DTMステーションでも過去に何度も取り上げてきた、カワイの譜面ソフト、スコアメーカー。紙で印刷された楽譜やPDFの楽譜を読み取って再生したり、編集できるソフトとして1995年の登場以来、27年もの歴史を持つソフトで、個人ユーザーはもちろん学校や各種クラブ活動など幅広いユーザー層に親しまれてきたソフトです。現在そのスコアメーカーの最新版はスコアメーカーZEROという名称で完全なサブスク型になり、従来の買い切り版はスコアメーカー Ver.11で開発がストップ。2023年7月27日をもって、販売終了となってしまいました。
そのため、個人ユーザーにとってはやや敬遠しがちな状況になっているわけですが、このスコアメーカー Ver.11をソースネクストがダウンロード版という形で、最上位モデルのスコアメーカーPlatinum(税込50,600円)、標準モデルのスコアメーカーStandard(30,800円)の販売を開始しています。もちろん、この製品は買い切りなので今後ずっと使い続けることができ、追加料金も発生しません。このチャンスに入手しておいて絶対損はないと思います。ソースネクスト経由でソフトの提供を受けたので、改めてスコアメーカー Ver.11とはどんなソフトなのか、紹介してみましょう。
カワイのスコアメーカー、最後の買い切り版がソースネクストから超特別価格でダウンロード販売中
サブスク版のスコアメーカーZEROと買い切り版のスコアメーカー Ver.11
最新版のスコアメーカーZEROについては、ちょうど1年前「かすれた譜面もAIを使った認識で楽譜に入力。国産譜面ソフト カワイのスコアメーカーZEROの実力」という記事で紹介していましたし、さらに遡れば6年前に「カワイの楽譜ソフトが歌うようになった!?どんどん進化するスコアメーカーZERO」という記事でも紹介しています。そう、6年前にサブスク版のスコアメーカーZEROが登場し、それまでの買い切り版のスコアメーカーも併売という形がずっと続きていたのです。
しかし、その併売も先日いよいよ終了となり、カワイから購入できるのはスコアメーカーZEROのみとなってしまいました。もちろんボーカル音源を使って楽譜通りにコンピュータに歌わせたい、など最新機能を使うという意味ではスコアメーカーZEROの魅力も大きいのですが、毎月課金される、という点に抵抗を感じる人は少なくないと思います。
サブスク版のスコアメーカーZEROの3年分の価格より安く買い切り版が購入できる
スコアメーカーZEROの場合、Platinumだと初年度22,880円、翌年から16,280円の課金となり、課金を停止すると使えなくなってしまいます。同様にStandardの場合は初年度15,180円で、翌年から10,780円の課金が必須です。それに対し、ソースネクストが販売するスコアメーカーVer.11であれば標準価格でPlatinumが50,600円、Standardが30,800円と3年分の課金に満たない価格で入手でき、さらに、ソースネクスト・サイトで割引実施中であれば、より安く入手することができます。
楽譜の取り込みから編集、印刷までフルサポート
もちろん楽譜を取り込んで編集して印刷する…という基本部分はスコアメーカーZEROでもスコアメーカー Ver.11でも変わらず、旧バージョンとはいえ非常に高度な機能、性能を備えているので、スコアメーカー Ver.11で十分という方も多いのではないでしょうか?
カワイではスコアメーカーZEROとスコアメーカー Ver.11の機能の違いをすべて細かく表で示しているので、気になるかたはこの表でチェックしてみるといいと思います。
スコアメーカー Ver.11の概要
では、このスコアメーカーがあると何ができるのでしょうか?その概要を紹介していきましょう。
まずはカワイによるスコアメーカー Ver.11の概要紹介ビデオがあるので、こちらをご覧ください。
これを見ると分かる通り、スコアメーカーでは、まず楽譜をスキャナなどで取り込み、それを認識、エディットしていくことができます。もちろんマウスを使って五線譜に音符を入力することもできれば、MIDIキーボードからリアルタイム演奏を取り込んでいくことも可能です。
こうして入力したデータをエディットすることができ、必要に応じて移調したり、パート譜を作っていくことができ、それをスコアメーカーの機能で演奏できるというのも面白いところ。一通りの音色を出すことができるので、手元にある楽譜を演奏したり歌ったりしなくちゃいけない、というときにその音取りのためのガイド用として、とっても便利に活用することができます。
取り込んだ楽譜は各パートごとに音色を割り当ててMIDI機能で演奏できる
もちろん、このようにして取り込んだ楽譜をプリンタを使ってキレイに印刷することができるのはもちろん、MusicXMLのデータとして、またPDFやHTMLなどの形でもエクスポートすることができるのも大きなポイントです。最近の歌声合成ソフトなどはMusicXMLをサポートしているものが増えていますが、それらと連携させるためのソフトとしても便利に使うことが可能なのです。
非常に秀逸な楽譜認識機能
中でももっとも重要な機能といえるのが楽譜認識機能です。その使い方はとっても簡単。スコアメーカーを起動して、紙の譜面をスキャナを使って取り込み、あとは画面左に表示されるステップにしたがっていくだけで、しっかりと楽譜として認識して取り込むことができます。以下のビデオを見ると、その概要が分かると思います。
JPEGやPNGなどのように画像として取り込むというのではなく、記号類も含め、しっかりと楽譜として認識して取り込むので、あとで自動演奏させることができるなど、まさに楽譜を音楽にすることができる、というわけです。
ここで気になるのは、今回発売されているPlatinumとStandardという2つのグレードのうちどちらを選ぶべきか、という点でしょう。Platinumが最上位グレードとなるわけですが、この機能差についても、カワイが表でまとめているので、これを見てみると分かると思います。
これを見てみると、やっぱり結構機能差はありそうで、より大規模な楽譜であればPlatinumが必須となりそうですし、積極的にエディットしていく場合もPlatinumが必要なようです。
一方で、それほど複雑な構成ではない楽譜を取り込んで認識させ、音取りのために演奏させる…ということが目的であればStandardでも十分使えそうです。ちなみに、この表には、スコアメーカーPlatinum、スコアメーカーStandardのほかにも3つのバリエーションが表示されていますが、これら3つについてはすでに販売終了済となっています。
以上、簡単にスコアメーカー Ver.11の概要について紹介してみましたが、いかがだったでしょうか?繰り返しになりますが、カワイ自体はサブスク型のスコアメーカーZEROに移行しているため、買い切り版のスコアメーカーの販売を終了しています。現在、買い切り型のスコアメーカー Ver.11を買えるのは、ソースネクストのみとなっていますので、こちらでの販売が終了する前に購入しておくことをお勧めします。
【関連情報】
スコアメーカー Ver.11製品情報(カワイ)
【価格チェック&購入】
◎ソースネクスト ⇒ スコアメーカー Ver.11 Platinum
◎ソースネクスト ⇒ スコアメーカー Ver.11 Standard