DAWプラグイン機材擬人化プロジェクト第2弾、IK Multimedia AmpliTube 4ちゃんとiZotope Neutron 2ちゃんをM3でリリース!

DAWプラグイン機材擬人化プロジェクト」というのをご存知でしょうか?これはイラストレーターでありミュージシャンでもあるHOJI(@HOooooZY )さん、ギタリストであり作曲家の黒沢ダイスケ(@kuro_96chang)さん、そしてDTMステーションもちょっぴり絡む形で進めているプロジェクトで、昨年末のコミックマーケット94(冬コミ2018)で第1弾作品をリリースしたというものです。その名の通り、プラグインを擬人化してイラスト化する、という遊び心いっぱいの企画であり、同人誌としてイラストブックを制作すると同時に、そのプラグインを使って音作りをしたCDアルバムもセットでリリースするというプロジェクトです。

4月28日に開催されるM3=音系・メディアミックス同人即売会で、その第2弾作品「GIRLS WAVE GEAR 02」をリリースし、DTMステーションCreativeのブース(第一展示場 R-05a,b)および、黒沢ダイスケ x HOJIのブース(第一展示場 P-02a)で、頒布を行います。先日の記事「AI歌声合成をボーカルに起用した世界初のCDをリリース。歌声合成技術が人間を超える日は来るのか!?」でもお伝えした通り、新譜「Sing truly」もリリースするわけですが、このDAWプラグイン機材擬人化プロジェクトとはどんなプロジェクトなのか、紹介してみたいと思います。


「GIRLS WAVE GEAR 02」のキャラクタの一つ、iZotope Neutron 2を擬人化したNeutron 2ちゃん

DAWプラグイン機材擬人化プロジェクトの中心人物であるHOJIさんは、経歴7年のLogicユーザーであり、ギタリスト。そのDAWプラグイン機材擬人化のキッカケとなる最初のイラストを描いたのは2017年7月のこと。「もともとイラストも描いてたのですが、ふとKemperを擬人化してみたい……と思い、PixivやTwitterに載せてみたところ、思いのほか反響があり、面白くなったんですよ」とHOJIさん。


黒沢ダイスケさん(左)とHOJIさん(右)

その後、WAVES AUDIOL1 Ultramaximizerを擬人化したWAVES L1ちゃん、ToontrackSuperior Drummer 2.0EZ Drummer 2を擬人化したToontrack S2.0ちゃん & EZD2ちゃん、さらにはWAVESL3-16 Multimaximizerを擬人化したL316ちゃん……と次々とイラスト化しては発表していたので、目にしたことがある方も少なくないと思います。

「HOJIさんのイラスト、Twitterなどで見かけていて、面白いので、何か一緒にできないかな…、声を掛けてみようかな…、なんて思っていたんです。そうしたなか、たまたまG.O.D.=GUITARISTS ON DEMANDというギターのコンテストの打ち上げに行った際に、HOJIさんと会うことができ、話をしたところ、盛り上がって、ぜひ一緒にやろう、とういことになったんです」と話すのは黒沢さん。


「GIRLS WAVE GEAR 01」のキャラクタ、H-COMP

ご存知の方も多いと思いますが、黒沢さんは、元コナミ所属のゲームミュージック作曲家であり、GuitarFreaks & DrumMania、beatmania IIDX、Dance Dance Revolution、REFLEC BEAT……など数々の作品を手掛けてきた人物。そのHOJIさんと黒沢さんが組んで、コミケに出店して作品を発表できれば……とアイディアを募らせていったのです。

そのアイディアとは、HOJIさんによるプラグインを擬人化したイラストブックを出すのとともに、そのキャラソンとしてのCDアルバムを制作するというもの。「GIRLS WAVE GEAR」と名付けた上で、イラストブックのほうは擬人化イラスト集にすると同時にCDの歌詞も掲載した歌詞カードとしての位置づけにする。そして大きなポイントとなるのは、題材としたプラグインに関しての解説やお勧めの使い方も紹介するノウハウ集としていく……というものでした。


2018年の冬コミでリリースした「GIRLS WAVE GEAR 01」

せっかくなら、ほかにもDTM・音楽制作に関連するいろいろなイラストレーターに声を掛けてイラストブックを制作すると同時に、キャラソンのほうにもゲストアーティストを呼んで制作しよう……とどんどんと構想が広がっていったのです。

2人がそうしたアイディアを広げている中、昨年9月に黒沢さんから私にもお声がけいただき、冬コミでDTMステーションともコラボしていこう、なんて話になったのです。その第1弾において取り上げることになったプラグインが

WAVES AUDIO H-COMP
Positive Grid BIAS AMP 2
Toontrack EZdrummer 2

の3つでした。この第1弾「GIRLS WAVE GEAR 01」のCDの制作においては、各プラグインをテーマにした計3曲およびしびカラオケ3曲の計6トラックを収録。黒沢さんが全曲を作曲し、ミックスおよびマスタリングはHOJIさんが担当しているのも面白いところ。


「GIRLS WAVE GEAR 01」のイラストブックの中身

さらにDAWプラグイン機材擬人化プロジェクトとして、非常にユニークなのは、この3曲のSTEMデータもダウンロード可能となっており、たとえばH-COMPの曲「わたしのトランジェントルマン」の場合、

Bass.wav
Drums.wav
FX.wav
Guitars.wav
Loops.wav
Piano.wav
Synth.wav
Synth2.wav
Vocals.wav

