超リアル、高音質に録れる音楽専用ビデオカメラ、ZOOM Q2nが楽しい!

先日、ZOOMから「ミュージシャンのための高音質カメラ」と銘打ったハンディー・ビデオカメラ、Q2nという製品が実売価格20,000円(税込)で発売されました。これまでもQ4Q4nなど、高品位なマイクを搭載したビデオカメラをいくつも発売してきたZOOMではありますが、今回のQ2nはとっても小さく、広角レンズを搭載した、これまでのとはちょっと違った製品。

私は楽器フェアで展示されていたのを見て初めて知ったのですが、先日このQ2nを入手して、試してみたところ、なかなか高音質で録画できて楽しいんですよね。実際に演奏しているのを録るとどうなるのか、撮影したビデオも公開しつつ紹介してみましょう。

高性能なマイク、広角レンズを持った小さなビデオカメラ、ZOOM Q2n

Q2nは、まさに手のひらに乗る小さなビデオカメラ。ちょっと不思議な形をしていますが、中央に広角レンズのカメラがあり、頭にはX-Y型の高感度なステレオマイクが搭載されています。


1.77インチの液晶ディスプレイを搭載しており、ここで映像や設定などを確認できる 

一方、リアには1.77インチのフルカラーディスプレイとスイッチ類が搭載されており、ここで録画、再生、各種設定などの操作を行う形になっています。1.77インチといってもピンと来ないと思いますが、横幅を計ってみると約3.5cm。画像チェックするには結構十分な大きさだと思います。


ボトムの蓋を開け、ここにバッテリーとmicroSDカードをセット 

録画ボタンを押せば、即、録画がスタートし、MOVファイルの形でmicroSDカードへと記録されていきます。このmicroSDカードは、ボトムの蓋を開けると、中に単3電池が2本入るようになっており、その中央の挿入口からセットするというものです。すごくコンパクトな設計ですよね。

まあ、細かな説明は後に回し、まずはこのQ2nで録画してみた以下の映像をご覧になってみてください。

どうですか?すごくリアルに録音できているのが分かりますよね。YouTubeの映像なので、録画したMOVファイルと比較して、かなり音質は落ちてしまっていますが、十分そのニュアンスは分かると思います。


先日のDTMステーションPlus!で小南千明さん、小谷哲典さんに出演いただいた

ここで歌っているのはDAW女・シンガーソングライターの小南千明さんで、ギターを弾いているのは作曲家の小谷哲典さん。そう、11月末に終わってしまったTokyo Tech Street・クレオフーガRadioでパーソナリティーをしていたお二人。私も月に1度この番組に出させていただいていたのですが、その縁で12月6日のDTMステーションPlus!に出演していただきました。


DTMステーションPlus!の放送スタート前のリハーサル風景を録画させてもらいました 

その番組本番前にスタジオでのリハーサル風景を録らせてもらったのがこれなのです。聴いてもお分かりいただける通り、PAを一切通さず、生のボーカルと生のアコギのサウンドをそのままQ2nの内蔵マイクで録っています。


オプションのマイククリップ・アダプタ、MA2を取り付けて持ち歩きながらの録画 

その録音の設定は16bit/44.1kHz、24bit/48kHz、24bit/96kHzから選択できるようになっていますが、YouTubeへのアップロードを考えると24bit/96kHzはちょっとオーバースペックかなと思い、24bit/48kHzを設定してみました。

Q2nを持って、小南さん、小谷さんの間をちょっと移動したりしていたのですが、ヘッドホンなどで聴くと、カメラがどこにいるか実感できるし、小南さんの歌う顔の向きまで凄くリアルに感じられますよね。


緑のヘッドホン端子からモニターできる。赤は外部オーディオ入力端子 

ちなみに、この録画する際、映像は液晶ディスプレイで見ることができる一方、レコーディング中の音はサイドにあるヘッドホン端子からモニターすることも可能となっています。また、その入力音量レベルは反対側の入力ゲインつまみで調整できるので、事前に少し練習してもらっている間に調整をしてみました。もちろんオートレベルに設定して、入力レベルはQ2nのシステムにお任せといった設定も可能ですが、演奏を録るなら、やはり手動がお勧めですよ。


反対サイドにあるインプットボリュームで入力ゲインを調整する 

他社でもコンパクトなデジタル・ビデオカメラはいろいろありますが、ここまで高性能なマイク、レコーディング機能を搭載したものはないですよね。ZOOMの製品だけに、どちらかというとカメラよりも録音機能のほうが主役であるだけに、カメラをオフにして、リニアPCMレコーダーとして音だけを録音するという機能も搭載されています。この場合は、WAVファイルとして記録される形になります。


設定によっては映像を撮らないリニアPCMレコーダーにもなる 

ビデオに関しては「1080p/30fps」、「1080p/24fps」、「720p/30fps」、「720p/24fps」から設定できるようになっています。また必要に応じてローカットといった機能をオンにすることもでき、その設定も80Hz、120Hz、160Hzからの選択が可能になっていますが、ここではもちろんローカットは行っていません。


各種設定メニューも用意されている

ここでもうひとつ試してみたくなったのは、生のボーカル、生のギターではなく、PAを通したらどうなるかという実験。Q2nにはライン録りの機能もあるので、ミキサーからその信号をもらうというのも手ではあったのですが、せっかくスタジオでのリハーサルであり、モニターからも音を返せるようになっているので、スタジオ内のスピーカーから出ている音をそのままQ2nのマイクで録ってみました。

どうですか?これはこれで、またいい感じですよね。聴いてみれば分かるとおり、こちらはPA側でボーカル、ギターに少しリバーブをかけており、その音を拾っているわけです。先ほどの生音とは雰囲気もだいぶ違いますが、左右のモニタースピーカーの間を動いているので、その位置関係などが聴いていると分かると思います。当然のことながら、生で録ったときとは音量が大きく違うので、インプットボリュームをグッと絞っていますが、音質的にはまったく問題なさそうですね。

ところで、このビデオの色を見て、「さっきとちょっと違う」と思った方もいると思います。Q2nにはSCENEボタンというのがあり、先ほどはAUTOの設定で録っていたですが、ほかにもOutdoor、Sunset、Night、Concert Light、Concert Lo-Lit、Concert Hall、Jazz Club、Dance Club、Rehearsal Studio、Garageという設定が用意されているんです。それぞれで色合いが少しずつ違ってくるのですが、レコーディングスタジオでの録画なので、なんとなく「Rehearsal Studio」を選んでみた結果、こういう色になったんですね。


録画した内容は液晶ディスプレイとヘッドホン出力で即確認できる。ヘッドホンなしでもスピーカーでの確認も可能
録画した直後に、小南さん、小谷さんに確認してもらったところ、あまりにもリアルに録れていることにビックリした様子。二人とも「スタジオでの録画用に欲しい!」と叫んでいました(笑)。

なお、まだ試していないのですが、ZOOM Q2nはPCとのUSB接続はもちろん、Lightning-USBカメラアダプタを経由させることでiPhoneやiPadとの接続も可能で、これを使ったネット放送などもできるようです。この辺もまたいずれレポートできれば、と思っているところです。

【製品情報】
ZOOM Q2n製品情報
【価格チェック】
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