Native InstrumentsがCYBER SEASONセールというイベントを12月7日までの期間、実施しています。対象となるのはMASSIVE XやKONTAKTなど単体インストゥルメントとTRAKTOR PRO 3で、トータル190以上の製品となります。これらすべてが半額で入手可能となっているのです(セット製品であるKOMPLETE 13シリーズは対象外)。KOMPLETE 13になって新たに登場した製品もセール対象となっているので、気になっていたものがあれば、このタイミングでゲットしておくのがよさそうです。すでにKOMPLETEシリーズを買ったことがあって、それなりにNative Instrumentsの音源を持っている人でも、入っていないツールもいろいろあるので、チェックしてみる価値があると思います。
最近ではDJソフトのTRAKTOR PRO 3を音楽制作で用いるエフェクトとして活用する人も増えているようで、DTMにおいても強力なツールとして見られるようになってきました。DAWだけでは実現が難しいリアルタイムに変化させていくダイナミックなエフェクトが利用できるからで、それにマッチしたエフェクトも数多く搭載されています。実際このTRAKTORをどうやって使っていくかなども含め、今回のCYBER SEASONセールを紹介してみましょう。
Native Instrumentsが対象製品50%OFFのCYBER SEASONセールを実施中
今週金曜日にはブラックフライデーを控えており、いろいろなところでセールが始まっていますが、Native Instrumentsもその1つ。今回のセールでは、MASSIVE Xをはじめ、KONTAKTやRAUM、ARKHIS、 PHARLIGHT、MYSTERIA、TRAKTOR PRO 3……など、新作を含めDTMをするなら持っておきたい音源もすべて半額でゲットできるチャンスとなっています。KOMPLETE 13シリーズやハードウェア製品は、セールの対象外となっていますが、すでにいずれかのKOMPLETE 13シリーズを持っているのであれば、そこに入っていないけど上位版に入っていて、気になっているものを単体で買うのもよさそう。もちろん、KOMPLETEを買ったことなくても、MASSIVE XだったりKONTAKT 6は、持っていて損はないので、この機会に導入するのもいいかもしれませんね。
実際にセール対象になっている製品は、膨大な数があり、ここでは紹介しきれないので、ぜひNative Instrumentsの特設ページ“CYBER SEASON”からチェックしてみてください。
いくつかピックアップするとしたら、まずはMASSIVE Xでしょう。そうMASSIVEは使っているので、MASSIVE Xがどんなものなのか気になっていた……という人も多いはず。詳細については、1年前に「MASSIVEの進化系、MASSIVE Xがアップデートし、完成形に!圧倒的な機能と自由度でソフトシンセの次のスタンダードに」という記事で取り上げているので、ぜひそちらも参考にしていただきたいのですが、まさにMASSIVEをより強力にしたもので音楽制作をしている人であれば、絶対持っていて損のない音源です。
さらに、そのMASSIVE Xの拡張音源であるMASSIVE X Expansionsがセールとなっているのも今回のCYBER SEASONセールの大きなポイント。MASSIVE X Expansionsは、サウンドデザイナーが作成した最先端のプリセットパックで、各拡張パックごとにジャンルが決められており、それぞれ150個のプリセットが含まれています。セール期間中は、1つ2,000円(税込)で購入することができるので、気軽に試してみることもできそうですよね。
現在リリースされているエクスパンションは6つ。MOEBIUS、MECHANIX、DRIVE、SCENE、RUSH、PULSEで、サウンドはNative Instrumentsのページから確認することができます。レトロなシンセサウンドのパックやアンビエント系のサウンド、王道なEDMサウンドがあったりして、即戦力になること間違いなしです。
今回、もう一つピックアップするとともに、ぜひお勧めしたいのが冒頭でも少し触れたTRAKTOR PRO 3。DJソフトの代名詞ともいえるソフトではあるのですが、「DJはあまり興味がないので……」と敬遠してしまう人もいるかもしれません。しかし、このTRAKTOR PRO 3をエフェクターとして使う手法が、DTMユーザーの間でも増えているようなので、これについて見ていきましょう。
考え方としてはシンプルで、たとえばフィルターをDAW内ではなく、外部にあるTRAKTOR PRO 3に任せることで、より動きのある楽曲に仕立て上げていくというものです。確かにDAWのオートメーション機能を使ってフィルターを動かすことは可能ではありますが、DJ的な手法を用いることで、単調な変化ではなく、よりダイナミックなものに仕立て上げていくというわけです。
