プロに一歩近づく作曲コンテスト、賞金30万円の『DTM甲子園』エントリー開始!

MOVEMENT PRODUCTIONが主催する作曲コンテスト、「DTM甲子園」のエントリーがスタートしました。主催のMOVEMENT PRODUCTIONは、2018年に欅坂46の「ガラスを割れ!」がミリオンセラーを記録し、同年オリコン年間ランキング・作曲家部門において1位を受賞した経験を持つ、前迫潤哉@Junya_Junya)さんが代表を務める作家事務所。NiziU「LOOK AT ME」「Joyful」、SnowMan「EVOLUTION」ほか、AKB48、乃木坂46、日向坂46、King & Prince、EXILE、三代目JSBと数多くの有名アーティストの作詞・作曲を手掛ける音楽制作プロダクションによる作曲コンテストだけあって、実力を試すにはかなりいい機会となりそうです。

部門は、学生部門、社会人部門の2つに分かれており、それぞれ大賞には賞金30万円が送られます。募集楽曲は、歌モノでジャンルやテーマは自由。ワンコーラスでの提出となるので、誰でも気軽に参加することができます。募集期間は2024年7月1日~8月18日で、結果発表は8月31日を予定しているとのこと。特に公式からは明言されていませんが、こういったコンテストから声が掛かりプロデビューするという話もよく聞くので、音楽で生活をしていきたいと思っている方にとってもチャンスかもしれませんね。そんなDTM甲子園の募集条件や審査基準などをまとめたので、紹介していきましょう。

賞金30万円の作曲コンテストDTM甲子園のエントリーがスタート

エントリー期間は8月18日まで。学生部門、社会人部門それぞれの大賞は賞金30万円

DTMerにとって、自分の実力を試してみたいというとき、なかなかそうした場がないのが実際のところです。もちろん、YouTubeなどに曲をUPして、バズるのを待つというのも手ではありますが、いい作品を載せればバズるというわけでもなく、やはりさまざまな仕掛けが重要になるのも事実です。

もちろん一言でDTMにおける実力といっても、ミックスの実力、マスタリングの実力、編曲の実力……などなど、さまざまなものがありますが、この「DTM甲子園」は、作詞・作曲から完パケまで、トータルを競い合うというコンテストとなっています。エントリーはすでに7月1日よりスタートしており、期間は8月18日までとなっています。その後、審査期間が8月19から8月30日まで設けられ、結果発表は8月31日。部門は学生と社会人、2つの部門に分かれており、大賞作品には賞金30万円が送られます。また金賞/銀賞・審査員特別賞などの賞も複数設定予定とのこと。

DTMを盛り上げるDTM甲子園が開催

募集楽曲は歌モノ。VOCALOID、歌声AIの使用もOK!

募集楽曲は、歌が入った楽曲なので、インスト音源や劇伴などは対象外。ただし、シンガーに歌ってもらう以外にもVOCALOIDや歌声AIの使用は認められています。最終的には、人が歌うことを想定したコンテストとなっているので、VOCALOIDよりもSynthesizer Vなどのほうが、そのニュアンスが伝わりやすいかもしれませんね。

AIはAIでも、作曲AIの使用はNG。Spliceなどで入手した素材に歌を乗せるだけというのも禁止で、自分でちゃんと作曲するのが応募の条件となります。もちろん、Spliceのループ素材やサンプルを楽曲の一部で使用するのはOKです。

ジャンルやテーマは自由で、「やりたいこと、表現したいものを全力で音楽にしていただきます」とのこと。友達との共作はOKですが、ミックス・マスタリングをプロに外注するのはNG。

特設ページには、「生楽器のレコーディング音源ではなく、DAW・打ち込みソフトで制作をしたDTM楽曲を募集します」とありますが、これは、楽曲制作にDAWを使っていれば大丈夫とのことで、ギターやベースなどの生楽器のレコーディングもOK。ただスタジオを借りて、バンド演奏したレコーディング音源などはNGという意味だそう。まさにDTMで音楽制作を作るコンテスト、というわけなのです。

