かねてから、話題にあがっていたVOCALOIDの新バージョン、VOCALOID3が本日ヤマハから発表されました。今回は機能や性能に関する発表や、サードパーティーからの製品のリリース計画の発表という形であり、まだわれわれが直ぐに使えるという段階ではないようです。
実際の発売は9月末が予定されているのですが、VOCALOID2と大きく異なるのは、データ入力のためのVOCALOID Editor(おそらく1万円程度になる模様)と歌声ライブラリが分離される、ということ。VOCALOID Editorはヤマハ製品としてボーカロイドストアから購入し、各歌声ライブラリは、クリプトン・フューチャー・メディアやインターネット、AHSなどから購入するというわけです。
ライブラリとは別の販売となるVOCALOID3 Editor
とはいえ、日本語の歌を聴く限り、「あ、ボーカロイドだ」というのは分かるのです。が、面白いことに、それが外国語になると、それが分からないんですよね。そう、今回は従来の日本語、英語に加え、中国語、韓国語、スペイン語のそれぞれにも対応。中国語ならピンインで、韓国語ならハングルで…というように外国語で使えるようになり、海外でも本格的に発売されるようです。
韓国版の中の人、K-POPアイドル、キム・ダヒーさん(17歳)が来日して挨拶
またVOCALOID3 Editorとしての機能も大幅に向上しています。まずはVSTのプラグインが使えるようになったため、作った歌声に対してエフェクトがかけられるようになっています。またここにWAVファイルを読み込めるようになったのも大きなポイント。そう、オーディオトラックとして読み込めるため、あらかじめオケを作って読み込めば、これだけで曲として仕上げることができるわけです。
また、VSTとはまったく別にVOCALOID Job Plugin機能というものが追加されました。これはVOCALOID3 Editor自体の機能拡張をするためのものであり、今後さまざまなプラグインが登場するようです。その中でも注目すべきなのが、産業技術総合研究所が開発した「VocaListener(略称:ぼかりす)」がヤマハからプラグインとしてリリースされるということ。ぼかりすの詳細はここでは省略しますが、これが使えるようになると、かなり滑らかな歌声を、細かな調教をすることなく作り出せそうです。
一方で気になるのは、VOCALOID3版の初音ミクや鏡音リン・レンなどは出るのか、という点。これについてクリプトン・フューチャー・メディアは出さない、としています。一方で、インターネットの村上社長は、がくっぽいど、Megpoid、Lily、ガチャッポイなどの既存の製品のVOCALOID3版をリリースすると話していました。
AHSでは、既存製品のVOCALOID3版に関する言及はなかったものの、クオリティー向上やバリエーションの拡充など、いろいろ取り組んでいくようです。
さらに、今回、声優の喜多村英梨さんをCVに起用したCUL VOCALOIDというものが登場するとか、Liaさんを起用したものが登場するなど、サードパーティー数が一気に増えてくるようです。
声優、喜多村英梨さんがCVとなるCUL VOCALOIDもリリースされる予定
今日は記者発表会とボカロ3お披露目パーティオーをハシゴして参加してきましたが、情報量が多すぎて消化しきれない、整理がつかないというのが正直なところです。まずは、来週月曜日のAV WatchでVOCALOID3本体の機能部分について、もう少し細かく紹介していこうと思っています。