1月8日から米ラスベガスで開催された家電製品のトレードショー、2013 International CES。ここでIK MultimediaがiOS関連製品を一挙10製品も発表してきました。iRig、iLoud、iKlip、iLineと大きく4系統となりますが、その目玉はなんといってもLightning対応(と思われる)、iRig HDです。
先日、iOSデバイス用37鍵キーボードiRig KEYSを出して大ヒットになっているところですが、IK Multimediaの勢いは止まらないようです。まだ第一報が入ってきたところで、詳細まで分かっていないのですが、どんな製品なのか、ざっくりと見ていきましょう。
ご存じのとおり、iRigはiPhoneやiPadにギター、ベースを接続して入力できるようにするインターフェイス。これまではアナログ接続だったので、Line 6のMobileInなどに音質面で引けをとっていたのは事実。そうした中、ついにデジタル対応させたiRig HDというものを出してきたのです。
詳細スペックが分からないのですが、iPhone、iPod touch、iPadさらにはMacでも利用できるとのこと。そして24bitのA/Dを備えているので、高音質な入力が可能とのことです。
写真を見る限り、Lightningコネクタに直接接続できるようです。またとくに対応機種について細かな指定がないので、付属ケーブルがいくつかあって、Lightningにも30pinDOCKにも接続可能となっているように思えます。また、Macでも使えるとあるので、USB接続のケーブルも用意されているということなのでしょうか…。
【追記】
IK Multimediaのインターナショナルページに、Lightning、30pinDOCK、USBの3本のケーブルが付属するという情報が掲載されていました。予想通りだったようです。
AmpliTubeシリーズはもちろん、GarageBandなどのCoreAudio対応アプリも利用可能とのこと。またバスパワーで動作するので、電池などは不要と書かれています。なお、これは入力専用のデバイスのようで、出力はヘッドホン端子から行うようです。その意味では、形状はともかくとして、Line6のMobileInに近い製品といえそうです。国内価格はまだアナウンスされていませんが、アメリカでの予価は$99.99とのことですから、1万円程度になるのではないでしょうか?
もう一つのiRig製品はiRig BlueBoardというiOSデバイス向けのワイヤレスMIDIペダル・ボード。このことだけで、なんとなく想像が付くと思いますが、iRig BlueBoardを使うことで、エフェクターの切り替えを4つのバックライト付きフットスイッチで行えるようになります。さらにペダル端子を2つ装備しており、ここにフットペダルを接続すればワウペダル、ボリュームペダルとして利用することが可能になっているようです。
ちなみにこのスイッチ操作でコントロール可能なのは、AmpliTubeだけに限られません。VocaLive、SapleTank、iGrandPianoなどIK Multimediaの各種アプリが利用できるほか、GrageBandなどCoreMIDI対応アプリのプリセット切り替えやパラメータコントロール用に利用することが可能です。このiRig BlueBoardもiRig HDと同じく$99.99となっています。
続いての新製品はiLoud。これはステレオモニタースピーカーで、40W RMSのiLoudと12W RMSのiLoud MINIの2種類があり、ともに充電池で動作する比較的コンパクトな機材となっています。小さいほうのiLoud MINIはステレオミニ端子での接続、またはBluetoothでの接続を可能のするスピーカーで、内蔵充電池で動作します。
大きい、40W RMSのiLoudは、iLoud MINIの機能に加え、iRig機能も装備しているのが大きな特徴。これによって、単なるスピーカーというだけではなく、ギター入力が可能で、AmpliTubeなどを経由させて音を出せば立派なギターアンプに変身するという機材なんですね。またiLoudには高品位なクラスDデジタルアンプが搭載されているとのこと。価格はiLoud MINIが$199.99、iLoudが$299.99です。
そのほかは、アクセサリ系となってくるのですが、iPadをデスクトップ上やマイクスタンドなどに固定するためのiKlipシリーズ3製品。iKip2はマイクスタンドに固定するもので、iKlip for iPadとiKlip2 for iPad miniの2種類が存在しています。
またiKlip Standは机の上で見やすい位置にiPadを設置できるテーブルトップ・ホルダー。キーボード、ミキサーなどの背後に置いた時に使いやすい高さと角度調整機構を採用しているとのことで、やはりiPad(iPad2以降に対応)版とiPad mini版があります。
そしてiKlip Studio for iPad miniはiPad mini用のデスクトップ・スタンド。素材には、軽くて、頑丈なサーモプラスティックを採用し、底部のパッドがデスクトップでの滑りを防止。角度調整もスロットを選ぶだけ行えるとのこと。iPad miniだけでなくNexus7など7インチタブレットでも使えるようです。
さらに、iLineというモバイル・ケーブル・キットも今回発表されています。計6種類のケーブルがセットとなっており、それぞれ
1.モノラル標準ジャック・アダプター
2.ステレオ出力+モノラル入力延長ケーブル
3.ステレオ・ミニ・ケーブル
4.ステレオ・ミニ2系統スプリッター
5.RCAステレオ分岐ケーブル
6.LRモノ標準ジャック・スプリッター
となっていているとのことです。
以上が、入手できた情報なのですが、そのほかにもAndroid用の製品も発表されているようです。具体的に登場したのは、iRig Recorder for Androidというアプリで、これの登場に伴い既存製品であるiRig MIC、iRig MIC Cast、iRig PRE、iRig MIXおよびiKlip STUDIOがAndroidでも使えることをアナウンスしています。ただし、アプリは単なるレコーダーだし、対応機材にiRigやiRig STOMPなどがないことを考えると、Androidでのリアルタイム性は、まだ難しいということなのかもしれませんね。
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