をステムマスタリングのように調整、トランジェントとサステインを別々にコントロール、完成した音源のボーカル音量だけを自動調整……など、アナログ機材では絶対にできなかった最新技術ならではの機能が追加されています。

前回のバージョンアップでも、通常のマスタリングで必要とされる機能以上のことはできましたが、今回はさらにさまざまな場面で活用することのできる機能が追加された印象。初代Ozoneが誕生してから17年、革命ともいえるAIを用いたマスタリング機能Master Assistantを2017年にOzone 8で実装した、唯一無二の存在であるOzone。初心者でも高いクオリティでのマスタリングが可能なOzoneの最新バージョンのポイントを紹介していきましょう。

ミックスでも使える新機能が追加されたOzone 11

ボーカル処理専門プラグインNectarも、新たにNectar 4へと進化

Ozone 11の発売タイミングで、Nectarも約5年ぶりのバージョンアップが行われ、Nectar 4が登場しています。Nectar 3のときに搭載された人工知能によるボーカル自動処理機能Vocal Assistantが、さらに進化し、好きな楽曲を学習させるとボーカルの質感を真似してくれる機能や、空間系の追加、本格的なハーモニーを生成することが可能になったり、ボーカルのボリュームを自動で調整してくれたりと、通常であれば複数のプラグインが必要な作業も、Nectar 4であれば完結することができるようになりました。Nectar 4ついては、「ボーカルミックスにもう迷わない!好きな楽曲のボーカルの質感を簡単操作で再現する新バージョンNectar 4が登場!」という記事で紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

約5年ぶりのバージョンアップが行われたNectar 4

迫力のない楽曲に活力を与える新モジュールClarity

楽曲をクリアにしてくれる、新しいモジュールClarityが追加されました。元気がなく、少しアマチュアぽいミックスに活力を与えて、よりクリアに、より大きく聴こえるけど、なぜかラウドネスの数値が上がらない魔法のモジュールとなっています。

Clarityモジュール画面では、Clarityの効く範囲を設定したり、どれぐらい強く掛けるかなど設定可能。強く掛けるほど、どんどん明るく感じられるようになるので、Tiltで上の帯域を抑えたりすることもできます。

人間にはラウドに聴こえるけど、ラウドネスの上がらない魔法のモジュールClarity

ステム分離マスタリングの実装。2mix音源も各パートごとに調整可能に

これまでOzoneの中にはMaster Rebalanceという、2mixの音源から特定のトラックの音量をコントロール機能がありましたが、これがより強力になっています。具体的には、これまで音量のコントロールのみだったのに対し、Ozone 11では特定のトラック、たとえばボーカルにだけOzoneの処理を行うといった操作が可能になりました。

ステムの分離は、画面左上のボタンから、Full Mix、Vocal、Drum、Bassを選択することで、どのトラックにOzoneの処理を行うか選択することができます。これは、たとえばRXを持っていなかったらこれまでアプローチできなかった部分ですし、持っていたとしても一回2mixを分離してから再度マスタリングし直すといった面倒な作業が必要だったので、嬉しいポイントですよね。

2mixの音源でもステムマスタリングが可能になった

トランジェントとサステインを別々にコントロール

EQ、コンプ、エキサイタなど、さまざまなモジュールに新しくトランジェントとサステインをコントロールする機能が追加されました。これまではLRを同期して調整するか、LRを分離させて調整するか、M/Sで調整するか、でしたがここに新しいモードが搭載されました。ちなみにトランジェントとは、音が発生する瞬間やその音のアタック部分。一方サステインは、音や音符が持続している部分。トランジェントとサステインを別々に調整できるので、これまで以上にピンポイントでの処理が行えるようになっています。

ミキシングでもトランジェントとサステインのコントロールは便利に使える

ボーカルレベルの自動補正機能の追加

Ozoneといえば、マスタリングの設定を提案してくれるMaster Assistant機能ですが、ここにボーカルレベルの自動補正機能が追加されました。Ozoneに楽曲を分析させた際に、大きかったり、小さかったりすると、Master Rebalanceモジュールの中に、どれぐらい補正するかのパラメータがセットされます。もし自分でミックスもマスタリングも行っているのであれば、ボーカルの音量をどうしたらいいか分からなくなったときの参考としても、とても便利に使えると思いますよ。

ボーカルの音量をよく聴かれているチャートと比較して判断してくれる自動補正機能

マキシマイザのアップデートで、小さい音を持ち上げて存在感のある楽曲に仕上げることが可能になった

マキシマイザの中に、新しくUpward Compressionというパラメータが用意されました。通常のマキシマイザは、大きい音をリミッタで潰して、全体的な音量を稼ぎますが、Upward Compressionは小さい音量部分を持ち上げることで、平均音量を稼ぐことができます。大きい音量を叩きすぎると不自然に聴こえる場合に、小さい音量を持ち上げて自然に仕上げることが可能となっています。

小さい音を持ち上げて、自然に全体の音量を稼いでくれるUpward Compression

以上、Ozone 11の新機能について紹介しました。中でも、トランジェントとサステインのコントロールは、ミックスでも使えるので、積極的に使っていきたい機能ですよね。また、前述のようにNectar 4もリリースされているので、ぜひそちらも確認してみてください。

iZotope Ozone 11 & Nectar 4 & MPS 6イントロセール実施中

なお、発表された9月6日から10月11日までの期間、「iZotope Ozone 11 & Nectar 4 & MPS 6イントロセール」が実施され、通常よりもかなり割安で購入できるようになっています。また8月以降に登録されたユーザーを対象にした格安のアップグレードパスが設定されるとのこと。さらにこの期間に対象商品を購入すると、日本限定特定として「MI Plugin Pack 2023」がもらえるというキャンペーンも実施されています。このMI Plugin Pack 2023とは

Mntra Pripyat
UJAM Virtual Guitarist SILK
Cinesamples Musio 3ヶ月ライセンス
Audiomovers LISTENTO Pro1ヶ月ライセンス
Inject & Omnibus1ヶ月ライセンス

というもの、せっかくならこのタイミングで入手しておくのがよさそうです。ちなみに、これらの特典はすべて国内流通品の場合であり、価格的にもプレゼント品なども含め国内で買うのが一番お得なようですね。

【製品情報】
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2件のコメント
  • メメモン

    今までは新製品が出る前に前バージョンを買った人は無料でアップグレードできましたが今回からは廃止されたのでしょうか?Ozone10を先週買ったばかりなのですが正直損した気分です…

    2023年9月7日 11:15 PM
    • 藤本 健

      メメモンさん

      いわゆるグレースピリオドのようなものは今回存在せず、無償でアップグレードすることはできないようです。
      ただし2023年8月以降に買われた方は、特別価格でアップグレードできる設定がOzone 11/Nectar 4/MPS 6それぞれにあるようです。以下を参照していただければと思います。

      https://www.izotope.jp/jp/news/ozone-11-nectar-4-mps-6-intro/

      2023年9月8日 12:12 AM

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