ループシーケンサの元祖である独MAGIXのDAW、ACID。その最新バージョンであるACID Pro 11およびACID Pro 11 Suiteが登場したのは2年半前であり、DTMステーションでも詳しく紹介したことがありました。そのACID Pro 11は従来の機能性能を引き継ぎつつ、MAGIXのMusic Makerとの親和性を高める一方、マスタリングプロセッサであるBRAINWORX bx_masterdeskや強力なプレイバックサンプラーであるIndependence Pro Sound Library、さらには非常に使いやすいマルチバンドEQであるmodernEQなどを搭載したものとなっています。
さらに、その上位版のACID Pro 11 Suiteは、これらに加えFORCUSRITEのコンソールを再現するプラグインやOberhheimのSEMを再現するソフトウェアシンセ、ボーカルピッチ修正プラグインなどさまざまなプラグインを追加したもの。そのACID Pro 11 Suiteはプラグイン類だけで約40万円のがバンドルされているという、超豪華な内容にもなっています。そのACIDが現在DTMステーションユーザー向けにトンでもない価格でのセールを2025年2月24日~3月4日の期間に行っています。もともと国内価格がそれぞれ48,279円、24,079円(ともに税込み)と手ごろではあったのですが、それが今回さらに14,780円、4,780円という価格になっているのです。ここまで安いと、プラグインだけのためとして考えても、買わないほうが損というレベル。改めてどんなソフトで、どんなプラグインが入っているのかなど見てみましょう。
ループシーケンサの元祖であるACIDとは
いまのDAWにおいて、ループ素材を使うループシーケンサ機能というのは、まさに常識であり、ドラムでもベースでも、ギターでもピアノでも、ループ素材を並べていくだけで、曲の骨子となる部分を簡単に作っていくことが可能です。
そのループシーケンサ機能を最初に開発したのが、1998年、当時Sonic Foundryという会社が出したACIDでした。まさにDTMにおける革命ともいえるものだったのですが、そのループシーケンサ機能は、その後数々のDAWへと受け継がれていき、現在の状況へとなったわけです。
また1998年に誕生した時点で、WAVEファイルの情報(プロパティ)を拡張し、ここにループに関する情報を入れ込んだことで、テンポやキーを変更しても追従できるようにしたことが画期的でもあったわけですが、そうした部分もそのまま広まっていったことで、こうしたループ素材をACIDファイル、ACIDizedファイルなどと呼ばれるようになっていったのです。
そのACIDはSonic FoundryからSony Pictures Digitalに買収され、Sony Creative Softwareなどと社名も変更されていきました。その後、2016年にドイツのMAGIXが買収し、現在はMAGIXのソフトとして開発・販売が続いています。国内ではソースネクストが販売している形ですね。
ラインナップとしては上から
ACID Pro 11
ACID Music Studio 11
と3つがある形です。
やや独特なDAWながらループシーケンサとしては抜群の使い勝手のACID Pro 11
そのACIDは前述の通り、いくつかの会社を経由して、MAGIXのソフトへとなっていったわけですが、SONY時代の最後のころは、ほぼ開発も止まってしばらく放置状態だった、というのが実際のところでした。
しかしMAGIXに移った後、2018年に9年ぶりにACIDがバージョンアップを行いACID Pro 8として登場。昔のACIDの良さをそのままにDAWとしての機能をいろいろ備え、UIなどもブラッシュアップされて発売されたのです。国内ではソースネクストから発売され、大きな話題にもなり、もちろんDTMステーションでも記事にしてきました。
その後ACID Pro 9、ACID Pro 10、そして2022年に現行バージョンであるACID Pro 11へと機能が進化していき、その間にさまざまな機能が搭載されていきました。
そのACID Pro 11に関する記事は「ACID Pro 11リリース。上位版のSuiteは約40万円分のプラグインがテンコ盛りで29,800円」で紹介しているので、こちらも参考にしていただければと思います。
そこにもある通り、ACIDはCubaseやStudio One、Live、Ability、Logic……といった現代のDAWを比較するとやや独特な雰囲気であることは確かです。同じSonic Foundry生まれのビデオ編集ソフト、Vegasとともに歴史を歩んできたということが関係あるのかもしれませんが、いまもWindows専用のソフトであり、MIDI機能やレコーディング機能なども搭載されてはきているけれど、やはりループシーケンサとしての機能が中心のソフトであり、かつWindows専用のソフトとなっているのです。
個人的にいうと、MIDI機能やオーディオ編集機能は別にして、ループ素材を並べて曲を構成していくという意味では、使い勝手においては、数あるDAWの中で、ACIDがダントツに使いやすいと思います。並べた各ループ素材ごとに、ピッチの上げ下げが簡単に行えるなど、やはり元祖だけあって、使いやすいんです。「音楽理論とかさっぱりわからないけど、ループ素材で自分の曲を作ってみたい!」という人にとっては、ベストなソフトだと思います。ただし、Macでは使えないのが残念なところではありますが。
ACID Pro 11 SuiteとACID Pro 11の違いはプラグイン、トータル40万円以上
そのACIDが現在激安セールとなっているので、今回記事で取り上げているわけですが、セール対象となっているのはACID Pro 11 SuiteとACID Pro 11の2つのラインナップ。この2つ、実はDAWそのものとしてはどちらも同じACID Pro 11であり、機能も性能も違いはありません。違いはバンドルされているプラグインやツールとなっているのです。
実際何がバンドルされているのかをまとめてみたのが以下の表です。
