WavesのAIプラグインStudioVerseが無料で開放! バンドル品の収録数も大幅増加の新バージョン、Waves V15リリース

Wavesから新バージョンのWaves V15がリリースされました。今回の目玉は、新プラグインとしてStudioVerse Instrumentsが追加されたのと同時に、StudioVerse Audio Effectsも無償で使えるようになったという点。StudioVerse Audio Effectsは、DAWのトラックを再生してAIに聴かせることで、それにマッチしたプリセットをお勧めしてくれるという機能を搭載している、最大8個のプラグインを組み合わせたオリジナルのチャンネルストリップを作成可能なプラグイン。AIがおすすめしてくれるプリセットは、グラミー賞を受賞した膨大な数のプロデューサーやミキシングエンジニアが作成したもので、初心者でも簡単に本格的な音作りを行えると同時に、トッププロがどういったエフェクトを使ってパラメータをどう設定しているか参考にすることができるのです。

StudioVerse Audio EffectsはこれまでStudioRackという名前だったものが、このタイミングで名称変更したもの。これまでサブスクのWaves Creative Accessの会員にでないと利用できませんでしたが、V15では誰でもStudioVerse Audio Effectsが利用できるようになったのです。またStudioVerse Audio Effectsはエフェクト処理のみのシステムでしたが、今回StudioVerse Instrumentsが登場したことにより、インストゥルメント音源でもStudioVerseが使用できるようになりました。さらにV15からはMercury、Horizon、Diamond、Platinum、Goldなどバンドル製品に収録されるプラグイン数が大幅に増加。たとえばHorizonには、新たに10種類のプラグインが追加されるようになったのです。そんな、Wavesの新バージョンV15には、さまざまなアップデートポイントがあるので、その概要を紹介していきましょう。

Waves 新バージョンV15リリース。StudioVerse Audio EffectsとStudioVerse Instrumentsが無料ゲット可能に

新時代の音楽制作スタイルStudioVerse

Wavesがサブスクをスタートすると同時に発表されたStudioVerse Audio Effects。これは簡単にいえば、自分の音作りにマッチしたWavesのさまざまなプラグインを組み合わせて作ったプリセットをAIが自動で見つけ出して勧めてくれるというユニークなプラグイン。ご存じの方も多いと思いますが、WavesにはStudio Rackという無償のプラグインがあり、これに複数のプラグインを組み込んで1まとめにすることができました。そしてこのStudio Rackの中にAI機能を盛り込んだのがStudioVerse Audio Effectsだったのですが、これまではStudio RackとStudioVerse Audio Effectsの2種類が存在していました。が、これが今回のアップデートでStudioVerse Audio Effectsに統一されました。正確には、StudioVerse Audio EffectsはこれまでStudioVerseという名前でしたが、新たにStudioVerse Instrumentsが登場したことにより、区別するためにAudio Effectsという名称が追加された形ですね。

AI機能を搭載したチェインプラグインStudioVerse Audio Effects

StudioVerseの特徴は、StudioVerseに複数のプラグインをインサートしてチェインを作れるという点。そしてそのチェインは、トッププロ含め世界中のユーザーが公開しており、そのチェインを簡単に自分の楽曲で使うことができます。そんなStudioVerseは、これまでエフェクトプラグインでしか使えませんでしたが、今回リリースされたStudioVerse Instrumentsを使えばインストゥルメント音源でもStudioVerseが使用できるようになったのです。

グラミー賞を受賞した膨大な数のプロデューサーやミキシングエンジニアが作成したプリセットを使用可能

世界中のプリセットにアクセスできるStudioVerse Instruments

StudioVerse Instrumentsはインストゥルメント音源をチェインできるプラグインなので、なにかしらAI機能を搭載しているというわけではないですが、最大規模のオンラインプリセットライブラリから、お気に入りの音源を探して、自分の楽曲にすぐに活かすことができます。これまで、音源のプリセットを新たに追加しようとすると、プリセットパックを新たに購入したりする必要がありましたが、このStudioVerse Instrumentsでは無料で世界中のプリセットにアクセスすることができるのです。しかも、最新であらゆるカテゴリを網羅しています。

新登場のStudioVerse Instruments

新登場のStudioVerse Instruments

もちろんStudioVerse Instruments自体の機能も充実しており、単純にインストゥルメント音源やエフェクトプラグインのチェインを組めるだけでなく、アルペジエーター、シーケンサー、コードジェネレーターなどを搭載。また音色をレイヤーすることも容易で、StudioVerse Audio Effectsと同様にサードパーティの製品もインサートできるので、Wavesプラグインに限らず自由に音色を作り上げることができるのです。

