Logic ProのLive Loopsの実力を120%引き出すアイテム、Novation Launchpadの威力

昨年Logic Proが実質的なメジャーバージョンアップを果たしLogic Pro X 10.5となった際、Ableton Live風な新機能、Live Loopsを搭載しましたが、先日さらにアップデートして10.6というバージョンになりました。この10.6ではAppleシリコン搭載の新型M1 Macに対応したのが最大のポイントでしたが、このタイミングでアナウンスされたもう一つの大きなトピックスがNovationLaunchpadシリーズに完全対応したという点です。

Launchpadは8×8のパッドを備えたUSBで接続するユニークなコントローラで、Ableton LiveをはじめとするDAWと連携させてさまざまな操作ができるハードウェアです(Mac内のアプリケーションをすべて表示して管理するmacOS用のアプリケーションランチャーとは無関係)。このNovationのLaunchpadをLogic Pro XのLive Loopsで利用すると、Live Loopsが異次元のレベルに進化するといっていいほど大きな威力を発揮し、ソフトウェア・ハードウェア間をシームレスに使うことができるようになります。実際どういうことなのか、どんな使い方ができるのかなど、紹介してみましょう。

NovationのLaunchpadを使うことでLogic Pro XのLive Loops機能をフルに引き出すことができる

イギリスのハードウェアメーカー、Novationはパッド型コントローラのLaunchpadシリーズや多機能キーボードのLauchkeyシリーズ、またデジタルシンセサイザやCircuitなどのグルーヴボックスを出していますが、なんといってもこのLaunchpadシリーズが現在の主力製品です。

Launchpadシリーズの最高峰、Launchpad Pro MK3

以前にも「Ableton Liveとの連携は完璧!MIDIパッドとしてだけじゃなく、コントローラとしても優秀なNovation Launchpad Pro」、「Ableton Live専用じゃない! Cubase、FL、S1、Abilityでも使えるコンパクトで万能なフィジカルコントローラー、Novation Launchpad Xの実力」といった記事でも紹介したことがありましたが、Launchpad Pro、Launchpad X、Launchpad Miniの大きく3種類のラインナップが存在しており、特にAbleton Liveユーザーから高い評価を得ているコントローラです。

手頃な価格ながら数多くの機能を装備するLaunchpad X

しかし、AppleのLogic ProがAbleton Liveに近いLive Loopsを搭載したタイミングで、Lauchpadシリーズと連携する機能が用意され、今回10.6となった際に、これまで未対応だったLaunchpad Pro MK3を含めたLaunchpadシリーズすべてのモデルでシームレスに使えるようになっています。

Logic Pro Xの最新版10.6.1を使って試してみた

Apple側の資料によると、

Launchpad
Launchpad S
Launchpad Mini
Launchpad Mini MK3
Launchpad MK2
Launchpad Pro
Launchpad X

のそれぞれに対応しているとのことですが、いずれの機種の設定もいたって簡単。ドライバもユーティリティも不要で、LaunchpadをUSBでMacに接続し、Logic Pro Xを起動するだけ。

USBで接続するだけで、自動的にLogic Pro Xに組み込まれた

すべて自動で認識し、セッティングしてくれるから難しいものは何もありません。Intel CPUのMacで使えるのはもちろんですが、今回は先日購入したM1 Mac miniで試してみましたが、まったく問題なくすべての機能を使うことができました。

今回はIntel Mac Mini(下)で試すとともにM1 Mac Mini(上)をメインに使ってみた

ホントにうまくいっているのか確認のため、Logic Pro X 10.6の環境設定のコントロールサーフェイスを見ると、読み込まれていることが分かりますが、さらに「設定」ボタンをクリックすると、より細かな情報が表示されるようになっています。

Launchpadに関する細かな設定も自動的に行われている

使うのがLaunchpad Xなのか、Launchpad Pro MK3なのかなどによって、若干使える機能に違いがあったりしますが、Launchpad Pro MK3での利用例のビデオがあるので、これを見てみると雰囲気が分かると思います。

このビデオからも分かったと思いますが、もっとも基本的な機能としてはLive Loopsに並んだ各セルをトリガーする機能。

Logic Pro XのLive Loopsにループ素材を並べた画面

画面に表示されているのと同じセルが同じ色でLaunchpad上に表示されるので、これを押せばいいだけ。これでどのループを鳴らすのか、止めるのか、選択していくことができます。

Live Loopsの画面と同じ色でセルが表示され、これを押すとループがトリガーされる

次に各トラックの操作です。録音アームやミュート、ソロといった操作をマウスを使うことなく、Launchpadのボタンで操作可能です。

各トラックの録音アームやミュート、ソロの設定もLaunchpadからできる

そしてミキサー操作もすべてLaunchpad側からコントロールできるようになっています。たとえばVolumeを選ぶと各トラックの音量が白いLEDで表示されるので、ボタンを使って設定したい音量を指定すればその音量に変わります。この際、強くボタンを押せば即変化し、弱く押すと滑らかにフェードしていくのもユニークなところです。

