9月30日、Propellerhead SoftwareからReason 6がリリースされました。MI7 Japanからチェンジした国内の代理店であるKORG Import Division(KID)からのパッケージ販売は10月上旬ということで、まだ出ていないようですが、私はリリース当日にダウンロード版を早速購入してみました。
以前と違って、アップグレードユーザーは、ネット上のPropellerhead Shopからの購入が基本となっていて、KIDは通さない方式なんですよね(Propellerhead Shopの利用法については、ReasonWhyの記事が詳しいです)。実は今回のアップグレードについて、あんまり情報をしっかり確認せずに、ダウンロード購入の手続きを始めたらちょっとビックリなことがありました。
そうReasonとRecordを持っているユーザーは本来$99でのアップグレードのところ、「pay what you wantキャンペーン」ということで、$1以上なら好きな値段で買えるという、すごいものになってたのです。いくらで購入したのかは秘密ですけどね(^^; なお期間は10月31日までなのでお早めに!
でも、何でそこまで安いのか。実はここには理由もあったのです。今回のReasonの最大の特徴はソフトシンセであるReasonとレコーディングソフトのRecordの統合であり、これまでReasonとRecordを持っている人からすると、あんまり大きなトピックスはないんですよね。もともと2つをインストールしていると、シームレスに統合されてましたから。
ReasonとRecordが統合されたReason6
またReasonユーザーからすると、今回どんなソフトシンセが追加されたか、というのが最大の関心事項ではありますが、今回の追加は無し。その点からしても、わざわざアップグレードする価値はあるのか?という疑問がわくところ。それはPropellerheadも思ったらしく、今回のキャンペーンを実施したようです。
とはいえ、もちろん新しいデバイスも追加されています。具体的にはPulverizer、Alligator、The Echoの3種類。
Pulverizerを和訳すると「粉砕する」となるとおり、結構激しいエフェクトで、コンプレッサ、ディストーション、フィルター、エンベロープ、トレモロなどを統合したデバイスとなっています。
また今回一番斬新なのがAlligator。こいつは3つのゲートを経由した先に、フィルター、オーバードライブ、フェイザー、ディレイ、パン、ボリュームというパラメータもつもの。3つのゲートに対してはシーケンスパターンを組んで開けたり、閉じたりできるため、かなり凝った音作りというか曲作りができそうです。
一方、The Echoは比較的普通なデバイス。フィードバック付のディレイで、モジュレーションをかけたり、フィルターやLFOも設定できるエフェクトとなっています。いずれもPropellerheadがビデオを公開しているので、これを見ればどんなエフェクトなのかよくわかるでしょう。
しかし、私個人的にReason6に一番期待してたのは64bit対応です。64bit版のWindows7にインストールしたところ、確かに64bitモードで動いてくれました。またLionでもしっかりネイティブの64bitで動くようです。
でもなぜ64bit化に期待しているのかといえば、以前も「9月のReason 6発売で、ついにReWireが64bit対応になる!」の記事で書いたとおり、Reasonの機能そのものというよりも、ReWireが64bitに対応したからです。これについてはDTMステーションでも何度かとりあげてきたように、ReWireは従来32bit版だけしかなく、せっかくの業界標準規格なのに64bit環境では使うことができませんでした(裏技については「64bitのDAWでReWireを実現させるための方法」で紹介していますので、ご参照ください)。今回ReasonというかReWireの64bit版が公開されたことにより、そのボトルネックがついに解消されるはずだからです。
で、さっそくCubaseの64bit版、SONARの64bit版をインストールして、Reasonの64bit版とReWire接続できるか試してみました。
CubaseのデバイスメニューにReasonの表示はない
が、結論から言ってしまうと、ダメでした。というのはクライアント側であるReasonは対応したけれど、ホスト側であるCubaseやSONARにまだReWireの64bit機能がインプリメントされていないからです。一応、Cubaseは6.03に、SONARはXONAR X1cという最新版にアップデートしたのですが、ともにダメでした。きっと近いうちに、アップデートしてくれると信じているので、そこを待つことにしましょう。
SONARのReWireメニューはグレーアウトされている
アップデートされた際、64bit版のReasonと同期できるかはもちろん、VOCALOID2を含む32bit版のReWireクライアントと同期できるのかもとても気になるところです。
ちなみにPreSonusのStudioOne ProがReWire 64bitに対応しているらしいという情報を得たのですが、こちらはまだ試せていません。手元にソフトはあるので、近日中にテストしてみたいと思っています。