50,000種以上のフリーの効果音や音楽も標準搭載、映像制作者向けDAW、Audio Design Deskが30%オフで国内発売開始

DAW=Digital Audio Workstationといえば、Cubase、Studio One、Ableton Live、Logic、FL Studio、Pro Tools……といったものを思い浮かべると思いますが、そうしたDAWとはちょっと毛色の異なる映像制作者のためのDAWがアメリカ・ハリウッドにあるメーカーから2020年に誕生し、2022年7月より国内でも正式発売されました。Audio Design Deskという現時点Mac専用のソフトで、映像に効果音を付けていく作業を、おそらく従来の10倍以上にスピードアップできるという画期的であり、ユニークな編集ソフトです。

Audio Design Desk Pro(市場予想価格87,780円)、Audio Design Desk Personal(市場予想価格43,780円)となっていますが、7月25日までのスタートアップキャンペーンではそれぞれ61,380円、30,580円と約30%オフとなっています。さらに学生や教員向けのエデュケーショナル版であれば、それぞれ30,580円、15,180円と格安で入手可能となっています。その映像制作者向けDAW、Audio Design Desk(以下ADD)とはどんなソフトなのか実際に試してみたので、紹介してみたいと思います。

国内でも発売になった映像制作者用DAW、Audio Design Desk

いきなり映像制作者向けDAWと言われても、おそらく多くの人がピンと来ないと思いますので、まずは、メーカーが作った以下の3分ほどのビデオをぜひご覧になってみてください。

※上記ビデオでキーボードをタイプしてビデオに効果音を付ける作業の様子は2:35頃から確認できます

英語のビデオではありますが、だいたいお分かりいただけでしょうか?英語での解説内容が気になる方は、YouTubeアイコンをクリックして拡大画面にした上で設定から英語字幕をオンにした上で、自動翻訳を日本語に設定することで、日本語字幕付きで見ることができますよ。

Audio Design Deskは現在のところMac専用。Appleシリコンにもネイティブ対応している

ここでは、剣を使って二人が戦うアニメーションに効果音を設定しているわけですが、ものすごい効率、スピードで完成しているのが分かると思います。そう、剣と剣がぶつかる「チャキーン」という音、剣を振り回す「ブォン」という音、人が気合を入れて発する「ウォー」といった声……を1、2、3とキーボードに割り振った上で、動画を流しながら音ゲーのようにキーボードを打っていくだけで、効果音入りビデオが完成してしまうのです。

剣と剣がぶつかり合う音、剣を振り回す音などを予めライブラリからピックアップしておくのが効率的

ユニークなのは、同じ「チャキーン」という剣がぶつかる音でも、バリエーションの異なる音がいっぱい用意されており、それを複数選んでおくと、キーを押すたびに、ランダムで選びだされるので、非常に自然な感じに仕上がるのです。また、後で聴き直して違和感があれば、⌘+Rキーで別の音に差し替えてくれるので、ものすごく効率よく作業できるのです。

動画再生しながら、QWERTYキーを押していくだけで効果音が挿入される

もちろん、従来のビデオ編集ソフトでも、音素材があれば、それをタイムライン上に貼り付けていくことで、効果音を付けていくことは可能です。でも、タイムラインを拡大し、「ここだ!」と思うところに、波形をドラッグ&ドロップし、音のアタック部分を微調整していく……という作業が必要で、それなりの時間がかかります。が、ADDなら、まさに音ゲー感覚で超高効率で作業を進められるのです。

挿入された効果音はトラックとして展開されている

効果音によってアタック時間に差があり単純に頭で揃えると動画とズレてしまいますが、ADDは自動的にしっかりピークでタイミングを合わせるようになっているので、違和感なく貼り付けていくことができます。⌘+Rで差し替えても、タイミングがズレたりしないんですよね。

その効果音はProでもPersonalでも同じ50,000以上のライブラリが付属しており、Pro購入者には週替わりでどんどんと無料で追加されるようになっています。プログラムのインストーラーは810MB程度の大きさで、本体プログラムもその程度の大きさですが、ここに自分の必要とするライブラリを選択してインストールしていく形になっているのです。