各トラックのボリュームが横方向で表示され、コントロールできる

同様にPANを指定したり、センド量を指定することも可能なので、LaunchpadがまさにLive Loopsのミキサーのフィジカルコントローラとして機能するというわけなのです。

そして、トラックにソフトウェア音源を設定している場合、その音源の演奏をLaunchpadから行うことも可能です。普通のピアノ鍵盤のようなクロマティックなモードができる一方、Launchpadならではのモードで演奏できるのが面白いところ。

鍵盤と同様のクロマティックなモードで演奏可能

やや独特な世界ではありますが、まったくキーボードが弾けない人でも、ギター感覚でコードの形を覚えると弾けるようになるというのがポイント。その演奏方法の詳細はここでは割愛しますが、Webで検索してみると、いろいろ出てくるので、ぜひそれらを参照してみてください。

スケール設定されたLaunchpadならではのモードで演奏できるのが面白いポイント

さらにワンボタンでコードが弾けるChordモードもあるので、これらをうまく切り替えながら演奏していくことで、さまざまなパフォーマンスができるようになります。

Launchpad Pro MK3本体内蔵のシーケンス機能を使うこともできる

さらにLaunchpad Pro MK3の場合、Logic Proとは独立した形で、内部にシーケンサを装備しているのも重要な点です。予め各トラックにソフトウェア音源を仕込んでおいた上で、このシーケンサを使うと、マルチトラックでシーケンスパターンを組んでいくことも可能なのです。

NovationのLaunchpadをLogic ProのLive Loopsで使う際のすごさは、これらの基本機能に留まりません。カスタム機能を使うことで、各パッドの機能を自由に割り当ててさまざまな使い方が可能になります。

各種設定を行うNovation Components

このカスタム機能を使うにはGoogle Chrome上で使えるNovation Componentsというアプリを利用する必要があるのですが、とくにインストールも不要で、下記のURLをChromeで開くだけでOK。
http://components.novationmusic.com

Chromeを使ってない方や、ネット非接続環境で使いたい方にはアプリバージョンもあるので、ここからダウンロードしてみてください。
さて、そのNovation Componentsで「Create Custom Mode」を選んで、Launchpad上に、フェーダーや4×4のリズム用パッドのウィジェットなどを割り当ててLaunchpadの機能を自由にデザインしていくことが可能です。デザインが完成したら「send to Launchpad」をクリックすれば、それを反映させることが可能であり、最大4つのカスタムモードを保存し、切り替えて使うことが可能になっています。

Learn機能を使って割り当てていく

一方で、Logic ProのLive Loops上でスマートコントロールを表示させ、ここ表示されるコンプレッサやEQなど、各種エフェクトのパラメータを外部アサインメント機能で登録することで、各フェーダーなどに割り当てていくことが可能です。これを利用すれば、演奏中にLaunchpadでエフェクトコントロールしていくといったことも可能です。

詳細については、以下のNovationの動画でも紹介されているので、参考にしてみてください。

Live Loopsをライブパフォーマンスで思い切り活用したいという人にはもちろん、Logic Pro XでLive Loops機能があるのは知っていたけど、今一つどう使っていいかわからない……と思っていた人にとっても、NovationのLaunchpadを導入することで、Live Loopsの面白さを120%引き出すことができるはずです。

現在novation x SONICWIREウィンターキャンペーン実施中

なお、現在「novation x SONICWIRE ~ 人気サンプルパックメーカー制作キット厳選!サンプル・ループ音源プレゼント!」というウィンターキャンペーンが実施中です。この期間にLaunchpad Pro MK3もしくはLaunchpad Xを購入するとキャンペーン限定スペシャルパック4種類の中からランダムで1種類を入手できるとのことなので、このタイミングで購入するのもよさそうです(※キャンペーン対象品はキャンペーンステッカーが貼られているので、ご確認ください。ネットショップなどキャンペーン品を取り扱っていないショップもあるようです)。

※2021.01.28追記
2021.01.12に放送した「DTMステーションPlus!」から、第166回「ZOOM V3でDTMに新次元のVocalを!」のプレトーク部分です。「Logic ProのLive Loopsの実力を120%引き出すアイテム、Novation Launchpadの威力」から再生されます。ぜひご覧ください!

【関連情報】
Launchpad Pro MK3製品情報
Launchpad X製品情報
Logic Pro用コントロール・サーフェイス・サポート・ガイド(Apple)

Novation x SONICWIREウィンターキャンペーン情報

【価格チェック&購入】
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