オーディオIF、コンデンサマイク、モニタヘッドホン、DAW、プラグイン一式をセットにしたオールインワンパッケージ、AudioBox 96 STUDIOは24,800円

「これからDTMをはじめたい」、「初心者の友人にお勧めシステムを探してる」、「DTMのサブシステムを組みたい」……そんなニーズにピッタリな製品が、また新たに発売されました。人気DAW、Studio Oneの開発元である米PreSonusが12月に発売したAudioBox 96 STUDIOというのがそれ。同社では以前からAudioBox iTwo STUDIOというオールインワンパッケージを発売していましたが、今回登場したAudioBox 96 STUDIOはさらに低価格となっており、実売価格が24,800円(税込み)なんです。

さらに、このAudioBox 96 STUDIOに以前記事でも紹介した台湾メーカーMiDiPLUSの25ミニ鍵盤のUSB-MIDIキーボード、X2 miniもセットにしたAudioBox 96 STUDIO MiDiPLUSバンドルも同時に発売されて、こちらは29,800円となっているんです。どんな製品内容になっているのか紹介してみましょう。

オーディオIF、コンデンサマイク、モニタヘッドホン、DAW、プラグインをセットにしたAudioBox 96 STUDIO


AudioBox 96 STUDIOは、まさに、これとパソコン(WindowsでもMacでも)さえあれば、すぐに本格的なDTMが始められるというオールインワンパッケージです。

そのパッケージの箱を開けてみると、中からは黒いキャリングケースに納められたものが2つ見えてきます。


パッケージを開けると黒いキャリングケースが2つ見える

それぞれを開いてみると、モニターヘッドホン、そしてコンデンサマイクが中から出てきます。さらにその下にはオーディオインターフェイス、ケーブル類が。

さらに空けてみるとオーディオインターフェイスやケーブル類が見えてくる

取り出して見ると、DTM機材一式が入っているわけですね。


取り出してみると、マニュアル類も含めDTM機材一式が

一方、このパッケージの中枢ともいえるDAW、Studio One 3 Artistはダウンロードで入手する形になっており、WindowsでもMacでも利用することが可能です。同時に数台にインストールすることも可能なので、必要に応じてWindowsとMacの両方にインストールして使うこともできますよ。

ダウンロードしてインストールするStudio One 3 Artist

では、中身を一つずつ見ていきましょう。まずはオーディオインターフェイスのAudioBox USB 96から。これはその名前からも分かる通り、24bit/96kHzまでのレコーディング、プレイバックが可能な2入力/2出力のオーディオインターフェイスです。


アルミボディーの2IN/2OUTのオーディオインターフェイス、AudioBox USB 96

アルミ製で、それほど重いというわけではないものの、なかなか頑丈そうです。と思ったら、その頑丈さを証明する、ちょっとバカバカしいほどの動画もありました。

フロント左側にコンボジャック(キャノンケーブルと標準ケーブルが共用で使えるタイプ)が2つあります。ここにマイクを接続したり、ギターを接続して使うことができます。48Vというボタンを押してONにすると、ファンタム電源が入り、コンデンサマイクが利用可能になります。


フロント左側にコンボジャックが2つ用意されている

また右側には、ノブ5つありますが、このうち2つはコンボジャックからの入力信号を調整するためのもの、1つがメイン出力の調整ノブ、もう1つがヘッドホン出力の調整ノブです。さらにもう一つは入力信号をそのまま出すか、PCからの出力を出すかのバランスを調整するためのものとなっています。

フロント右側には、5つのノブがある

リアを見てみると、そのメイン出力およびヘッドホン出力端子があるほか、MIDIの入出力も装備されているので、ここにキーボードやMIDI音源などのMIDI機器を接続することができます。さらに、USB端子を用いてWindowsマシンやMacに接続するわけですね。

AudioBox USB 96のリアパネル

なお、AudioBox USB 96はUSBクラスコンプライアントの設計となっているためMacおよびWindows 10ではドライバ不要で使うことが可能ですが、より確実に動作する専用ドライバも用意されており、PreSonusのサイトからダウンロードしてインストールできるようになっています。「OSをアップデートしたらオーディオインターフェイスが突然使えなくなった」といった話をときどき聞きますが、専用ドライバがあればこうしたことも起こりにくくなります。


AudioBox USB 96を中心にして、さまざまな機器と接続することができる

Macの場合は、最新のOSであるmacOS 10.13 High Sierraのドライバも用意されているので、この点でも安心ですね。

macOS 10.13 High Sierra用のドライバも用意されている

ちなみに、AudioBox USB 96はUSBクラスコンプライアントなので、iPhoneやiPadでも利用することは可能です。ただし、AudioBox iTwoと異なり別途電源供給する仕組みがないこと、またLightningケーブルで直接接続できないため、電源供給可能なLightning-USB 3カメラアダプタが必要となります。実際に試してみたところ、しっかり動いてくれました。


Lightning-USB 3カメラアダプタ経由でiPad/iPhoneとも接続することはできた

もちろん、音質のほうも抜群でS/Nも良く、手元の音源を再生しても、非常にHi-Fiなサウンドで鳴らすことが可能です。またレコーディングにおいても、クリアな音で録ることができますよ。


AudioBox USB 96のドライバソフトであるUniversal Control
ところで、PreSonusからはAudioBox USB 96と非常によく似た仕様のオーディオインターフェイスとしてAudioBox iTwoというものがあります。冒頭でも紹介したとおり、同じDTMセットとしてAudioBox iTwo STUDIOという、3,000円程度高い製品があるのですが、この2つの違いは、iPhone/iPadとの接続性です。