なお、楽曲はフルコーラスではなく、ワンコーラスの募集となっています。

DAWで作った、歌入りの楽曲であれば、ジャンルは自由

審査は総合的な完成度で判断される

審査基準については、前迫さんに直接伺ってみました。
「審査は、表現内容を聴衆に訴える力、熱量。楽曲の完成度、オリジナリティ。アレンジ能力。打ち込み技術、音色の選び方。Mixの技術、音質。の5項目を総合的に評価し、審査します。審査員はMOVEMENT PRODUCTIONのメンバーだけだと、すごく閉じたコンテストになると感じたので、第一線で活躍する方々にお願いして、公平な審査を行います」(前迫さん)

前迫 潤哉さん

審査員は第一線で活躍する、作曲家、編曲家、エンジニア、プロデューサー…が勢揃い

さて、審査員についても紹介していきましょう。まずはMOVEMENT PRODUCTION代表でもある前迫 潤哉さん。冒頭でプロフィールは紹介しましたが、今年の正月にYouTubeの人気番組である「令和の虎」に出演されて、かなり話題になっていたので、ご覧いただくと面白いと思います。

そのほか、以下のみなさんです。

木原 良輔さん

【プロフィール】
10代の頃よりギタリストとして活動をスタート。AAA、嵐、JUJU、乃木坂46、宮野真守、他多数のアーティストのレコーディングやライブに参加。近年は、プロデューサーとして、宮野真守、山下智久、青山吉能などを手がけ活動の幅を広げている。【参加者に一言】
皆さんの思う「今、最高にかっこいい!」を音にぶつけてみてください。
とても楽しみにしております!
石井 亮輔さん

【プロフィール】
AKB48グループ等へ楽曲提供する他、TV番組や映画、CMソング等の楽曲を制作。音楽レーベルやSNSコンテンツと連動したIP発掘、プロデュース、原盤制作も行う。ソングライター、プロデューサー、音楽ディレクター、アーティストマネジメント等を務めるボーダーレスな音楽エージェント。
【参加者に一言】
エントリーした時点でまず一勝ですね!
行動した結果が一つの”きっかけ”となるよう、あなたの音楽を聴かせていただきます!
Dr. Lilcomさん

【プロフィール】
MOVEMENT PRODUCTION 代表代行
トラックメイク、アレンジ、ソングライティングをこなし、ヒップホップからアイドルまで幅広く多彩なサウンドメイクを得意とする。2018年に多くのアニメタイアップ作品の作編曲を手がけた実績が認められ、Japan Crerator Bank に登録される。
【参加者に一言】
プロの耳があなたの音楽を待っています。新たな才能を聞かせてください!
力丸 尊さん

【プロフィール】
MOVEMENT PRODUCTION 執行役員
2015年NMB48『パンキッシュ』作編曲家としてデビュー。映像作品やイベント関連の音源制作も行い、えんとつ町のプペルVRや延岡城プロジェェクションマッピング作品、福岡パルコのコンテンツの音源制作に携わる。
【参加者に一言】
気まぐれな一歩が人生変えます。踏み出してみては?

LINEで友だち追加をしてエントリー

エントリーは、DTM甲子園特設サイトにあるLINEの友だち追加から行います。友だち追加をすると、MOVEMENT PRODUCTIONから、エントリー用フォーム、楽曲提出用フォームが送られてくるので、ここに必要事項を記入してエントリーを行います。楽曲が完成していなくても、最初エントリー用フォームに記入し、その後楽曲が完成したら楽曲提出用フォーム経由で楽曲提出となるので、興味がある方はまずは特設サイトに行って、友だち追加を行いましょう。そのほか、エントリー時の注意事項などは特設サイトまたはLINEでご確認ください。

DTM甲子園特設サイトにあるLINE友だち追加からエントリー

以上、DTM甲子園の概要について紹介しました。コンテストなのでもちろん未発表曲ということが前提とはなりますが、今からコンテストに向けて作るのもよし、すでに貯めていたストックをこの機会に応募するとか、それをブラッシュアップしてから応募するというのもいいと思います。ぜひ、実力試しに応募してみてはいかがでしょうか?