膨大なサウンドライブラリの中から必要なものをダウンロードしてインストールする

Ambience、Foley、Footsteps、Music、Sound Effects、Vocalizations……とカテゴリーごとに、いろいろなライブラリが入っているとともに、非圧縮のWAVフォーマット、AAC圧縮のM4Aフォーマットを選択することができるので、用途に応じて使い分けることも可能です。なお、ProとPersonalの機能・仕様の違いは、こちらの比較表で確認できます。

またADD Proのほうは、これを放送に使う業務用でも無料で使うことができる一方、Personalでは放送用には使えないという権利上の制限がありますが、機能的にはどちらもほぼ同じ。国内発売元のタックシステムに確認したところ、「YouTubeで動画配信するといったものであれば、Personalでも問題ない」とのことだったので、ほとんどの人はPersonalで十分なように思います。

手持ちのサウンドライブラリを登録し、自分でタグ付けなどして管理することも可能

もちろんADDバンドルのライブラリに限らず、手持ちのサウンドライブラリがあれば、それらを登録して使うことも可能。この際、読み込ませると自動で音を分析してある程度のタグ情報も付けてくれるようになっているのもうれしいところ。必要に応じて自分でタグ付けするとあとで検索しやすくなります。

このソフト自体は動画編集ソフトではないので、動画はあくまでも読み込んでタイムラインに置くだけ。その動画ファイルはMPEG4、MOV、AVI……たいていのものは何でも読み込めますが、ユニークなのはURLを指定すれば、YouTubeやVIMEOなどの動画も取り込めてしまう…という点。これ、著作権的にはちょっと危険な気もしますが、その辺はぜひ注意して使ってくださいね。

URLを指定すれば、YouTubeから動画をインポートすることもできる

こうして読み込んだ動画に効果音を効率よく加えていくわけですが、あらかじめバンバンぶつかるようなヒット音はH、盛り上がっていく音はRなどのキーが割り当てられているので、これらだけでもかなり使えるし、これも前述の⌘+Rで差し替えが一発でできます。

接続したMIDIキーボードを入力デバイスとして使うことも可能

さらに、QWERTYキーボードを使うだけでなく、MIDIキーボードの鍵盤を割り振れるのも面白いところ。MIDIキーボードを接続して、それに対応するようにチェックを入れておけばOK。あとは、Learnボタンを押して、どのサウンドトリガーをどのMIDIノートに割り振るかを設定するだけで簡単に使えるようになります。

MIDIキーボードのノートを自在に割り振っていくことが可能

このように新たな効果音を加えるごとにトラックが増えていき、必要に応じて後で音のバランスを調整したり、エフェクトを加えたり、必要に応じてタイムストレッチなどをかけることも可能となっています。

必要に応じてエフェクトをかけたり、フェードをかけるなどのエディットも可能

一方で、動画編集と連携させたいという場合は、Final Cut Proと同期させて編集していくことも可能です。この場合、ADDに標準搭載されているADD Audio Bridge Extensionという機能拡張を使うことで、連携できるようになっており、以下のビデオにその詳細が紹介されているので、参考にしてみてください。

さらに、Cubase、Studio One、Pro Tools、Logic…といったDAWで音楽を作りこんでいる人の場合、その音楽制作プロジェクトと、ADDを同期させることも可能です。この場合はMTCを利用するのですが、実際にStudio Oneを使って同期させてみたところ、いたって簡単でした。

MTC、MMCをバーチャルMIDIポートに割り振ることで各種DAWとの同期が可能。画面はStudio One 5

ADDのバーチャルMIDIポートがADD側からもStudio One側からも見えるので、それを使ってMTC信号をやり取りするだけ。これにより、タイムライン上の時間がドンピシャに同期するので、綿密に作りこんでいくことが可能です。

ADDとStudio Oneを同期。タイムがピッタリ一緒になっていることが画面からも確認できる

このようにして作ったプロジェクトを最終的に動画として書き出すことでビデオ作品が完成します。必要に応じて、音だけを書き出して動画編集ソフトに取り込んだり、既存のDAWに読み込んでドッキングさせるなど、使い方はいろいろできそうです。

動画に効率よく効果音を付けていきたいという人にとって、飛躍的に効率を上げるツールであることは間違いなさそうです。

【関連情報】
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