5月8日、Bluetoothでも有線でも使えるハイブリッドなヘッドホン、K361-BT-Y3とK371-BT-Y3の2機種が発表され、5月22日より発売されます。開発は、世界中のプロから絶大な支持を得ている音響機器ブランド、AKG。今回発売される2つのヘッドホンは、K361-Y3/K371-Y3のBluetooth搭載モデルとなっていて、Bluetooth接続に加え、従来のモニターヘッドホンのように着脱式のヘッドホンケーブルを使用することができるというのが大きな特徴。
移動中やリスニング用途ではBluetoothで便利に使い、作曲やミックスなどのモニター用途では有線で使う、といった幅広い使い方が可能で、Bluetooth使用時の連続再生時間はK361-BT-Y3が約24時間、K371-BT-Y3が約40時間。ハイブリッドで、ハイスペックなこのモニターヘッドホンを少し試してみたところ、かなりよかったので、紹介してみたいと思います。
AKGのハイブリッドなモニターヘッドホン、K361-BT-Y3(左)とK371-BT-Y3(右)
以前「名門AKGからDTMに最適なモニターヘッドホン2機種が誕生。コストパフォーマンスに優れたK361-Y3、K371-Y3を試してみた」という記事で紹介した、K361-Y3とK371-Y3。そのK361-Y3とK371-Y3にそっくりな見た目で、Bluetooth機能を搭載した後継モデル、K361-BT-Y3とK371-BT-Y3が誕生しました。基本的なスペックはそのままに、Bluetooth機能が追加された形で、より便利に幅広い用途で使用することができます。価格はオープンプライスとなっていますが、K361-BT-Y3の実売価格が16,000円(税抜)、K371-BT-Y3が21,000円(税抜)の見込みです。
見た目そっくりな2種類のBluetooth機能搭載ヘッドホンが発売
モニターヘッドホンに求められる要素として、色付けされた出音でなく原音に忠実か、低音域から高音域までフラットに出ているか、音の立ち上がりや減衰が判断しやすいか、ノイズをしっかりモニターできるか……などがあります。人それぞれヘッドホンの好みはあると思いますが、音楽制作においてはモニターヘッドホンの音を聴いて楽曲を判断することになるので特にこだわっていきたいところ。使いやすさや自分に合っているかも重要ですね。
一方、一般的なリスニングヘッドホンと呼ばれるものは、使用用途としてスマホをはじめとする携帯プレイヤーで音楽を聴いたり、ゲームや動画を観ることを主眼としています。そのため長時間聴いていても疲れなかったり、移動中に音楽を聴く際に手軽に使えたり……など、モニターヘッドホンとは違う要素が求められます。
このようにモニターとリスニングでは、求められるものが違うため、使用用途によってヘッドホンを使い分けていきたいところですが、中には「音楽制作でも普段使いでも使える、ヘッドホンがほしい」という方もいると思います。実際、モニターヘッドホンの解像度の高さを知ってしまうと、「変な音作りがされたリスニングヘッドホンは嫌だ」という人も少なくないでしょう。そんな方にK361-BT-Y3やK371-BT-Y3はピッタリなヘッドホンといえそうです。
ヘッドホンケーブルも繋げるBluetoothヘッドホン
音楽制作時には、付属のヘッドホンケーブルを繋ぎ、精度の高い音を聴くことが可能で、K371-BT-Y3の再生可能帯域は5Hz~40kHzとかなり広く、K361-BT-Y3も15Hz~28kHzと十分に再生してくれるので、音の細かい部分までモニタリングできます。ヘッドホンケーブルを繋いだ音を実際に聴いてみると、両機とも音楽制作に適しているといった印象で、低音域から高音域まで、判断しやすい出音だと思いました。
一方、普段使いの際にはBluetoothで接続して使い、移動中に手軽に音楽を聴いたり、パソコンで動画を観たり、ゲームをしたりと、ケーブルがないことでストレスなく使用可能です。Bluetooth接続時の音質は、若干違いがあるもののヘッドホンケーブルを繋いだときのキャラクターを引き継いでいるので、Bluetoothを繋いで気軽に聴きたいときでも、いい音で聴けると思います。
ちなみに、Bluetooth接続する際は、K361-BT-Y3またはK371-BT-Y3の左のハウジング部分にあるスイッチをONにして、LEDが点滅している状態で、デバイスのBluetooth設定から、K361-BTまたはK371-BTを選んでペアリングすればOK。一度Bluetoothの接続設定をしておけば、次からは自動的に接続されるようになります。
ハウジング部分に搭載されたスイッチでBluetoothのオン/オフを行う
Bluetooth接続時には、ハウジング部分のタッチセンサーが有効になり、ダブルタップで再生/停止を操作できたり、上下にスワイプで音量調整、左右にスワイプでスキップといった操作を行うことも可能です。また内蔵のマイクを搭載しているので、スマホやPCと接続しているときには、ハンズフリーの音声通話に対応しているのも大きなポイントです。
Bluetooth接続時の連続再生時間はK361-BT-Y3が約24時間、K371-BT-Y3が約40時間となっており、充電は付属のmicro USB Type-Bケーブルを使って行います。ケーブルにAKGと印字してあるのもカッコイイです。
付属のmicro USB Type-Bには、AKGと印字してある
充電ケーブル以外の付属品としては、K361-BT-Y3には3mストレートケーブル、1.2m ストレートケーブルの2本、キャリングポーチ、6.3mm標準プラグへの変換があります。K371-BT-Y3は、K361-BT-Y3の付属品にプラスして、3mカールコードが付いてきます。付属しているケーブルはいずれもプレイヤー側の端子が3.5mmステレオミニジャックとなっていますが、ヘッドホン側の端子はK361-BT-Y3とK371-BT-Y3で、違いがあります。
K361-BT-Y3のケーブル端子は2.5mmプラグなのに対し、K371-BT-Y3のケーブル端子は少し特殊な形状をしています。旧モデルのK371-Y3に搭載されていたMini-XLR端子ではなく、4ピンの端子となっているため、他のAKGヘッドホンなどでも採用されているMini-XLRケーブルは使えないので、注意が必要です。ですが、どちらも数本ケーブルが付いてくるので、簡単にリケーブルすることができて、断線時に交換が可能です。
K371-BT-Y3には4ピンのヘッドホンケーブルを使って接続する
旧モデルのK361-Y3、K371-Y3は、スタイリッシュな見た目で、カッコいいヘッドホンでしたが、K361-BT-Y3、K371-BT-Y3もそのデザインを引き継いでいます。違いはBluetoothのオン/オフスイッチくらいでしょうか。
K371-BT-Y3(左)とK371-Y3(右)の違いは、Bluetoothのオンオフスイッチ
K361-BT-Y3とK371-BT-Y3は、どちらも長さを調整するヒンジ部分をクルっと回転させると、折りたたむことができて、付属のキャリングポーチに入れれば、コンパクトに持ち運ぶことが可能です。
両機とも厳しい耐久テストを行い、優れた耐久性を確保しているそうなので、外に持ち出したりしても、ちょっとやそっとじゃ壊れない作りになっている上、ヒビノ独自の3年保証モデルとして発売されているので、安心して長く愛用できるハイブリッドなヘッドホンだと思います。
【関連情報】
K361-BT-Y3製品情報
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【取扱店】
K361-BT-Y3店頭展示
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