主催者のMOVEMENT PRODUCTION、前迫潤哉さんインタビュー

--なぜこういったコンテストを開催しようと思ったのでしょうか?
前迫:始めたきっかけは、MOVEMENT PRODUCTIONに作家希望の方からエントリーをいただくことがかなり多く、そういった方達がもっと活躍できる機会を用意できないだろうか、と思ったことです。せっかくなら大会として、より緊張感のあるところで才能を発揮してもらいたいな、と。ボーカリスト、ラップ、バンド……など、アーティストの大会やコンテストは多くありますが、それと比べるとDTMの大会はあまりないのが実情です。少しでも作家の目標、出口を作れたらと思い、今回「DTM甲子園」というものを開催することにしました。実は、つい最近に「令和の虎」と共同主催でのボーカルコンテストを開いたので、次は作家向けのコンテストをぜひ行ってみたい、と思っていたことも大きいですね。ボーカルコンテストでも優秀な方がたくさんいたので、ここと作曲家のマッチングとかもできたら面白そうですよね。

--なぜDTM甲子園では、学生と社会人の2部門に分けたのでしょうか?
前迫:甲子園というタイトルをつけているので、学生に参加してほしいという思いがあって、この2部門に設定しています。もっとも音楽の専門学校などでは社会人の方が入っているケースや、一度サラリーマンを経験したのちに学校に入る方も多いので、正直、ここの区分けは難しいところです。が、学生証を持っていれば学生なので、割と制限は緩めですね。これまでコンペなどは経験していないけど曲を作れる、という方がエントリーしてくださるのではと期待しています。もちろんベテランの方もOKで、誰でも参加可能となっています。

MOVEMENT PRODUCTION代表の前迫 潤哉さん

--今回、ジャンルもテーマも自由となってますが、それはどうしてですか?
前迫:当初は、コンペ形式にしてみようか…とも考えたのです。つまり、ターゲットとなるアーティストを決め、テーマなどを決めて、オーダーにマッチする曲を作ってもらう、という形式ですが、あまり絞り込まず、多くの人が参加できるコンテストがいいな、と。ぜひあなたの一曲入魂、魂の叫びを聴かせて、と思い、自由形式としました。もしかしたら高校生とかがスマホで作った曲、Garagebandで作った、なんてのが送られてきたら楽しいな、と思っているところです。

--学生部門、社会人部門それぞれで30万円の賞金って、結構な金額だと思います。
前迫:われわれプロの作家は報酬をもらう形で仕事をしているわけじゃないですか。もちろん、ボツになったら報酬はないわけですが、そんなことをぜひ実体験してもらいな、という思いで賞金を用意してみました。

--作家事務所のMOVEMENT PRODUCTIONが主催のコンテストなので、大賞を取ったら、MOVEMENT PRODUCTIONに所属することが条件だったりするのですか?
前迫:30万はぜひ自由に使ってください(笑)。ウチの主催だからといって、所属作家になるというわけでなく、あくまで作曲している人を応援していきたい、盛り上げていきたいという思いでDTM甲子園は開催しています。ただ、もし所属に興味があるのであれば、ぜひお話はしてみたいですね。

--DTM甲子園は今年が初ですが、今後も継続して開催していく予定でしょうか?
前迫:毎年開催していって、大きな大会になったら面白いですよね。今後はほかのプロデューサーなどにも声をかけて、より広い場としてのコンテストにしていきたいと思っています。僕自身も全力で盛り上げていきますので、みなさまのご参加をお待ちしております。

--ありがとうございました。

【関連情報】
「DTM甲子園」情報
MOVEMENT PRODUCTIONサイト
【関連記事】
日本の音楽シーンを牽引する松井五郎さんが語る「作詞の極意」。JASRACの音楽クリエイター向けイベントCreator’s Pathより