映えるUSBマイク、Thronmax MDrill One Pro! 独自のVERTIGAINテクノロジーを搭載した新世代マイクが登場

ヨーロッパで生まれたオーディオ製品メーカー、Thronmax(スロンマックス)をご存知でしょうか?最近いろいろなメーカーからUSBマイクが発売されていますが、70か国以上での販売実績をもつThronmaxが新たに発売した、MDrill One Proという96kHz/24bitのUSBマイクは、性能的に優れているのはもちろん、「iFデザインアワード 2021」「レッド・ドット デザイン賞 2020」なども受賞したデザイン的にも見栄えのするユニークなマイク。金属製ボディーでクールなデザインの、このMDrill One Proは、指向性を単一指向性モード、ステレオモード、双指向性モード、無指向性モードに変更できるのもユニークなところ。

そのMDrill One ProをはじめThronmaxのマイクのグリルは、特殊な形状をしています。従来のマイクに使われている格子状のメッシュ部分が音波を散乱しやすかったのに対し、独自のVERTIGAINテクノロジーを採用したグリルは、音波が散乱されにくくなっているとのこと。これにより、MDrill One Pro内部に搭載された3つのマイクに効率よく音が届くよう設計されているのです。MDrill One Proはどんな性能のマイクなのかチェックしてみたので、その内容とともに、Thronmaxはほかにどんな製品を出しているのかなど紹介していきましょう。

映えるUSBマイクThronmax MDrill One Pro


今回紹介していく、MDrill One Proは、卓上型のコンデンサマイクで、WindowsやMacとUSB接続するタイプのマイクロフォンとなっています。マイクのボトム部分にUSB Type-C端子があり、これをパソコンと接続する一方、ステレオミニのヘッドホン出力が用意されているため、ここでモニターできるようになっています。つまり、マイクでの入力とヘッドホンでの出力の双方を備えたオーディオインターフェイスである、という見方もできる機材なのです。

ボトム部分にヘッドホン出力とUSB Type-C端子、LED切り替えボタンが付いている

ユニークなのは、ボトム部分にLEDの色を切り替えるボタンがついており、これを押すごとにLED照明が赤、緑、青、黄緑、水色、オレンジ、紫…と切り替わっていきます。もともと音楽の機材を開発していたメーカーが発売しているUSBマイクなどは、シンプルなものが多いので、派手な見た目が好きな方、ネット配信などでマイクを目立たせたいという人にとっては、面白い選択肢が誕生した、といえるのではないでしょうか?

ボタンを押すとLEDが切り替わる。オフにすることも可能

さて、本題の音の部分ですが、MDrill One Proは、3つのコンデンサマイクカプセルが別々の方向を向く形で搭載されているのが特徴。これらのコンデンサマイクカプセルをどう組み合わせるかによって、4つの指向特性を使うことが可能です。具体的には

単一指向性モード
ステレオモード
双指向性モード
無指向性モード

という4つのモードが備えられています。どのモードが選択されているかは、フロントの表示にて確認できます。

指向性のモードはフロントの表示で確認可能

一般的なマイクと同様の使い方であれば、単一指向性モードを選ぶのがベスト。1人でしゃべったり、楽器を録音したり、歌ったりという場合はこれを使います。それに対し、ステレオモードは、左右に広く音を拾えるので、ピアノの録音に使ったり、複数の楽器の録音、デュエットの収録に効果的です。

さらに双指向性モードは、対面する2方向の音を捉えることができるというもの。ラジオ局での収録のように、机を挟んで2人でのトークを収録するような場合に便利に使えます。そして無指向性モードは、前後左右を含め360度、音を収録することが可能で、全方向の音を捉えるため、反響音=アンビエンスも捉えることができ、その場の雰囲気をしっかりと収音することができますよ。

使用用途によって指向性を切り替えて、最適なモードを選択できる

これまであった多くのUSBマイクは48kHz/16bitまでという、ちょっと寂しい仕様となっていましたが、このMDrill One Proは、96kHz/24bitまで対応しているのは重要なポイント。そのためハイレゾレコーディングも可能なのです。

これ、写真を見ても分かる通り、卓上スタンド型のマイクとなっていますが、このスタンドを取り外すことが可能になっています。そして、ボトムにあるマイクスタンド取り付け穴にマイクスタンドを取り付ければ、スタジオに持っていって録音する、といったこともできます。また、後ほど紹介しますが、Thronmaxのマイクはもちろん、他社のマイクにも使えるショックマウントも別途発売されているので、これを使えばスタジオに持って行って、マイクスタンドに取り付けてレコーディングも可能。これまでショックマウントを使ってレコーディングできるUSBマイクってあまりなかったように思いますから、その意味でもThronmax製品はユニークな存在といえるのではないでしょうか?

