Native Instrumentsから、新しいExpansionsであるCONCRETE SUNが発売されました。Expansionsは、それぞれ音楽のジャンルごとに分かれた製品が並んでおり、使いたいジャンルに合ったExpansionsを選ぶことで、簡単にこれまで使っていたNative Instruments製品をさらに強力することができるアドオン製品。そのExpansionsに新しく仲間入りしたのが、CONCRETE SUNなわけですが、初めて日本で制作されたものとのことで、とてもユニークな内容になっているのです。
基本的なビートはヒップホップなのですが、そこに日本の伝統楽器の要素やチップチューン的なサウンドが組み合わされて、かなり魅力的なものに仕上がっています。制作には、日本のヒップホップシーンで活躍するアーティストやプロデューサーが携わっており、そのクオリティは折り紙つき。実際どういった内容になっているのか、紹介していきましょう。
日本の伝統楽器の要素をふんだんに取り入れた本格的なヒップホップサウンドCONCRETE SUN
さっそくですが、まずはサウンドを聴いていただくと、どんなExpansionsになっているか分かると思うので、ぜひご覧ください。
かなり個性のあるサウンドで、グッとくる方も多いのではないでしょうか?日本らしいサウンドとヒップホップが組み合わさって、カッコいいExpansionsに仕上がっていますよね。
NIソフト音源のプリセットやサンプル素材などが収録されている
Native Instruments製品を普段使っている方であれば、Expansionsの存在は知っていると思いますが、改めて解説しておきましょう。Expansionsは、MASCHINEやBATTERY用のキット、MASSIVE、MONARK、PRISMなどのプリセット、サンプル素材などが入っており、MASCHINE+、MASCHINE、MASCHINE MIKRO、MASCHINE STUDIO、MASCHINE JAM、KOMPLETE KONTROL キーボードを持っていると、より強力な味方になってくれます。さまざまな音楽ジャンルに対応する製品が揃っており、そのジャンルに合ったアレンジを簡単に行うことが可能なのです。バリエーションがとにかく豊富なだけでなく、どのExpansionsも高いクオリティを保持しているので、海外のアーティスト含め多くのユーザーが利用しています。ちなみにサンプル素材やループ素材は、WAVで収録されているので、Native Instruments製品に限らず、他社のサンプラーで使ったり、DAWに直接ドラック&ドロップすることもできます。
CONCRETE SUNに収録されているMASSIVEプリセット、My Ninjaを読み込んでみた
CONCRETE SUNに収録されている内容は以下の通り、
サンプルとループ | 292 ループ |
426 ドラムサンプル | |
353 ワンショット | |
ドラムキット | 53 BATTERY キット |
47 MASCHINEキット | |
シンセプリセット | 21 MASSIVEプリセット |
6 MONARK プリセット | |
MASCHINE限定 | 259 パターン |
39 Drum Synth プリセット | |
10 インストゥルメント | |
8 Bass Synth プリセット | |
8 プロジェクト | |
ドラムサンプル | 70 キック |
66 スネア | |
19 クラップ | |
24 シンバル | |
88 ハイハット | |
148 パーカッション | |
2 タム |
これら全体のインストーラーサイズは714MBとなっています。
ざっと入っているものを見るだけでも、豪華な内容になっていることが分かりますね。CONCRETE SUNの制作には、日本のヒップホップシーンで活躍するアーティストやプロデューサー、adaptrook、DJ RENA、Itsuka(Charisma.com)、midicronica 716、Phennel Kolliander、SPIN MASTER A-1といった方々が携わっているとのことと。その中からSPIN MASTER A-1さんがCONCRETE SUNの使い方を説明しつつ、魅力を伝えてくれてる動画もあります。CONCRETE SUNがどういったものなのか、より分かりますし、Expansionsの使い方も掴めると思います。
