子供のころにピアノを習っておけばなぁ…とか、学生時代にギターをやっておけば……、なんて今さらのように後悔するとともに、楽器を弾くことへの憧れを持っている人は少なくないと思います。もちろん、何歳になったって、今から初めたって楽器は楽しいので、ぜひお勧めしますが、「でも、練習する時間はないし、億劫だ」なんて怠け者が多いのではないでしょうか……。
そんな楽器演奏に憧れを持つ怠け者ユーザーのために技術は進化してきています。カシオが開発したiPhone、iPad用の無料アプリ、Chordana Tapを使えば、まったく楽器を触ったことがない人でも、まったく楽譜やコードなどの知識がゼロの人でも、すぐにお気に入りの楽曲に合わせてセッションすることが可能なのです。そのChordana Tapとはどんなアプリなのか紹介してみたいと思います。
カシオが開発した無料アプリ、Chordana Tap(画面はiPad版)
「あれ?Chordana Tapで以前DTMステーションで取り上げなかったっけ?」と気付いた方は流石です。そう、以前、「結構使えるiOSで動く耳コピアプリ、Chordana Viewer」という記事を書いた際にチラッと触れていたのですが、私もそのときそんなに真剣に使わなかったので、しっかり理解していなかったのです。が、先日、人に言われて改めて試してみたところ、これがなかなかすごいアプリでした。
まずは、このビデオをちょっとご覧になってみてください。
https://youtube.com/watch?v=Wdv-Yo4nWSw%3Frel%3D0
そう、自分のiTunes管理している楽曲を読み込み(数年以上前にiTunes Storeで購入したプロテクトのかかった楽曲は読み込めません)、それに合わせて演奏することができるのが最大のポイント。
読み込む際に楽曲の長さや、PhoneやiPadのCPUパワーによって、10秒~1分程度要するのですが、その後、魔法がかかったように自分でギターやピアノなどが弾けるようになるんです。
まさにエアギターのような感覚で、曲に合わせてギターをストロークでジャラ~ンと弾いてもいいし、6本ある弦を適当に爪弾くと、それっぽくアルペジオになってしまうのですから、かなり楽しいですよ。
先ほどのビデオでは右手で弦を弾きながら、頻繁に左手でボタンを教えていますが、あれはミュート。とくに使わなくてもいいのですが、このミュートボタンを押すことによってギターの余韻を止めることができ、よりいい感じに演奏ができるんですよね。
またこの無料アプリにはナイロン弦とスティール弦のアコースティックギター2音色のみが用意されており、それを切り替えて使うことができますが、エレキギターのサウンドなどをアプリ内課金の形(1音色100円)で追加することも可能になっています。購入する前に音色の確認もできますから、それで気に入ったらOKするといいですね。
さらに、Chordana Tapで演奏できるのはギターだけではなう、ピアノなどの鍵盤楽器も可能です。ボタンでモード切り替えるだけで鍵盤画面が登場してくるのですが、これを見てもわかるように表示されるのは黒い鍵盤が1つと白い鍵盤が4つだけ。
先ほどと同じように曲に合わせて適当に弾けば、それっぽい演奏ができてしまうからなかなか不思議です。ちなみに、黒い鍵盤がベース音、白い鍵盤がコードとなっているので、左手で黒い鍵盤を、右手で白い鍵盤のいずれかを弾くようにすると、より、それっぽい雰囲気が味わえますよ。
もちろん、この鍵盤のほうも音色選択が可能。無料の状態だとグランドピアノとエレクトリックピアノの2音色だけですが、そのほかにもオルガンやクラビ、シロフォン、各種シンセサイザーなどがあるので必要に応じて試聴しながら追加してみてはいかがでしょうか?
このように弾けてしまうのは、以前紹介したChrodana Viewerと同じカシオ独自のChordana技術という音楽を解析するエンジンを搭載しているからで、適当に弾いても、そこに合うコードで鳴るようになっているからなんです。
標準は真ん中だが、ボーカルのほうにスライダーを動かすと、伴奏成分がなくなりソロボーカルになっていく
さらに、このChordana Tapの面白いのは、ボーカルと伴奏のバランスを自由にいじることができる点です。たとえば、完全にボーカルだけにしてしまうと、CDからリッピングしたりiTunes Storeで購入した曲の伴奏部分を消して、ほぼボーカルだけにすることができ、そこに自分のギターやピアノの演奏を加えることができるんです。
そう、つまり大好きなアーティストが自分の演奏に合わせて歌ってくれる。これって画期的じゃないですかね!?
なお、Chordana Tapには、その演奏自体を自動化する機能も搭載されており、こちらはギターとキーボードだけでなく、ドラム、ベースも加えることができ、必要に応じてドラムをオフにしたり、ベースのソロにしたりも可能。
ドラム、ベース、キーボード、ギターをそれぞれ自動で演奏させることが可能
だから、まったくドラムが入っていない楽曲にドラムを追加するなんてプレイも可能なんで、そこに自分のギターを加えるなど、工夫次第で、いろいろなことができそうですよ。
レコーディングボタンを押してから演奏すれば、元の楽曲に自分の演奏を加えたものが録音できる
さらに、このようにして演奏した結果をオーディオデータとして録音することまでできてしまうので、人をビックリさせる作品が簡単にできそうですね。
【関連サイト】
Chordana Tap製品紹介サイト(カシオ)
Chordana Viewer製品紹介サイト(カシオ)