特殊な形状のグリル

前述した通り、MDrill One Proを含めThronmaxのマイクのグリルは、特殊な形状をしており、従来のマイクに使われている格子状のメッシュ部分が音波を散乱しやすかったのに対し、独自のVERTIGAINテクノロジーを採用したグリルは、音波が散乱されにくくなっていて、キレイな音でボーカルでも、楽器音でもレコーディングできるようになっています。
フロントには、配信中にマイクの入力をオフにするためのミュートボタン。

ミュートボタン

リアには、ボリュームノブとゲインノブが搭載されており、

リアにボリュームノブとゲインノブが搭載されている

これを操作すると、フロントのインジケーターにボリュームの場合は青色、

操作するとフロントのインジケーターに反映される

ゲインの場合は緑色で表示されるようになっています。

ゲインは緑色で表示される

実際にPCに接続してみて、チェックしてみました。使用したのは、Windowsマシンです。ここで一つネックとなるのはASIOドライバが用意されていないこと。ASIO4ALLを利用することで、デバイス名もしっかり認識し、バッファサイズを下げてレイテンシーも小さくできるなど、かなり快適に使うことができたので、大きな問題はないと思います。とはいえ、ぜひ、今後ASIOドライバのサポートはお願いしたいところ。Macにおいてはまったく問題なくCoreAudioで利用することができます。

ASIOドライバが用意されていないためASIO4ALLなどを利用する

ここでは、そのWindowsでStudio Oneを起動して確認してみました。ASIO4ALLでもいけますが、Windows Audioを使って普通に使用することができるので、Studio Oneならこちらがお勧め。サンプリングレートも96kHzに設定できています。レイテンシーは一般的なオーディオインターフェイスと比較すると若干大きめですが、MDrill One Proのヘッドホン出力からはマイクのダイレクトアウトがそのままモニターできるため、DAWを介したエフェクトを気にしなければ、完全なゼロレイテンシーで使うことも可能です。もちろん配信に使うのであれば、まったく問題はなさそうですね。

Studio OneではWindows Audioを利用するのがいい。96kHzでの収録も可能

さて、MDrill One Pro以外のThronmax製品についても簡単に見ていきましょう。まずマイクからですが、MDrill One Proの下位モデルとしてMDrill Zero Plusという製品が存在しています。これは、指向性が単一指向性と無指向性という2つ選択できるタイプとなっているだけで、これ以外はMDrill One Proとスペック的には、そこまで違いがありません。見た目は、MDrill One Proを少し小さくしたような形になっています。

MDrill Zero Plus

次にエントリーモデルのPulse。これだけ、VERTIGAINテクノロジーが搭載されていないシンプルなUSBマイクとなっていて、指向性は単一指向性のみです。コンパクトなので、置く場所に困ることもなく、ノイズキャンセリング機能もついていて、音楽系に使うよりも、配信やビデオ会議などに特化したモデルです。

よりコンパクトなUSBマイク、Pulse

それぞれの実売価格は、

MDrill One Pro(MG-M2PB) 17,600円(税込)
MDrill Zero Plus(MG-M4PLUS) 13,200円(税込)
Thronmax Pulse(MG-M8) 7,260円(税込)

となっているので、マイクとしてはかなり低価格。ラージフラムのコンデンサマイクではなく、小型のカプセルを使ったコンデンサマイクではありますが、かなりコストパフォーマンスの高い機材だと感じました。

アクセサリ系の製品としては、前述したショックマウントのExpert Shock Mountがあります。MDrill One ProやMDrill Zero Plusを取り付けて使うことにより、床からの振動などによるノイズを軽減させることが可能。スタジオに持ち込むなど、本格的なレコーディングをする場合は、揃えておくとよさそうです。

アクセサリにはショックマウントも用意されている

ボーカルを収録するときに使うポップフィルターのProof-Pop Filter P1 new(2021年11月12日発売)という製品もあり、これを使えばレコーディング時の吹かれなどを防ぐことができます。

歌をレコーディングする際に使うポップフィルター、Proof-Pop Filter P1 new

そして、机に取り付けて使うタイプのマイクスタンドは3種類ラインナップが存在しています。1つ目はZoom(MG-S3)というシンプルなスタンド。2つ目は、USB Type-Cケーブルがアームの中を貫通していて、マイクを好みのポジションへ自在に動かせるCaster Boom Stand S1(MG-S1-BLACK)、そして3つ目がCaster Boom Stand S1をベースに、さらにマイクスタンドの一部も光るCaster Boom Pro(MG-S1PRO)【2021年11月12日発売】。

Caster Boom Proはケーブルが内部を通っているので、スッキリとした見た目で使うことができる

どのスタンドも、机に取り付けるクランク部分が65mmまでと大きく作られているので、厚みのある机にも簡単に取り付けることが可能。私の場合、IKEAのPCデスクを普段利用しているのですが、サイド部分の金属が太いために、この手のスタンドが取り付けにくいのがネックでしたが、これならば問題なく取り付けることができました。

厚みのあるデスクにも取り付けやすいのもポイント

Caster Boom Proは接続が行われると、スタンドの先端が光るのですが、MDrill One Proと一緒に使えば、この雰囲気が好きな人にはかなりハマるのではないでしょうか。

Caster Boom Proの先端は光る仕様になっている

以上、MDrill One Proを中心にThronmax製品についても紹介しました。MDrill One Proは、シンプルながらもキレイに音を収録することができますし、複雑な設定がないので、どんな方でも扱えると思います。ほかにもアクセサリが充実しているので、配信だけに使うだけでなく歌の収録にも使えると思います。

実際、どんな音でレコーディングできるのか、11月30日に配信予定のDTMステーションPlus!の番組で実演していく予定です。ぜひ、こちらもチェックしてみてください。

【関連情報】
Thronmax公式サイト
MDrill One Pro 製品情報
【価格チェック&購入】

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