世界中のプリセットにアクセスできるだけでなく、本体の機能も充実している

StudioVerse Audio EffectsとStudioVerse Instrumentsは、パラレルやマルチバンドスプリット機能を搭載しているため、DAWに直接インサートして使うよりもより高度なセッティングを行えたりするのに、無料でインストール可能。プラグインのインサート数が制限されているDAWでもStudioVerse Audio EffectsやStudioVerse Instrumentsを使えば、実質その制限を取り払えるし、StudioVerse Audio Effectsを使えばPro ToolsでVSTプラグインが使えるようになったりするので、とりあえずもらっておいて損はないので、ぜひゲットしてみてください。なお、公開されているチェインの中に自分が持っていないプラグインがある場合、サードパーティ製ならバイパス、Wavesプラグインであればインストールしてあればデモ版で再生されます。StudioVerseを最大限活用するとなれば、Waves Creative Accessを検討してみてもいいかもしれませんね。

バンドル製品のプラグイン数アップ

また、冒頭にも書いたようにV15へのアップデートのタイミングでバンドル製品の同梱プラグイン数がアップしています。具体的には、以下の通りです。

Mercury Horizon
Nx Virtual Mix Room CLA Unplugged
Spherix Immersive Compressor / Limiter Greg Wells PianoCentric
Key Detector
Diamond Magma Springs
CLA Unplugged Manny Marroquin Triple D
Greg Wells PianoCentric Nx Virtual Mix Room
Key Detector Retro Fi
Magma Springs LoFi Space
Manny Marroquin Triple D Spherix Immersive Compressor / Limiter
Nx Virtual Mix Room Voltage Amps
Retro Fi
LoFi Space Platinum
Spherix Immersive Compressor / Limiter CLA Unplugged
Voltage Amps Greg Wells PianoCentric
Key Detector
Gold Magma Springs
Key Detector Retro Fi
Magma Springs LoFi Space
Voltage Amps Voltage Amps

HorizonとDiamondが最大で、10種類のプラグインがこれまでの内容に加えて同梱されるようになりました。

Waves V15の新機能一覧

そのほか細かいアップデートポイントは以下の通りです。

Waves V15の新機能
1,新製品:StudioVerse Instruments登場
2,StudioRackがStudioVerse Audio Effectsにリニューアル
SSL G-Master Buss Compressorに新機能: ハイパスサイドチェーンフィルター追加(StudioVerseでの動作のみ)
3,H-Delay Hybrid Delayアップデート
Dual Mode-左右のディレイ・タイムを別々にコントロール
ピンポンのディレイを左から始めるか、右から始めるかを選択可能
4,すべてのWavesプラグインにMIDI Learnが追加、さらにMIDIマッププリセットをプラグインプリセットとは別のレイヤーとして保存可能
5,Favorites Presets – お気に入りの設定を保存・管理し、プリセット・ブラウザから簡単にアクセス
6,70以上のプラグインでプリセット・ロード時に入力レベル、Dry/Wetをロック可能
7,特定のバンドルにプラグインを追加
8,Abbey Roadシリーズのプラグイン名が “Abbey Road” で始まるように変更
9,一部のプラグインがHiDPIに対応:CLA Epic, CLA EchoSphere, Scheps 73 and H-Comp Hybrid Compressor
10,プラグインのアップデート状況を各プラグインのメニューから確認可能
11,サブスクリプションの有効期間が近づいた際にプラグイン経由で通知されます
12,過去にwaves.com配布したGTR3 ToolRackのアーティスト・プリセットをデフォルトで追加
13,VST2のサポートを終了

以上、Waves V15について紹介しました。StudioVerse Audio EffectsとStudioVerse Instrumentsが揃い、エフェクトプラグインでもインストゥルメント音源でも、世界中のチェインプリセットにアクセスできるようになりましたね。しかもそのチェインは、トッププロも作っていたりするので、グラミー賞サウンドのプリセットを無料で使えるのは、かなり嬉しいところ。StudioVerse Audio Effectsに関しては、AIに解析させれば、おすすめのプラグインチェインを表示してくれるので、初心者でも簡単にかっこいいサウンドを作り上げることができますよ。

【関連情報】
Waves V15製品情報

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