ACID Pro 11 Suite | ACID Pro 11 | Windows | Mac | USドル | 日本円 | |
Brainworx Console Focusrite SC | 〇 | 〇 | 〇 | 349 | 52,350 | |
Brainworx bx_console N | 〇 | 〇 | 〇 | 299 | 44,850 | |
Brainworx bx_masterdesk | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 149 | 22,350 |
Brainworx Refinement | 〇 | 〇 | 〇 | 199 | 29,850 | |
Brainworx Oberhausen Synthesizer | 〇 | 〇 | 〇 | 249 | 37,350 | |
Brainworx Crispy Tuner | 〇 | 〇 | 〇 | 399 | 59,850 | |
Independence Pro Sound Library | 〇 | 〇 | 〇 | 65 | 9,750 | |
MAGIX colorFX Suite | 〇 | 〇 | 99.99 | 14,999 | ||
MAGIX essentialFX Suite | 〇 | 〇 | 〇 | 179.99 | 26,999 | |
MAGIX coreFX Suite | 〇 | 〇 | 〇 | 199 | 29,850 | |
MAGIX Analogue Modelling Suite Plus | 〇 | 〇 | 〇 | 179.99 | 26,999 | |
MAGIX VariVerb II | 〇 | 〇 | 〇 | 179.99 | 26,999 | |
MAGIX Vandal | 〇 | 〇 | 〇 | 179.99 | 26,999 | |
MAGIX Vintage Effects Suite | 〇 | 〇 | 119.99 | 17,999 | ||
iZotope Ozone 11 Elements | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 8,201 | |
Melodyne 5 essential | 〇 | 〇 | 〇 | 11,000 |
下のグレードであるACID Pro 11でもいろいろなプラグインは入っているのですが、やはりACID Pro 11 Suiteのほうはかなり充実した内容になっているのが分かると思います。金額は主にアメリカドルで調べてみましたが、1ドル=150円で換算した日本円が一番右の数字です。この金額を足し合わせるとACID Pro 11 Suiteの場合、プラグインだけで40万円以上の価値となるのです。
そのプラグインの中で一番高価なのがBrainworxのConsole Focusrite SCです。こちらはその名の通り、Focusriteの往年の名コンソールをプラグイン化したというもの。これを通すだけで、深みのあるまさにプロのサウンドに仕立てることができる、というわけです。
たとえACIDを使わないMacユーザーでも十分元がとれる?
ところで先ほどの表をご覧になってお気づきの方もいらっしゃると思いますが、ACID自体はWindows専用のソフトではありますが、プラグインの中にはMacでも使えるものもいろいろと混ざっています。
具体的にはBrainworxのプラグイン類やiZotopeのOzone 9 ElementsさらにはMelodyne 5 essentialがそうですね。MAGIXのソフトは基本的にWindows専用となっているのですが、それ以外はMacでも使うことができるため、極端な話、ACIDを使わなくてもプラグインだけで十分元が取れる計算です。
購入するとシリアル(バウチャー)が届くので、それを登録する形となるわけですが、たとえばBrainworxのプラグインの場合は、シリアルが届いたら、Brainworxサイトに行って、自分のアカウントを作成。その後、ログインしてREDEEM VOUCHERのページで、そのシリアルを入力して、「USE VOUCHER」ボタンをクリックすればいいのです。
これによりMagix ACID Pro Suite(Upgrader Bundle)なるものが入手できるのです。価格を見ても1,495ドルとありますが、約225,000円。これだけのためにACID Pro 11 Suiteを買ってもまったく損がはないですよね。
もちろんMac版のインストーラーもあるので、それをインストールすれば、VST、AU、AAXのプラグイン環境で利用できるため、手持ちのDAWで使うことができるのです。
2月24日~3月4日までDTMステーション読者限定セール実施中
そのACID Pro 11 SuiteおよびACID Pro 11が2月24日~3月4日まで、DTMステーション読者限定の激安セールを実施中です。具体的にはACID Pro 11 Suiteが69%オフの14,780円、ACID Pro 11が80%オフの4,780円です。
ACID本体を目的にするならACID Pro 11を、プラグインを主な目的にするならACID Pro 11 Suiteを選ぶという形になると思いますが、期間限定の特別セールなので、ぜひ、このタイミングに入手してみてはいかがでしょうか?
割引額:33,499円(※ 1回まで使用可能 13.000円以上の購入で適応可能)
税込価格:48,279円 → 14,780円
クーポンコード:DTM-20250202
販売ページ:ACID Pro 11 Suite
税込価格:24,079円 → 4,780円
割引額:19,299円( ※1回まで使用可能 4,000円以上の購入で適応可能)
クーポンコード:DTM-20250201
販売ページ:ACID Pro 11
【関連情報】
ACID Pro 11 Suite製品情報
ACID Pro 11製品情報
【価格チェック&購入】
◎ソースネクスト ⇒ ACID Pro 11 Suite
◎ソースネクスト ⇒ ACID Pro 11
コメント