iPhone7を買うべきか、見送るか、しばらく考えていました。手持ちのiPhone6sから乗り換える価値があるのか、と考えたとき、個人的にはほとんど魅力を感じなかったんですよね。これといって大きな進化を感じられなかったし、やっぱりイヤホンジャックが無くなるというのは、すごく不便じゃないかな、と。
また慣れ親しんだホームボタンが感知式になるというのも気に入らないし、そもそもApple信者でもないのに、毎年10万円近くのお布施をするのはどうなんだろう……と。とはいえ、Androidがまったく楽器になってこない状況を考えれば、やはりiPhoneを離れることはできないし、一応DTMステーションを運営する上において、最新機材を持っておかないと恰好もつかないしな……ということで、今年も買っちゃいました。まだ、入手したばかりで、あまりチェックし切れていませんが、実際、これをDTM用途で使って問題がないのか、試してみたので簡単に紹介していきましょう。
iPhone7を買ってみたので、さっそくDTM系のアプリ、周辺機器をいろいろ試してみた
実は私がiPhone7を買おうと決めたのは、発表があって暫く経ってからの11日。まあ、どうせ発売日でも店頭に在庫がいっぱい残っているだろうと思いつつも、ビックカメラでネット予約したのでした。あんまり色とか気にせず、最初に出ていたジェットブラックなるものを予約してしまったのが失敗でした。
今朝、近所のビックカメラに自転車で予約品を取りに行ったら「入荷していません」とのこと。ピンクじゃなければ何でもいいやと思ったのですが、どれも「予約品のみでフリーの在庫はありません」とのこと。まあ、ほかのお店にあるだろうと、その近所を何件か回ってみたけど、auのはまるっきりない。docomoとSoftbankならいくつか在庫があったものの、MNPするのも面倒だし……。
これまで使ってきたiPhone6s(左)と、なんとか初日に入手したiPhone7(右) パッと見はあまり変わらない
一度家に戻って、いろんなauショップをはじめ、30~40店舗電話したけど、今日の在庫はないといわれて、ますます悔しい感じがする。「やはり、いっそのこと、iPhone7は見送ろうか……」と思ったところ、近所のトヨタに電話をしたらありました!ジェットブラック以外なら何でもあるとのことで、きっと誰もiPhoneを扱っていると認識されてないお店だったんですかね(笑)。すぐに買ってきて、iPhone6sのバックアップからリストアしてみました。毎度のことながら、時間かかりますよね。
こうした操作をしていても、違和感があるのがホームボタン。これまでの押し込むタイプではなく、感応式で、触るとプチッと音と振動が出るタイプ。まあ、そのうち慣れるとは思うのですが、イマイチ好きになれないところです。設定を見てみると、このプチッという音・振動の大きさは3段階で設定できるようなので、一番大きい設定にしておきました。
これまでのiPhoneと違い、ホームボタンが感知式に
で、そのリストアしている間に、まずはスピーカーの雰囲気からチェックしてみました。今回のiPhone7のメリットとして唯一、いいかな……と思ったのがスピーカーのステレオ化です。まあ、スピーカーの大きさが違うから比較する対象ではないかもしれないけど、以前にNexus10を触ったときに、ステレオでシンセの音を出したら、iPhone/iPadと比較してかなりいい音だったので、そうした効果があるのだろうか……とミュージック機能を使って音楽を鳴らしてみました。
上がiPhone7、下がiPhone6s。ヘッドホン端子がなくなった替わりにステレオスピーカーになった
あくまでも私の最初の感想ではありますが、モノラルだったiPhone6sのほうがいい感じがします。確かに2つスピーカーがあるから、その分ちょっと音量は大きくなるんですが、なんか音が濁っちゃうんですよ。最大音量にすると、少し割れた感じになっちゃう。
ヤマハのSynth Bookを鳴らしてみると、いい感じに音が広がる
とチェックしている間に、YAMAHAのSynth Bookがインストールできたので音を出してみると、音が広がった感もあって、結構いいかも……。マスタリングされたマキシマイザーでパツンパツンの音を大音量で聴くにはこの内蔵ステレオスピーカーだと無理があるけれど、シンセの音をステレオで鳴らすにはいいのかもしれませんね。
※記事初出時、Lightning端子の左右にステレオスピーカーがある旨の表記をしてしまいましたが、正しくは左側はマイクで、受話器の耳側とのステレオスピーカーとなっています。訂正してお詫びいたします。
そうこうしているうちに、GarageBandやMultitrack DAW、FL Studio Mobile HDといったDAWがインストール完了したので、試してみると、これらも起動にはとくに問題はなく、録音・再生もできるし、シンセ類もなってくれます(Multitrack DAWにシンセはないですが)。ちなみに、久しぶりにFL Studio起動したら、まもなくVersion 3が登場するとのことですね。こいつは、また出たらレビューしてみたいと思います。
