CubaseやSONAR、LogicなどのDAWが64bit対応をし、VSTプラグインやAudioUnitsのプラグインが64bitをサポートしたことで(RTASは今のところ非対応)、徐々にではありますがDTMの64bit化が進んできています。私の周りでも「64bit版を使い始めた」という人が増えてきているようです。
ただ、これまで64bit化することで大きな問題が1つありました。それはReWireが64bit対応していなかったため、一切これが使えなかったのです。CubaseもSONARもその64bit版を動かしたときに、ReWireがメニュー上には見えているものの、アクティブにならず、使うことができませんでした。DAWメーカーに聞くと、これはReWireの規格を作ったPropellerhead Software側の問題であり、PropellerheadがReWireの64bit版を作らないことにはどうしようもない、という話だったのです。
ついに64bit版ReWireに対応するReason 6が登場する
そんな中、裏技的な方法もあり、以前、VSTプラグインを介してのReWireとの同期の仕方については紹介しました(64bitのDAWでReWireを実現させるための方法)。しかし、ついにその本家、Propellerheadが動き出しました。
PropellerheadのReason 6プロモーションビデオ
1週間ほど前、たまたまPropellerheadのサイト(英語)を見に行った際に、ReCycle! 2.2のベータテスター募集という案内を見つけて応募しました。ずいぶん久々のバージョンアップですが、目玉が64bit化だったのです。「これは何かありそうだ……」と思っていたら、昨日7月12日に、ついにReason 6のアナウンスがされたのです。
Recordでお馴染みのLINE6のアンプシミュレータも搭載
Reason 5は昨年発売されたばかりなので、Propellerheadとしてはかなり早いピッチでのバージョンアップとなりますが、上記ビデオにもあるとおり、今回レコーディングソフトのRecordと融合する形になり、Record単体という販売はなくなるようです。この新バージョンではPulveriser、The Echo、Alligatorというエフェクトが追加されるそうですが、目玉はなんといっても64bit化です。
対応OSを見てみると、
●Windows XP SP3, Vista or Windows 7 (Vista or Windows 7 required for 64-bit)
●Mac OS X 10.5.8 or later
と記載されています。そうWindowsにおいてはなんと32bit版を基本的に切り捨てたということのようです。まあWindows XP SP3がサポートされているので、完全ではないのかもしれませんが、VistaやWindows 7では64bit版が必要とされていますから(きっと32bit版でも動くとは思いますが)。Macにおいては当然Lionをサポートするようです。ちなみに現行のPropellerhaed製品、Mac OS X 10.7 – Lionは全滅のようですが、現在ベータテスト中のReCycle!2.2はLion対応となっています。
そして、一番の注目はReWire。これが64bit対応することを公式にアナウンスしており、「これを使うためには64bit対応したReWireホストが必要である」という主旨の記載もされています。つまりCubaseやSONAR、Logic、StudioOne……といったWindows/Macで64bit対応したDAWとであればReWire接続できる、というように読めます。
もっとも各DAWメーカーともに、ReWireの口だけをあけた状態で製品を作って出荷しているので、今のバージョンのまま、本当にReason 6と接続できるのかは怪しいところですが、ダメな場合でも近いうちにアップデートがされ使えるようになるでしょう。
なお、Propellerheadによると発売は世界同時で9月30日と言っているので、国内でもそうなると思われます。またReason 6とともに、そのエントリー版であるReason Essentialsもリリースされ、こちらも64bit版ReWireに対応しているとのこと。国内での販売はKID(KORG Import Division)となりますが、現時点ではアナウンスはなく、価格なども分かりません。