とそれぞれ16bit/48kHzステレオというファイル形式で入手可能となっているんです。ちなみに、BIAS AMP 2をテーマにした「STAND BY YOU」の歌詞および、ボーカルを担当したのは、DTMステーションCreativeの第1弾アルバム「Sweet my Heart」のシンガーでもある小寺可南子@cana_ko_tera)さん。そんな緩やかなつながりの中、第1弾を展開していったのです。


「GIRLS WAVE GEAR 01」は冬コミ2018で、頒布を行った

実際、どうコラボするのがいいのか考えつつ動いてはいたのですが、われわれDTMステーションCreative側も、ちょうど小岩井ことりさんとのプロジェクトが佳境に入ってきたタイミングで、すでにお互いコミケへの参加申し込みをした後。合体ブースで……というわけにもいかず、軽く告知する程度で終わってしまった、というのが正直なところ。が、次こそは…ということで、第2弾の次のM3を迎えるというわけです。

その第2弾で取り上げるプラグインは、冒頭でも紹介したとおり、

iZotope Neutron 2
IK Multimedia AmpliTube 4

の2つ。すでに、その2つのキャラクタはHOJIさんが、TwitterやPixivで発表しているので、ご覧になった方も多いと思いますが、Neutron 2ちゃんは、発表後、すぐにiZotopeのTwitter(@iZotopeJapan)が過剰なほどに反応してくれて、大きな話題になりました。またiZotopeのTwitterの中の人に先日お会いした際に聞いてみたところ、アメリカ本国のiZotopeの社員のみなさんの間でも大好評で、社内でも大きく盛り上がったとのことでしたから、DAWプラグイン機材擬人化プロジェクトの海外展開というのも、夢ではなさそうですね。

一方のIK MultimediaのTwitter(@ikmultimedia_jp)も、Amplitube 4ちゃん発表後すぐに、取り上げてくれていたので、イタリアそしてヨーロッパへの展開も可能なのでは……と目論んでいるところです。もっとも、どうやって海外にイラストブックやCDを流通させるのかなど、具体的なことはまったくですけど、こんなプラグインを擬人化したキャラクタが海外でも知られる存在になったら面白いですよね。


「GIRLS WAVE GEAR 02」のキャラクター、Amplitube 4ちゃん

第1弾でのゲストイラストレーターとしては、以前DTMステーションの記事でもインタビューしたことのある、まつだひかり@niko9_niku9)さんのほか、カコベン@mudvana)さん、instant@ioArthus)さんが参加。ゲストボーカルのほうは小寺可南子さんのほか、森永真由美@MAYUMIMORINAGA)さん、CY8BERましろ@mashilo_)さんが参加していました。そして第2弾はゲストイラストレーターとしてinstantさん、うるりひ@Ulrich_46)さんが。またゲストボーカルとしてはななひら@nanahira)さん、SOUND HOLIC高橋菜々@NanaTakahashi7)さんが参加。シンセアレンジではモリモリあつし@ats024)さん、DJ Genki@genkianamei)さん、作詞ではmitsu@mitsu_akuma)さん、あさのまるおさんが参加するなど、とても豪華でバラエティー豊かな作品になっていました。

第1弾では、すべて黒沢さんの作曲でしたが、今回、Neutron 2ちゃんのキャラソンは、平賀優介@cellmishima)さんが担当する形に、また第2弾の作詞にも前回同様mitsuさんが参加するなど、面白い内容になりそうです。

あと1週間と迫ったM3。DTMステーションCreativeではAI歌声合成技術を用いたCD、「Sing truly」とともに、このDAWプラグイン機材擬人化プロジェクトの新作「GIRLS WAVE GEAR 02」も頒布していきますので、ぜひ遊びにきてください!

日時:2019年4月28日(日) 11:00~15:30
場所:東京流通センター
[第一展示場 R-05a,b](DTMステーションCreative)
[第一展示場 P-02a](黒沢ダイスケ x HOJI)
頒布作品:「GIRLS WAVE GEAR 02」(価格:1,500円)
※会場への入場には入場券代わりとなるカタログの購入が必要となります。
詳細はM3のサイトをご覧ください。カタログは3月31日より前売りも行われます。

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2件のコメント
  • 「ごはんの友」

    最近、なんとなく膨満感で
    食欲がすすまなかった「DTM」という「ごはん」だったのですが、

    「こんなのどお?食べてみる?」と、
    「旨そうなおかず」や「飽きさせないふりかけ」を
    藤本シェフがちょいちょい出してくださるので、
    また食欲が出てきました。↑W↑(新芽)

    新しい時代とムーブメントの「創造主」の皆様、
    今後とも、食欲がわく「ごはんの友」をドンドン生み出していただけますよう
    なにとぞよろしくお願いいたします!

    さあて、「M3」に行ったら腹いっぱい食うぞーっ!

    2019年4月22日 3:14 AM
    • 藤本 健

      「ごはんの友」さん

      ありがとうございます。
      そういっていただけるのは、とっても嬉しいところです。
      確かに、最近のDAWはもう発展の余地がなくなってきていて、バージョンアップにあまり魅了を感じなくなっていますし、
      機材も、安くて十分すぎる機能を備えているので、物欲が湧かないというのは確かだと思います。
      でも、よく見てみると、面白い機能、楽しい機能などが、いろいろ見つかるんです。
      そんな情報をこれからも提供できれば、と思ってます。

      2019年4月22日 8:19 AM

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