誰でも簡単にギターのメタルフレーズの打ち込みができるUJAMのVirtual Guitarist Carbon、サウンドの幅も広く超強力

「メタルっぽいギターフレーズを入力したいけど、カッコよくいかない」、「ギターは弾けないけど、いい感じのリフを自分の曲に入れたい」なんて思いを持っている方も少なくないと思います。そうした中、ドイツのUJAM(ユージャム)が先日リリースしたVirtual Guitarist Carbon(税込実売価格:15,500円前後)というソフトがかなり強力で便利な助っ人として使えます。

Virtual Guitarist Carbonは、WindowsおよびMacのVST、AAX、AudioUnitsで動作するプラグインのギター音源ですが、数多くの音色プリセットを持ち、多彩なエフェクトやサウンドキャラクターをエディットできると同時に、非常に多くのギターパターンを持ち、それをドラッグ&ドロップで各種DAWのMIDIトラックに置いて、ギターリフなどを簡単に作っていくということができるソフト。これまでもVirtual Guitaristシリーズとして、アコースティックギターに特化した「AMBER」やロックの「IRON」、ポップスの「SPARKLE」、ナイロン弦ギター版の「SILK」などがありましたが、今回発売された「Carbon」はメタルに特化したヘヴィサウンドとなっています。実際これがどんなソフトなのか紹介してみましょう。

誰でも簡単にカッコいいギターフレーズを入力できるVirtual Guitarist Carbon


UJAMはドイツ・ブレーメンにあるソフトウェアメーカーで、先日も「誰でも簡単にカッコいいドラムの打ち込みができるUJAMのVirtual Drummer 2、サウンドも自由に変えられて超強力」という記事で紹介したこともありました。Virtual Guitaristの新製品となる「Carbon」はこのシリーズの中でも、重低音のギターに特化していて、今回新しく開発されたエンジンを搭載しています。さっそくですが、UJAMの日本マーケティング担当のジャネム(@ujam_jp)さんがVirtual Guitarist Carbonの紹介ビデオを公開していたので、ご覧ください。

いかがですか? Virtual Guitarist Carbonは、まるで最大4人のギタリストで演奏したかのようなギターの太さを再現するLAYERERというパラメータやギターのリフやフレーズのプリセットを100個以上備えるとともに20個のエフェクトを搭載していて、8弦ギターの音域までカバーしているのですが、実際使ってみると、簡単にカッコいいフレーズを打ち込めて便利そうです。

では実際に試してみましょう。まずDAWを起動した上でVirtual Guitarist Carbonを組み込んだ、インストゥルメントトラックを作成し、真ん中にあるSTYLES PHRASESの鍵盤をクリック。さらに右側のPLAY RANGE内の鍵盤をクリックすると、もう、それだけでカッコいいフレーズを鳴らすことができます。もちろんMIDIキーボードからも入力は可能で、割り振られている鍵盤を押せばリアルタイムにフレーズを切り替えながら、音階を変えていくことができますよ。

リアルタイムにフレーズを変えながら演奏も可能

一方左側のCOMMON PHRASEでは、STYLES PHRASESよりもシンプルなフレーズが用意されていて、ここのフレーズはスタイルプリセットを変更しても共通となっています。また上部にあるInstrumentを選択すると、一般的なギター音源のようにフレーズでなく、単音やコードを自分で打ち込んでいくことも可能です。その際、音の長さを選んだり、レガートの感じやミュート奏法などを選んで鳴らしてくことができるようになっています。

フレーズではなく、単音やコードを打ち込める

ここで、サウンドプリセットの音色をメニューから選んでみると、そのギターサウンドは大きく変化します。破壊力のあるサウンドやエフェクティブなサウンドなど、多くのバリエーションがあるため、さまざまなシチュエーションで使えそうです。そして、スタイルプリセットを変更するとF#2~E3を選んだときのフレーズが変わっていきます。これがなかなかカッコいいフレーズで、かなりグッとくるんです。以下に実際にこれで作ったサウンドがあるので、ぜひ聴いてみてください。

さらに、STYLES PHRASESやCOMMON PHRASEの鍵盤の上部部分をDAWのインストゥルメントトラックへドラッグ&ドロップで持っていくだけで、MIDIパターンが入力されるのです。ここからさらに編集していくことも可能ですし、場合によってはユニゾンでこのMIDIパターンをシンセなど別のインストゥルメントで鳴らすのも面白いと思います。

Virtual Guitarist CarbonからMIDIトラックにドラッグ&ドロップすることで、ギターフレーズを入力できる

また、Micro Timingからスピードを変えたり、前ノリなのか後ノリなのか、スイングさせるのかなどの調節も可能なんです。ここで設定したパラメータは、ドラッグ&ドロップしたMIDIパターンにも影響するので、表現の幅がかなり広がると思います。

Micro Timingでは、ノリを調整することができる

Virtual Guitarist Carbonは音作りも分かりやすく簡単にできるのも重要なポイントです。CONDITIONで音のキャラクターを選び、SEVERITYでかかり具合を調節することで、ギターの歪み方を変えていくことができます。ここで大まかなサウンドを決め、FilterやFocusを使ってより楽曲に合う音を作ったりできます。

Lobotomized、Rabid、Insane、Disturbed、Paranoidという5音色が用意されている

MODEでは、さまざまエフェクトを選べるので、飛び道具的な使い方やより積極的な音作りが可能です。よさそうなエフェクトを選んで、FINISHERでかかり具合を調整するだけなので、簡単にエフェクトを掛けていくことができます。ここのエフェクトも使い勝手がよく、いい感じのエフェクトが揃っているので、カッコいいサウンドを作りこんでいくことができそうです。

エフェクトを使うことで、さらに幅広い音作りが可能

さらに、一番下にあるLAYERERの設定で最大4人で演奏したかのような音の厚さを再現できます。Mono、Stereo、Triple、Quadroの4つから選択でき、同じフレーズや音色であっても雰囲気を変えることができます。Distanceでは、音の距離を調節することが可能で、本来であればEQやコンプ、リバーブを駆使して表現する音の距離をパラメータ1つで操作できるのは便利なところです。またSpreadで音の広がり方を、Separationでギターごとの分離感を作ることが可能です。帯域をまとめたいのか、それとも広くしたいのかを調整することだってできるのです。こういう点を見てもシンプルながらも、必要な要素をしっかりとおさえているギター音源だといえますよね。

ギターの距離感やステレオ感、分離感を調整できる

なお、Virtual Guitarist Carbonは、体験版を入手すれば30日間は、全機能をそのまま使うことが可能となっています。また、製品を購入後、その体験版をアクティベートすれば、製品版として使えるようになっています。ハイクオリティなメタルフレーズを簡単に打ち込めるVirtual Guitarist Carbonの体験版をまずは試してみてはいかがですか?

 

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