そう、iPhone/iPadと接続することが必要ならAudioBox iTwoを、不要ならAudioBox USB 96を選べばいいのです。どちらもWindowsでもMacでも使うことが可能ですよ。なお、頑丈さを求めるならAudioBox USB 96ですね。

さて、このパッケージに含まれるもう一つの重要な要素がコンデンサマイクのM7です。普通コンデンサマイクというと、かなりの高級品であり、数万円から数十万円という価格であり、カラオケなどに用いるダイナミックマイクと比較すると、非常に高感度で、繊細な音まで捉えることができるのが特徴です。そんなコンデンサマイクがこのパッケージの中に含まれているわけですね。

コンデンサマイクのM7

前述の通り、これをAudioBox USB 96で使うには48Vのファンアム電源をONにする必要がありますが、それによってボーカルやアコースティック楽器の音をキレイにレコーディングすることができ、AudioBox USB 96のマイクプリアンプ機能によって、高品位に音を持ち上げることが可能になっています。

卓上用のマイクスタンドを別途入手すると便利

ここには、マイクホルダも付属しているため、マイクスタンドに取り付けることができます。高感度なマイクであるために手持ちはNG。そのためDTM用途であっても、卓上用マイクスタンドなどを1つ入手しておくことをお勧めします。

モニターヘッドホンのHD7
そして、音の出口としては、モニターヘッドホンのHD7が用意されています。ちょっと特徴的な形をしたヘッドホンですが、これは特許を取得したセミオープン・サウンド・チェンバーを採用しているとのこと。これにより優れたバランスを実現するとともに、パワフルでパンチのある重低音も出せるようになっています。

ヘッドホンの端子はステレオミニ端子と標準に変換するアダプタ

これらハードウェアを司るのがDAWであるStudio One 3 Artistです。MIDIおよびオーディオのレコーディングから編集、ミックス、マスタリングまでトータルする機能を装備しているので、これ一つあればDTMの一通りのことができます。


Studio One 3 Artistには、さまざまな音源、エフェクトも標準で装備されている

このStudio One 3シリーズには最上位版のStudio One 3 Professional、そして無料配布のStudio One 3 Primeの3種類があり、このStudio One 3 Artistは真ん中に位置するもの。それぞれの機能の違いは、バージョン別比較表を見ると分かりますが、Prefessionalとの大きな違いはVSTやAudioUnitsのサポートです。つまりサードパーティーのプラグインに対応しているかどうかです。

Studio One 3 Artistを起動すると自動的にAudioBox USB 96がセッティングされる
ただし、このAudioBox 96 STUDIOの場合、STUDIO Magicプラグイン・スイートというものも、付属しているのが大きなポイント。これもダウンロードの形ですが、7種類のプラグインが含まれているのです。

具体的には以下の7つ。

Plugin Alliance SPL Attacker,Mäag Audio EQ2,Brainworx bx_opto
Lexicon MPX-i Reverb
Eventide H910,2016 Stereo Room
Arturia Analog Lab Lite

もちろんWindowsでもMacでも使えるプラグインとなっているのですが、これらについてはすべてStudio One 3 Artistでも使えるので、かなり充実したDAW環境を構築することができるわけです。これだけのものがすべて揃って、実売24,800円なんですから、かなりのお得感ですよね。

さらに、MIDIキーボードもセットにしたAudioBox 96 STUDIO MiDiPLUSバンドルという製品も実売価格29,800円で発売されています。これは以前記事で紹介した、MiDiPLUSの25ミニ鍵盤のUSB-MIDIキーボード、X2 miniもセットにしたもの。X2 miniの単体価格が8,100円のものが実質5,000円で入手可能と考えると、かなりコストパフォーマンスも高そうですよね。


MiDiPLUSのX2 mini
なお、コンデンサマイクもヘッドホンもケーブルも不要ということであれば、AudioBox USB 96のみを購入するというのも一つの手。この場合でもStudio One 3 ArtistおよびSTUDIO Magicプラグイン・スイートがバンドルされて、13,800円ですから、検討の価値はありそうです。

【関連情報】
AudioBox 96 STUDIO製品情報
AudioBox USB 96製品情報

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3件のコメント
  • 1000goto

    Studio one3関連のニュースですが、開発終了したSonar ユーザーに対してStudioOne3Proを16400円で購入できる特別クロスグレード版が1月末まで出ています。ヤッホーと叫んで、さっそく購入申請しました。

    2018年1月7日 10:15 PM
  • いちにの

    初心者なんだけどさぁ2つの選択肢で迷ってるからどっちがええかおせえて
    [予算8万円]
    1「スタジオワンのセット買って5万ぐらいのスペックいいpc買う『8GB』『5コア』
    2「スタジオワンのセット買って安いpcでreaper使う」
    ため口でお願いね

    2018年6月25日 6:26 PM
  • 藤本健

    いちにのさん
    初心者であれば、Reaperを使うより、情報の多いStudio Oneをお勧めします。
    ReaperならPCのスペックが低くていいわけでもないですね。かえって
    Studio Oneのほうが軽いかもしれませんよ。これを使ってみてから、
    ほかのDAWを検討してもいいのでは?
    p.s.
    サイトの気品を保つため、ため口は使いません(ウソですがw)

    2018年6月26日 12:56 PM

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