たまたま気づいたのだけど、FL Studio Mobile HDは間もなく3にバージョンアップするらしい
さらにシンセ類としてCassiniやXenon、bs-16i、DXi、mini Synth2……といろいろとインストールされてきたので、試してみましたが、とくに問題となることはなさそうですね。
またエフェクトのほうもAmpliTubeでもEcho Pad、JamUp Proなど一通り問題なく動いてくれます。
GaregaBandからInter-App Audioを使ってみたところ、とくに問題なし
ここで試しにGarageBandからInter-App Audioが使えるかも試してみました。こいつに関してもGarageBandを最新版にUPDATEしているからか、とくに今までとの違いはなさそうに思います。
Audiobusも問題はなさそう
また、よく問題になるAudiobusですが、こいつはさっそくiOS10対応版が出てますね。これにアップデートしていれば大丈夫のようですよ。
従来のイヤホンに加え、Lightningからイヤホンジャックに変換するアダプタが付属
と、アプリについてざっと触って問題はなさそうなので、続いて周辺機器に行ってみましょう。まずは問題のイヤホンですが、これまでの標準イヤホンと同じものが付属するほかに、Lightningをヘッドホン端子に変換するアダプタが付属してきます。
MDR-CD900STと接続する際にアダプタを2つ通さなくちゃいけないが、問題なく動いてはくれた
これを使って聴いてみると、とくに大きな違いはないように思いました。この辺の音質はさらに今度詳しくチェックしてみようとは思っていますが……。ここにミニ-標準アダプタを介してSONYのMDR-CD900STに接続してみましたが、まあ普通ですね。あんまり変わりはありません。ただし、アダプタを2段で繋がなくちゃいけないのが邪魔くさい。さらにもっと大きいのは、ヘッドホンを繋いじゃうと充電ができなくなること。そのうち、分岐するアダプタとかも出てきそうですが、それこそ本末転倒な気がしますよね……。
iRig Keysは問題なくLightning接続し動作したが、音をヘッドホンから出すことができない
もう一つは近いうち発売されるワイヤレスヘッドホンを使うという手。ただし、Bluetooth接続とのことですから、DTMユーザーにとっては、まともに使えるものではないでしょう。そう、かなりレイテンシーがあると思われるからです。ただ、もしかしたらそこでの改善が多少見られるかもしれないので、淡い期待をしつつ待ちましょう。
iPhone付属ケーブルで接続可能なTASCAM iXRも問題なく使える
さらにLightning接続のiRig Keys、TASCAM iXRなどを接続してみましたが、Apple認定が取れているものなので、当然問題はありませんね。
※追記2016.9.17
この記事を書いていた時は、とにかく動作検証と、大慌てで動くことだけを確認していましたが、考えてみればiRig KeysなどMIDIキーボードを接続した際、本体スピーカーからなら音は出せましたが、イヤホンで聴くことができず、外部へオーディオ出力する手段もありません。その意味では、DTM用として考えた際には大きな欠陥といえそうです。
※追記2016.9.18
Lightning接続の周辺機器を使うと、イヤホンが使えなくなってしまうという問題点に対しては、Apple純正の「iPhone Lightning Dock」を使えば、Lightningとイヤホンジャックに分岐できるため、解決できそうです。ただ、Appleサイトでのレビューを見ると、すぐに壊れると非常に評価が低いようですが…
この欠陥をカバーするには、Lightning接続よりも、BLE-MIDI接続するKORG microKEY Airなどを使ったほうがいいかもしれませんね。
Lightning-USBカメラアダプタを使ってUR22mkIIとの接続も問題なし
またLightning-USBカメラアダプタを使ってオーディオインターフェイスやMIDI機器にも接続してみました。UR22mkII、AG-03 mikuなどもしっかり動いてくれるので、大丈夫そうですね。
といったところで、iPhone7購入して数時間の簡単レポートでした。今後問題が出てくる可能性はありますが、既存のDTMアプリ、ハードの動作という面においては問題なさそうです。
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【アプリダウンロード】
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