Traktor、Serato DJ、Deckdance……といろいろあるPC用DJソフトですが、国内ではあまり知られていなかったUltraMixerなるソフトが日本語対応するとともに、ソースネクストが販売を開始しました。ドイツのonexipというメーカーが2006年から開発・販売する老舗ソフトで、現在のバージョンは6。エントリー版のUltraMixer Home、強力なエフェクターなども使えるUltraMixer Basic、強力なビデオ機能を装備するとともに各種DJコントローラーも利用可能なUltraMixer Proの3グレードがあり、いずれも発売記念ということで6月22日まで期間限定の30~39%オフの特価販売が行われています。
もちろんWindowsでもMacでも利用可能なソフトであり、初めての人でもすぐにDJプレイができるよう自動でテンポ合わせができるオートDJ機能を装備していたり、音楽に合わせて動く視覚効果や動画やスライドショー、テキストメッセージも流せる機能を装備するなど、これまでDJ経験のない人でもすぐに楽しめる強力なソフトです。具体的にどんなことができるのか、紹介してみましょう。
「DJはなんとなく興味があるけれど、試したことがなくて……」というDTMユーザーも多いと思います。オーディオインターフェイスを使ったりMIDI機器を使うという意味ではDAWと近い存在ではありつつも、音楽をゼロから作っていくDTMと、すでに完成した楽曲を華麗にプレイしていくDJは、まったく方向性の異なるので、抵抗を感じてる人も少なくないかもしれません。
でも、自分がDTMで作った楽曲を披露するというときに、YouTubeやニコニコ動画などにアップするというのとは別に、人前でDJソフトを使って聴かせていくというのも一つの手段。もちろん、自分の楽曲に限らず、好きな楽曲をDJソフトに読み込んでプレイしていくだけでも楽しいので、試してみる価値は高いと思います。
そんなDJプレイを楽しむソフトは、いろいろあるのですが、ここでピックアップするのは、日本初上陸となる、ドイツ・ドレスデンにあるonexipが開発するソフト、UltraMixerというもの。前述の通り、現在UltraMixer 6というバージョンとなっていますが、このタイミングでソースネクストが販売するものが日本語対応しているのです。
このUltraMixer 6の概要を紹介するビデオがあるのでご覧ください。これは英語のビデオではありますが、どんなソフトなのか雰囲気は捉えられると思います。
基本的な使い方はとってもシンプル。左右対称な形でプレイヤー1と2があるので、ここにWAVやAIFF、MP3、AAC(m4a)、WMAなどのオーディオファイルを読み込ませて、プレイボタンをクリックすれば再生するというもの。読み込むとファイルの波形が縦に線が入った形で表示されますが、これは自動的にビートを検出しているからで、BPMのところにはテンポが表示されます。また、画面下のほうにクロスフェーダーがあるので、2つのプレイヤー間でクロスフェードすることが可能となっています。
画面上部の左右に2つ並ぶプレイヤー
ちなみに、読み込みができるのはいわゆるオーディオファイルだけでなく、MP4、MOV、WMV、MPG、VOBさらにはFLVなどのビデオファイルもそのまま扱えるのも便利なところです。
このプレイする際、AUTO DJボタンをオンにすると自動でクロスフェードしてくれるので、スムーズな曲の切り替えができるようになります。さらにその時にSYNCボタンをオンにしておくとプレイヤー1とプレイヤー2のテンポを自動で合わせてくれるので、よりスムーズな切り替えが可能になるのです。あらかじめ、曲をかける順番に並べて置き、NEXTボタンを押せば、どんどん切り替っていくので楽しいですよ。
AUTO DJをオンにすることで誰でも簡単にDJプレイが可能になる
また各プレイヤーの下のほうにはイコライザーが搭載されており、High、Mid、Lowのパラメータを動かすことができるとともに、、さらにその下にはエフェクトがあって、フランジャー、カットオフ、レゾナンスの調整ができるから、かなりドラスティックに音の雰囲気を変化させられることが可能です。
一方、プレイヤー1とプレイヤー2の間にはオーディオサンプラー、スペシャルFXという機能が表示されています。このオーディオサンプラーは、ドラムマシンのようなもので、並んでいるパッドをクリックすることで、ドラムサウンドや効果音を鳴らすことができます。あらかじめ歓声や拍手などが入っていますが、自分の好きな音を割り振ることができ、DJプレイをしながら、ボタン操作で任意の音を鳴らせるので、プレイの幅も広がりそうです。
ドラムマシンもしくは効果音のポン出し機能としても使えるオーディオサンプラー
スペシャルFXのほうは逆再生したり、スピンプレイしたり、ブレークを入れたり、ビート・グリッドプレイができたりするので、これだけでDJ気分を高めていくことができそうです。
