発売以降、絶大な人気を誇っているIK Multimediaのベース音源MODO BASSに続く、MODOシリーズ第2弾となるドラム音源MODO DRUMをご存知ですか?これは、世界で初めて物理モデリングを採用したドラム音源であり、サンプリング音源よりも細かくドラムキットをカスタマイズすること可能な音源。ドラムの各パーツの素材やサイズ、プレイスタイル、部屋鳴りまで、物理音源だからこその自由さが魅力となっています。ドラムに詳しい人にとっては、自分だけのドラムセットを作れる面白い音源ですし、詳しくない人でもドラム自体の仕組みを理解しながら、どこがサウンドに影響してくるのか学べるいい音源だと思います。
もちろん、そんな複雑にカスタマイズしなくても使える、豊富なプリセットやさまざなジャンルに対応する10種類のプリセット、1400種類以上のMIDIパターンの収録もしています。UIも整っており、非常に操作しやすい印象だった
MODO DRUM。通常価格は35,990円(税込)ですが、現在セールを実施しているため21,590円(税込)と安くなっています。さらにDTMステーション読者限定で12月11日~1月5日までの期間使えるbeatcloud用のクーポンが用意されているため、もう一段安くすることが可能。具体的には18,999円(税込)と、最安値での購入が可能なのです。でもそれよりも安く入手可能なクロスグレード版というものも用意されているのも重要なポイントです。実際にMODO DRUMを使ってみたところ、かなりいい音源だったので、安く購入するための情報とともに紹介してみましょう。史上初の物理モデリングを採用したIK Multimediaのドラム音源MODO DRUM
みなさんご存知の通り、IK Multimediaは、イタリアに拠点を置くハードウェア・プラグインメーカー。iRigシリーズ、iLoud Micro MonitorやiLoud MTM、ギタリストのためのオーディオインターフェースAXE I/Oなど、ユニークで人気の高いハードをリリースしています。また、T-RackSやAmpliTube、SampleTank……などのプラグインもリリースしており、プロからの熱い支持も受けているDTM系総合メーカーです。
その中でも、MODO BASSは2016年末に衝撃的なデビューを果たし、いまや定番音源となっています。物理モデリングの音源という特性から、プログラム容量もコンパクトなわけですが、それでもリアルなサウンドを鳴らすことが可能。ベース音源に限らず、いい音の音源というと巨大なデータを持つサンプリング音源というのが常識ですが、MODO BASSはサンプリングデータは使わずすべて計算によって音を出しています。それでも、リアルでいい音をMODO BASSがいい音がするのは、IK Multimediaの開発技術力によるところが大きいといえます。
物理モデリングによるエレクトリックベース音源MODO BASS
そんなMODO BASSが発売されてから、3年の月日を経て発売されたのが、MODOシリーズ第2弾のMODO DRUM。MODO BASSと同様、物理モデリングがメインのドラム音源で、リアルなサウンドと自由自在なカスタマイズが特徴です。正確には、シンバル類はサンプリングなので、物理モデリングとサンプリング音源のハイブリッド音源なのですが、ほかのドラム音源では不可能なことができるユニークな音源。MODO DRUMのインストーラーの容量がWindows版で6.4GB、Mac版で7.5GBと、小さくはないサイズではありました。ただ、このバリエーションから考えると普通のサンプリングドラムではありえない小さいサイズともいえそうです。その肝心なサウンドついてですが、動画があるので、まずはこちらをご覧ください。
いかがでしょうか?リアルでいいサウンドですよね。動画でも出てきていますが、スネアのトップ、シェル、ボトム、スナッピーをそれぞれカスタマイズしたり、バスドラムのキックの踏み方やビーターの材質を選んだり、スティックを変えたり、自分の好きなドラムセットを作ることができます。実際にMODO DRUMを立ち上げると、まずはドラムキットを選択する画面が表示されます。
MODO DRUMを立ち上げると、まずはドラムキットを選択する画面が表示される
ここでは、あらゆるジャンルに対応するドラムキットを選ぶことができ、以下のようなバリエーションが用意されています。
Djentleman モダンなメタル・サウンド
Jazzy 14インチのバス・ドラムを中心とした、暖かみのあるジャジーなヴィンテージ・サウンド
Extreme 破壊的なヴィンテージ・メタル・サウンド
Reference あらゆるジャンルに最適な、ベーシックなキット
Bubinga ブビンガ材を使用した、リッチなロー・エンドとパンチのあるサウンド
Grungy グランジやオルタナティブに最適な、シンプルなキット
Plexi 70年代を象徴する、クラシック・ロックに最適なキット
Studio 80年代のスタジオのスタンダード・サウンド。無数のレコーディングで使用された、多様性とパンチを両立したキット
Rock Custom パンチとクリアなローミッドが特徴の、メイプル・シェルのキット
まずは、ここから元となるドラムキットを選択します。試しにJAZZYを選択してみました。キットを選ぶと1、2秒ほどで、ロードが終わりキットが切り替わります。
その後CUSTOMIZEを選択すると、キットをカスタマイズできるようになります。たとえばスネアをクリックすると、上側にほかのスネアが表示され、スネアだけ変更したりすることができます。もちろん、バスドラムでもシンバルでも、自由に組み合わせを変えることができますよ。
さらに、MODO DRUMのすごいのはここから。右上にあるEDIT ELEMENTをクリックすると、選択しているキットの詳細をカスタマイズすることができます。スネアだと、トップ、シェル、ボトム、スナッピーをそれぞれ調整可能。トップの材質を変えたり、チューニングや余韻の長さ、シェルの深さ、スナッピーのテンション感までカスタマイズできてしまいます。これこそが物理モデリング音源の強みであり、サンプリング音源では真似できないところですね。実際音を鳴らしながら、簡単にいろいろと試してみることができますよ。
