いま日本で一番勢いがあるシンセメーカーって、きっとDETUNEじゃないですかね?つい先日もマニアックなFM音源、iYM2151をリリースしたばかりのDETUNEが、また新たなiPhone/iPad用のシンセサイザ、I am Samplerをリリースしてくれました。
そう、この名前からも、すぐに想像の付くとおり、先日紹介したI am Synthの兄弟アプリであり、価格もやっぱり85円。子供でも楽しく遊べ、サンプラーとは何かが学べるという初心者向けの音源。開発メンバーもI am Synthと同様、DETUNEの社長、佐野電磁こと佐野信義さんと、プロキオン・スタジオのプログラマ、鈴木秀典さんのコンビです。
先日の「電磁マシマシ」の放送終了後、実はこのI am Samplerを、こっそり見せてもらっていたんですよ。ちょうど、そのとき完成したばかりで、App Storeに登録申請をしたばかりの段階。いつリリースされるかはApple側次第とのことだったのですが、本日6月19日に発売となったようです。
いまやサンプラーはごく当たり前の音源であり、電子楽器の大半はサンプラーという状況です。ただ、そのサンプリングデータはプロが作りこんだもので、ユーザーは音色を選べばピアノやギター、トランペットになったり……まさにホンモノそっくりの音が出てきます。そして、それが当然のように使っていると思います。
でも、サンプラーをご存知の方であれば、お分かりのとおり、もともとは生音をレコーディング=サンプリングしたものであり、それを上手に録っているからこそ、あんなホンモノそっくりの音が出るわけですよね。このI am Samplerはそのサンプリングから自分で行え、しっかりシンセサイザとしても機能するというもので、オモチャ感覚で触れば、サンプラーの基本が学べてしまうというアプリなのです。
基本的な考え方、使い方はI am Synthと同様ですが、まずサンプラーとはどういうものなのか、I am Samplerのベースがどこにあるのかは以下のビデオを見ると分かるでしょう。
これを見ると分かるとおり、左上のボタンをタップすると、最大10秒までのサンプリングが行えます。ビデオのようにまずは自分の声をサンプリングするのが分かりやすいですね。そして鍵盤を押すと、サンプリングした音が、鍵盤の音程にしたがって演奏されるわけです。また鍵盤を押し続けるとループする仕掛けになっています。
また面白いのは本体を振るとやはり鍵盤が消えるのですが右半分が普通の再生、左半分が逆再生となっていて、位置によってピッチが変化するのも楽しいところです。
また、I am Synthと同じように音色を変えたり、音をいろいろと変化させる機能も持っています。I am Synthではフィルターでしたが、I am Samplerではローファイエフェクトとなっていて、サンプリングビット数を落とすことができるんですよね。
右上はピッチ用のLFOとなっており、サイン波、ノコギリ波、矩形波、ノイズを選んだ上で、LFOのスピードや変化する深さなどを変えることができます。
さらに、エンベロープのアタックとリリースを調整できるほか、I am Synth同様、ルーパーとしても利用可能なディレイ機能も搭載されています。これらも、DETUNEが作ったデモビデオを見ると、サンプラーなんてまったく知らない人でもニュアンスは分かるでしょう。
こうやって言葉で説明すると、なんとなく難しいもののような気もしますが、触ってみれば本当に直感的に分かるので、子供に触らせればきっと5分でマスターしてくれるはず。しかもたった85円ですからね。ちょっとしたお遊び、オモチャとして買っても損はないと思いますよ。
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