こうしたDJプレイは、画面下の赤いボタンを押すことで、すべての音を録音して記録することができるので、そのときのプレイを後でじっくり聴く……なんてこともできるわけです。
と、ここまではエントリー版のUltraMixer Homeですべてできるのですが、その上のBasic、さらにはProになると、もっとさまざまなことが可能になります。いくつかの機能をピックアップして紹介してみましょう。
UltraMixer Proでは4つのプレイヤーを同時に使うことができる
Homeの場合はプレイヤーは2つでしたが、BasicやProでは4つまで扱えるようになり、さらに複雑なプレイが可能になります。またiPhone/iPad用の無料アプリであるUltraMixer Remoteを利用することで、同じLAN内にあるiPhone/iPadからボタン操作でDJプレイが可能になります。
さらにProになると録音するだけでなく、そのままネット放送していく機能が搭載されていたり、読み込んだビデオファイルを音だけでなくビデオ再生していくことも可能になります。
UltraMixerでのプレイを直接ネットラジオへ配信できる
またビデオファイルでなくても、音に合わせて動く映像効果を演出することも可能で、40種類以上の視覚効果が搭載されているので、ここから好きなものを選んで動かしていくことが可能。そのほかスライドショーを流す機能、またあらかじめビデオクリップが用意されており、ボタンを押すだけで、これらのビデオクリップを流すといったことも可能。これらをいろいろと組み合わせることでVJシステムとして利用することもできるのです。
曲に合わせて映像が動く映像効果機能などもある
ただし、これらのビデオ機能を利用するにはPCにGPUを搭載していることが必須。具体的にはNVidia GT 650M以上またはATI HD 4800以上のグラフィックカードが推奨となっています。
UltraMixer Proは各種DJコントローラにも対応している
そのほか、Proの場合、各種DJコントローラーに対応しているというのも大きなポイント。Pionner、Numark、Dennon、Reloop、Behringer、Roland、Vestax……と新旧合わせて80種類以上のコントローラに対応しており、選択肢の中から選べばすぐに使うことができます。またもし、その選択肢の中になくても、必要に応じて自分でMIDIマッピングを利用して対応させることもできるようです。
Home | Basic | Pro | |
複数のサウンドカードに対応複数のサウンドカードに対応 | ○ | ○ | ○ |
波形プレーヤー波形プレーヤー | ○ | ○ | ○ |
波形ミックス波形ミックス | ○ | ○ | ○ |
4チャンネル サンプルプレーヤー | ○ | ○ | ○ |
ウィッシュリスト | ○ | ○ | ○ |
UltraMixer Remote App(iOSのみ) | ○ | ○ | ○ |
マスターボリューム/マスターゲイン | – | ○ | ○ |
4プレイヤーモード | – | ○ | ○ |
4プレイリストモード | – | ○ | ○ |
2プレイリストモード | – | ○ | ○ |
16チャンネル サンプルプレーヤー | – | ○ | ○ |
インテリジェントグループ | – | ○ | ○ |
追加のウィジェット(メモ帳、ユーザーのロゴを追加など) | – | – | ○ |
ビデオサンプラー | – | – | ○ |
webラジオ/配信webラジオ/配信 | – | – | ○ |
マルチチャンネル サウンドカードに対応 | – | – | ○ |
MIDI対応(外部コントローラー) | – | – | ○ |
31バンドマスターイコライザー | – | – | ○ |
ネットワークモード/マルチインスタンスモード | – | – | ○ |
ビデオとカラオケビデオの再生 | – | – | ○ |
スライドショーの作成 | – | – | ○ |
動画の上に画像/ロゴを表示 | – | – | ○ |
ライブ映像 | – | – | ○ |
webカメラに対応 | – | – | ○ |
自動ゲイン制御 | – | – | ○ |
なお、Home、Basic、Proの機能の違いは上記のとおり。現時点では、それぞれ単体発売となっていますが、ソースネクストによると、今後、優待キャンペーンなどを通じて、HomeからBasic、Proへのアップグレードなどもできるようにする予定とのことなので、まずはいまのキャンペーン期間中にHomeからスタートしてみてもよさそうです。
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UltraMixer製品情報
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◎ソースネクスト ⇒ UltraMixer Home
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