先日、「ついにSONAR X3が1月ティアックから発売になる!」という記事でも取り上げたティアック=TEACという会社。Twitterなどで「ティアックが日本の会社であることも、Gibsonグループになったことも知らなかった」、「TASCAMがティアックのブランドだって初めて知った!」といったコメントをいろいろいただきました。
私も「なんでTEACとTASCAMってダブルブランドになっているんだろう?」と気になってちょっと調べてみたら、最近運用がスタートしたTascamティアック株式会社Facebookページに詳しい情報が出ていました。ティアックのマーケティング担当者に確認したところ、転載して構わないという許可をいただいたので、今回はTASCAMの歴史についてちょっとスポットを当ててみたいと思います。
1月にSONAR X3の発売が確定したTASCAMは、US-366をはじめとするオーディオインターフェイス、DR-40をはじめとするリニアPCMレコーダーやポータブルレコーダー、またDP-24やDP-008EXなどのMTR、さらにはミキサーやアウトボード、オーディオ電源周りの機材……と、DTM、レコーディングという世界において数多くの製品があり、このDTMステーションでもいろいろと取り上げてきました。
個人的にいうと、私が一番最初に買ったTASCAM機材は今から約30年前、1985年に入ってすぐに買ったPortaOne(発売は前年の1984年)というカセットテープのMTRでした。これ、今でも手元に残っているのですが、本来は裏表で使うカセットテープを片面走行にして4トラックでのレコーディングを可能にしたものです。
それまで2台のラジカセなどでダビングしながら音を重ねていたものが、「これならトラックを再生しながら、別のトラックにレコーディングできる」と飛びついたわけです。すでに、その5年前に同様にカセットテープに4Trのレコーディングが可能なTEAC 144 Portastudioという機材を発売していましたが、なかなか高くて買えませんでした。が、PortaOneの登場でグッと安くなったので、「これで本格的な多重録音ができる!」と喜んで買ったわけです。ちなみに、そのPortaOneは現在、iPadアプリのTASCAM PORTASTUDIOとして再現されているので、興味のある方はチェックしてみても面白いですよ。
PortaOneをiPadアプリとして再現したTASCAM PORTASTUDIO
しかし、そのTASCAMという名前、実は最初はブランド名ではなくて、組織名だったのだそうです。以下、Facebookページからの抜粋。
TASCAMの誕生は60年前のティアック株式会社の創設と重なります。
1953年、ティアックの創始者である谷兄弟が、最初のティアック製品であるオープンリール・レコーダーを開発しました。 その後順調にティアックは成長を続ける中、1960年代後半にティアックの技術をミュージシャン・録音スタジオ用機材に応用することを目的として、TASC(TEAC Audio Systems Corporation)が設立されました。
続いて北米におけるTASC製品のマーケティング・販売を目的として1971年にTASCAM(TASC America Corp.)が設立されました。TASCAMとはTASC of AMericaの略で、スタートはブランドではなく販売組織だったのです。
TASCAMの創設期であった70年代前半に目を向けると、音楽シーンは非常に活発でした。ミュージシャンは自分をレコード会社へ売り込むための、 手軽に使える録音機材を熱望していました。 しかしながら、多くのインディペンデント・ミュージシャンにとって、レコーディングスタジオを使用しての録音や、マルチトラックレコーディング機材の購入は、高嶺の花でした。
このミュージシャンのジレンマを何とか解決しようということからTASCは、「プロ機器同様、品質や信頼性に妥協をすることなく、多くの人に使用してもらえる録音機器を提供する」という方針を確立しました。
初期のTASCによるマルチトラックレコーダーはTEACのブランドネームで販売されました。1974年、TASCAMは TEAC Corp of Americaの急激な販売増にともないTEAC Corp of Americaと合併。これに伴いTASCAMはティアックによる ミュージシャン・スタジオ用製品のブランドネームとして使用されることになり、現在に至っています。
TASCAMがブランド名になったのがいつなのか、ここにはありませんが、1979年発売の144 PortastudioがTEACブランドで、1984年発売のPortaOneがTASCAMブランドであることを考えると、PortaOneはかなり初期のTASCAMブランドといえそうですよね。
ちなみに現在もTEACブランドの製品は数多くあり、これは主にホームオーディオ製品や産業用や医用製品。以前はCD-RドライブやDVDドライブなどの光学デバイスも展開していましたが、現在はOEM中心となっているようですね。
そのティアックTASCAMのFacebookページでは、さらに古く1976年発売の1/2インチテープを使った8Trオープンリールレコーダー「80-8」の話や、1989年発売でMIDI Syncに対応したカセットMTRのMIDISUTUDIO 688/644など、昔懐かしい話がいろいろと掲載されており、今後、毎週、古いネタを追加していくのだとか…。
マーケティング担当者いわく「昔のTASCAM機材などをお持ちの方がいらっしゃいましたら、写真などの投稿をお待ちしております」とのことですから、歴史的資料として掲載されるかもしれませんよ!
ちなみに、そのスタートして間もないFacebookページを盛り上げるために、キャンペーンを実施しており、1月10日までに「いいね!」をした後、応募ボタンを押して簡単なアンケートに答えると、抽選でリニアPCMレコーダーのDR-40がもらえるそうです。その後も定期的にそうしたキャンペーンを行っていくそうですから、チェックしてみてはいかがですか?
プレゼントはないけれど、DTMステーションのFacebookページもよろしくお願いします!
【関連記事】
ついにSONAR X3が1月ティアックから発売になる!
最大6IN/6OUTで、DSPエフェクト搭載のTASCAM US-366を使ってみた
PCとの連携で威力を発揮する3万円の小型8TrのMTR、TASCAM POCKETSTUDIO、DP-008
昔懐かしい4トラックのカセットMTR、PortaStudioをiPadで再現