「DTMステーション」はブログ形式でDTMに関する情報提供をスタートして6年半、また作曲家の多田彰文さんとともにニコニコ生放送、AbemaTV Fresh!を使ったネット放送の形で「DTMステーションPlus!」を始めて3年半が経過しましたが、ここにきて、また新たなサービス「DTMステーションEngineering」というものをスタートさせます。
今回はレコーディングエンジニア、マスタリングエンジニア、またプロデューサとしても活躍されている飛澤正人さんとともに、DTMで音楽制作をしているみなさんに向けて、ミキシング・サービスを行ったり、ミックスやマスタリングなどについてのセミナーを定期的に開催していく、というもの。このDTMステーションEngineeringが、どんな内容なのか、説明していこうと思います。
エンジニアの飛澤正人さんとDTMステーションのコラボ企画、DTMステーションEngineeringをスタートします
Cubase、StudioOne、SONAR、Logic、Abulity/SSW、Pro Tools…など各種DAWを使って音楽制作をしている方は多いと思います。
人によって、また音楽スタイルによって、マイクで録る音を重ねて制作するケース、完全な打ち込み&ソフトウエア音源で制作するケース、VOCALOIDなどを利用するケース、ループ素材を組み合わせながら制作するケース、そしてもちろん、それらを組み合わせるケースなど、さまざまな制作手法を使っていると思います。
それがオリジナル曲であっても、カバー曲、また二次制作のような場合でも、レコーディングやMIDIの打ち込みから、ミキシング・マスタリングまで満足のいく形で完成できれば、それがベストであることは間違いありません。
でも、完成した曲を聴いてみると「なんか思った通りの音にならない」、「ボーカルがクッキリ聴こえない」、「ギターの音が埋もれてしまう」、「ベースが強すぎるのか、全体がボヤけてしまう」、「リズムがビシッと決まらない」なんて不満を抱えているケースも少なくないのではないでしょうか?
そんな悩みを各種メディアてもお馴染みのプロのエンジニアである飛澤正人さんに解決してもらおう、というのが、今回スタートするDTMステーションEngineeringなのです。飛澤さんはDragon Ashや鬼束ちひろ、BAROQUE、SCANDALなどを手掛けるエンジニア。
すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、DTMステーションでは過去に「プロのエンジニアがこっそり教える魔法のEQテクニック」、「プロが明かす、低域を安定させ、作品のバランスを整える魔法のテクニック」といった記事で飛澤さんのテクニックを紹介したことがありました。またニコニコ生放送のDTMステーションPlus!においても飛澤さんをゲストにお迎えして、レコーディングや、EQやエフェクトの活用法、ミックスの仕方などをレクチャーしてもらったことごあり、いずれの場合も大好評となっていました。
そんなやり取りをしている中、「DTMステーション×飛澤正人の形で何かできたら面白いよね!」と構想を重ねていって生まれたのが、このサービスというわけなのです。
もっとも、このサービスは突然生まれたというわけではなく、すでに飛澤さんが個人的に行っていたものを、よりしっかりしたサービスとしてリスタートさせるというもの。
まずは、プロのエンジニアが一般DTMユーザーによるサウンドをプラッシュアップするとどう変わるものなのか、実例を聴いてみてください。
NAOKI
『どうかしてるぜ』
どうですか?同じ曲であり、同じレコーディング素材を使っているのに、まったく違う作品のように大きく印象の異なるものに変化していることが分かりますよね。
飛澤さんによると、「この楽曲はご本人の了解を得て、バーチャルドラムトラックを大胆に差し替えています。いただいたMIDIデータを基に、ベロシティを巧みに操って手弾きのベースやギターとの絡みを追求しました」とのこと。また、別の例についても聴いてみてください。
のあち『あなたがいてわたしがいて』
こちらは「元々バーチャルドラムで作っていたリズムトラックをブレイクビーツに差し替えてビートの根幹から作り直しています。弱かった土台のグルーブをしっかり作り変えることで心地よさを生み出し、楽曲を生まれ変わらせることができました」とのことですよ。
のあちさん
ミックスし直すといっても、単純に音量を変えたり、エフェクトを変えるだけではなく、トラックそのものを作り直してしまうといったワザも駆使することでここまで生まれ変わらせることができるんですね。普通に考えて、一般のDTMユーザーの作品をプロのレコーディングエンジニアが仕上げる、なんてことは普通ありえないと思うし、そんな機会はなかったと思いますか、それを実現させてみよう、というのが、DTMステーションEngineeringなのです。
もちろんプロのエンジニアである飛澤さんが時間をかけて作業を、行うという性格上、DTMステーションEngineeringは有料のサービスとなります。基本料金は70,000円(税別)で、トラック差し替え1つにつき5,000円(税別)の加算。またボーカルのピッチ修正というものも可能でこちらはメイントラックは10,000円(税別)、コーラストラックは5,000円(税別)という設定です。これらを組み合わせることで、トータル10万円前後を想定しています。
「そうはいっても、どんなサウンドにしたいのか要望を伝えたい」と思うでしょうし、「どのトラックを差し替えるのが効果的なのかが分からない」ケースも多いですよね。ご安心ください。まずは、データを受け渡しと同時に、そうした要望もいただくとともに、現状のミックスを聴かせていただいた上で、どのトラックを差し替えるかなどを含めたお見積りを出します。それで納得いただけたら、作業に入っていきます。
DTMステーションEngineeringのミックスは、すべて飛澤さんがご自身のスタジオで行っていきます
さらに大きなポイントは、完成後にはデータをお渡しするだけでなく、飛澤さんと都内にある飛澤さんのスタジオにて1時間程度の面談をして(遠方や時間がなくてお会いできない場合はでSkypeなどでやりとりも可能)、何をどのように処理したのかを飛澤さん自身からお伝えしていきます。つまり10万円前後というのは、こうした面談も含めた料金なので、これまでの常識からすれば、格安の金額だろうと自負しているところです。
「あれ、それでは飛澤さんがすべてやっていて、藤本は何もしてないのでは?」と思う方もいらっしゃいますよね。はい、その通り、私自身は、事務局として受付および会計係をするだけで、直接何をするわけではありせん。単にDTMユーザーのみなさんと、プロのエンジニアの橋渡しをするだけです。
でも、このことが新しい音楽制作における起爆剤になるのでは、と期待しているのとともに、ここで生まれる飛澤さんのマジックのような技を、DTMステーションの記事やDTMステーションPlus!の放送として紹介していければ、と考えているところです。
また、このDTMステーションEngineeringのもう一つのメニューとして、飛澤さんによるミックステクニックに関するセミナーを定期的に開催していくことも計画しています。詳細については、随時お知らせしていく予定ですが、DTM初心者向けの講座から、プロ向けの講座まで、いくつかのレベル、テーマで開催していきますので、ぜひ楽しみにしていてください。
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飛澤正人のMixing Room