といっても特にDJデッキなどなくても、普段使っている音楽制作用の環境でシステム構築することは可能です。基本的に、DAWからの信号を一度TRAKTOR PRO 3に送り、エフェクトを通して、DAWに戻す流れになります。
Native InstrumentsのDJソフトTRAKTOR PRO 3
オーディオインターフェイスを2台用意して、インプットとアウトプットをケーブルで繋いでいきます。内部ルーティングしたり、4チャンネル以上のオーディオインターフェースがあれば1台でもできますが、分かりやすいのであえてこの形にしてみました。
1台のPC内でDAWとTRAKTOR PRO 3を起動させ、2台のオーディオIFで結線
この図からも分かる通り、ダイナミックなエフェクトをかけたいトラックの音をオーディオインターフェイスAを通じて外部に出し、それをオーディオインターフェイスBに入力し、TRAKTOR PRO 3で処理するのです。処理結果の音をオーディオインターフェイスBから出力し、オーディオインターフェイスAを通じて別トラックにレコーディングしていくわけです。一方、メイン出力はオーディオインターフェイスAの別チャンネルから出力して、チェックしていくというわけです。もちろん設定によってモニターする音をどれにするかはDAW側で設定していくといいでしょう。
ここでは、一番分かりやすく直感的に使う方法として2台のオーディオインターフェイスを使って接続しましたが、Macならsoundflower、WindowsならVoiceMeeter Bananaというオンラインソフトなどを使って、論理的にルーティングを行っていくことで、オーディオインターフェイスを追加することなく、またより高音質にDAWとTRAKTOR PRO 3間でのオーディオ入出力が可能になるので、試してみるといいと思います。
やや複雑にはなるがWindowsならVoiceMeeter Bananaを使うことでDAWとTRAKTOR PRO 3を結線できる
なおTRAKTOR PRO 3には、普通のDJミキサーに搭載されているようなHI、MID、LOのEQをはじめ、フィルターノブにはReverbやNoise、Dual Delay、Dotted Delay、Barber Pole……など、フィルター以外にも9種類のエフェクトが用意されています。EQだけでも、DAWで掛けるEQとは違う雰囲気で、DJらしい感じになりますし、フィルターやほかのエフェクターについてもほかのプラグインでは再現しにくい表現が可能です。
DAWのプラグインでは表現しにくい演出も、TRAKTOR PRO 3なら可能
このTRAKTOR PRO 3には、40種類を超えるエフェクトが搭載されており、FX1とFX2を使い分けることが可能。さらに3つのエフェクトを同時に掛けていくこともできます。エフェクタープラグインとして見ても、かなり優秀な分類ですね。それが今なら6,700円(税込)で入手できるので、持っていて損はないと思います。単体のトラックに掛けて、音作りに使うこともできるし、最後マスターに掛けてDJ的な演出を楽曲に取り込みことができますよ。
以上、Native InstrumentsのCYBER SEASONセールについて紹介しました。冒頭でも記載した通り、今回のセール対象は190製品以上に及ぶのですが、ハードウェア製品やKOMPLETE 13シリーズは対象外となっています。またセールの利用規約には以下のような記載もあります。
利用規約
この特別セールは2020年11月18日から2020年12月7日まで有効です。 特別セールは、弊社ウェブサイトの特設ページに掲載されている製品のフルバージョンのみが対象となります。 KOMPLETE 13、KOMPLETE 13 SELECT、KOMPLETE 13 ULTIMATE、KOMPLETE 13 ULTIMATE Collector’s Edition、GUITAR RIG 6 PRO、CREMONA QUARTET、BUTCH VIG DRUMS、CERTIFIED GOLD、CRATE CUTS Expansion、ハードウェア製品、iOSアプリ、アクセサリー、NIグッズはセールの対象外です。 セール価格はNIオンラインショップ上のみに適用されます。 弊社取引条件に基づき、E-バウチャーは特別セールにはご利用いただけないことをご了承ください。
つまり、一部製品は対象外となっており、必ずしもNative Instrumentsの製品すべてが半額というわけではないようです。とはいえ、このイベントは12月7日まで開催しており、かなり膨大な量の製品が対象となっているので、ぜひ、どんなものがあるか、CYBER SEASONセールのページをチェックしてみてください。
【関連情報】
CYBER SEASONセール