CONCRETE SUNの説明には、「ヒップホップは国境を越え、世界中で様々な解釈を生み出しています。CONCRETE SUNは、90年代の美学や多彩な機材、豊富な伝統楽器が大胆にミックスされ、日本のヒップホップカルチャーに敬意を表しています。日本人アーティスト達と共に作り上げたこの拡張音源の音色パレットには、日本の伝統楽器の要素をふんだんに取り入れた本格的なサウンドが揃っています。神秘的なシンセプリセット、リズミカルなドラムキット、大胆なループを自由に操作して、ビートメイキングの達人を目指しましょう」とあります。
Expansionsのキットやプリセットを使用した楽曲を聴くこともできる
こういったサウンドは、日本発祥だったりするので、プリセットやライブラリをゲットしようと思っても、なかなか見つかりません。それが今回、多くのユーザーの手に届くことになるので、日本で初めて制作されたExpansionsということもあり、この先注目を浴びそうな製品ですね。
なお、Expansionsの価格は一律で6,600円。ほかのExpansionsも、ページから確認することができます。
Expansionsは、Native Instrumentsのページから確認可能
以上、CONCRETE SUNについて、その概要を紹介しました。和楽器のみならず、祭りのときの声や掛け声までも収録されているので、単純なサンプルライブラリとしても重宝すると思います。新作のExpansions、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?
【関連情報】
CONCRETE SUN製品情報
EXPANSION – CONCRETE SUN 制作コンテスト開催
今回のCONCRETE SUNの発売に合わせてNative Instrumentsが、制作コンテストを開催しています。コンテストの優秀者には今回のCONCRETE SUNやKOMPLETE 13などが授与されるとのことで、Native Instrumentsによるメッセージはは以下のとおりです。ぜひ、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
ヒップホップは国境を越え、
このコンテストでは特別に、Expansionの制作者であるS
提供されるループのうち最低2つ以上を使って、
SPIN MASTER A-1、 Phennel Koliander、DJ RENAが全ての応募作品を試聴し、
それでは皆さん、健闘を祈ります!Metapop — We connect music makers.
【応募条件】
2分以上のトラックを作成すること。著作権のない素材は使用しないこと。提供されたループのうち、少なくとも2つを使用すること。原音と提供されたプリセットを使用したことを証明するプロジェクトファイルの提示を準備してください。応募はお一人様一回とさせていただきます。曲名横の歯車アイコンを押すと、改良版をアップロードすることができます。
【賞品】
第1位 | Native Instruments KOMPLETE 13 |
Native Instruments CONCRETE SUN | |
第2位 | Native Instruments KOMPLETE 13 SELECT |
Native Instruments CONCRETE SUN | |
第3位 | Native Instruments CONCRETE SUN |
特別賞 | Native Instruments CONCRETE SUN |
(ランダムで選出されます。) |
【応募締切】
2022年9月25日まで
【コンテスト情報URL】
https://metapop.com/pages/promos/concrete-sun-challenge
※2022.8.27追記
コンテストへの参加方法がややわかりにくかったので、追記します。上記のコンテスト情報URLにアクセスすると、以下のようなサイトが表示されます。
この右側にある「ENTRY RULES」の下のDownload PackをクリックすることでCONCRETE SUNの中の一部を切り取った形のオーディオ素材が30種類ダウンロードできるようになっています。ただし、これを入手するためにはあらかじめ、このサイト=Metapopのアカウントを取得する必要がありますので、画面右上のSIGNUPからアカウント作成してみてください。ダウンロードするだけが目的ならダミーのメールアドレスでも登録してダウンロードできてしまうようでした。その上で、この30種類の中から最低2つを使って曲を作り、そのWAVファイルを「Upload Your Track」を使ってアップロードするとともに、どの素材を使ったかなどを書き込むことでエントリー完了です。すでに、いろいろな人がUPした作品は誰でも聴けるようになっているので、まずはこれをチェックしてみるといいかもしれません。