またプレイスタイルを指定することもでき、スネアやタムなら右手と左手で、叩く位置を指定可能。また、ここでスティックを切り替えたりすることができます。左手はティアドロップナイロン、右手はノーチップにしたり、といった左右で使うスティックを変えるなんてこともできます。
さらに、バスドラムではペダルの踏み方をヒールアップにするかヒールダウンにするか選んだり、ビーターの素材をフェルト、プラスチック、ウッドの3種類から選択できます。こういった演奏のニュアンスに影響するところまで、カスタマイズできるマニアックさを持っているのは、MODO DRUMだけと思います。
また部屋の残響をROOMから設定することができ、BOOTH、MID STUDIO、GRAGE、BUNKER……といった、レコーディングスタジオからガレージのような面白いところでの残響を指定することができます。残響のボリューム感や各パーツのセンドレベルも搭載されているミキサーから調節可能です。
いろいろとカスタマイズできることを紹介しましたが、いい感じのセッティングが最初からされているプリセットもMODO DRUMには搭載されています。まずはプリセットから選んで、細かいところを前述したようにカスタマイズしていくのもよさそうですね。
また、MIDIフレーズも1400種類以上装備しています。MIDIフレーズの絞り込みも分かりやすく、かなり便利に使うことができます。ジャンルを指定したり、イントロなのかコーラスなのかを決めたり、右手でどこを演奏するか指定したり、小節や拍子から絞り込みが可能です。絞り込んだ結果はGROOVESの一番右側に表示され、ここで試聴したり、ドラック&ドロップでDAWに読むことができます。
MIDIフレーズは1400種類以上装備。絞り込みも分かりやすく便利
前述したようにMODO DRUMにもミキサーが搭載されており、収録されている合計19種のエフェクトは、T-RackSやAmpliTube譲りの高品位なプロセッサー。以下のようなエフェクトが搭載されています。
ダイナミクス | ディストーション | リバーブ&ディレイ | モジュレーション |
Compressor | Clipper | Plate Reverb | Phazer |
Comp 2A | Big Pig | Room Reverb | Chorus |
Comp 76 | Crusher | Inverse Reverb | Flanger |
Gate | Distortion | Hall Reverb | |
SL Comp | Delay | ||
Tape Delay |
ドラムの音色を作るには十分なエフェクトが搭載されていますね。普通のミキサーのようにボリューム、パンの設定やミュート、ソロ、センドなども、もちろん行えます。「OH /ROOM」では、オーバーヘッドマイクのボリュームやエフェクトを行え、最大2つのセンドリターンエフェクトも使用可能です。
また、各キットを個別にDAWへ出力してコントロールするパラアウトも簡単に行えます。キットの出力部分をクリックしてDAWから、各キットを個別のDAW出力へ割り当てます。
たとえば、Studio Oneの場合であれば、インストゥルメントに表示されているMODO DRUMをクリックすると、MODO DRUMが持っているアウトを表示させるためのチェックボタンが見えるようになるので、必要なところにチェックをいれます。Studio One側では「Out3-4」のように表示されていますが、これはMODO DRUMで設定した「DAW3-4」に対応しています。あとは、それぞれ設定していけば、書き出したり、DAW側でエフェクトやボリューム調整していくことができます。
DAWのミキサーにパラアウトして、ここから調整することも可能
以上、MODO DRUMについて紹介しました。なお、冒頭でもお伝えしたように、通常価格35,990円(税込)のものが、現在セール中で21,590円。さらにDTMステーション読者限定・期間限定で、12月11日~12月25日まで、下記のクーポンコードを利用することで18,999円でMODO DRUMを購入することができるのです。
実際、購入手続きをして、クーポンコードを入れてみると、確かに割引されるのが確認できます。
beatcloudでの会計の際にクーポンコードを入力すると、割引が適用され18,999円になる
しかし、IK Multimedia製品のユーザーであれば、さらにもっと安く入手可能な方法もあるのです。99.99ユーロ以上のIK Multimedia製品を持っている方、という条件はありますがMODO DRUMクロスグレード版という割安で入手できる製品が用意されているのです。割安とはいえ、もちろんソフトの中身はまったく同じ。こちらは以下のクーポンコードを利用することで、もう一段安い11,943円での入手が可能になるのです。
自由自在にカスタマイズできる、物理モデリングのドラム音源をこの機会にゲットしてみてはいかがでしょうか。
※2020.12.20追記
作曲家の多田彰文さんが、このMODO DRUMの解説ビデオをDTMステーションPlus!の特別編として制作してくれたので、ここに掲載します。各プリセットのサウンドを紹介するとともに、実際の使い方を丁寧に紹介しているので、ぜひご覧ください。またビデオの後半でのMODO BASSとのアンサンブル、さらには最後のエレピと合わせてて制作した楽曲は必見です!
【製品情報】
MODO DRUM製品情報(フックアップ)
MODU DRUM製品情報(IK Multimedia)
【価格チェック&購入】
◎beatcloud ⇒ MODO DRUM通常版
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◎beatcloud ⇒ MODO BASS通常版
◎beatcloud ⇒ MODO BASSクロスグレード版