AmpliTube 5 MAXを買うとギター専用オーディオIF、AXE I/Oが付いてくる!?ギタリストのための超お買い得セットが発売開始

先日、IK Multimediaの定番ギターアンプシミュレーターの最上位AmpliTube 5 MAXとギターの力を最大限に引き出すオーディオインターフェイスAXE I/Oがバンドルされた製品がリリースされました。AmpliTube 5 MAXは77,990円(税込)のソフトですが、今回発売されたセット商品は、通常価格より安い56,980円なのに、ここに単体購入すると49,500円のAXE I/Oというギター専用の高性能オーディオインターフェイスも付属してくるのです。

かなりメチャメチャな価格設定のような気もしますが、ギターリストにとっては、これとパソコンがあれば一通りのものが揃ってしまうのですから、嬉しい製品の登場です。さらに、その下位バージョンとなるセット製品としてAmpliTube 5(通常価格38,990円)とAXE I/O SOLO(通常価格36,080円)とがセットになったものも42,680円と、さらに手ごろな価格で同時発売されています。AmpliTubeといえば、定番中の定番のギターアンプシミュレーター。それに最適化されたオーディオインターフェイスがAXE I/OとAXE I/O SOLO。普通のオーディオインターフェイスと異なり、手持ちのギターとベストマッチな状態にするインピーダンス・マッチング機能を持つなど、ギタリストにとって最強の機材。実際、どんなソフトでどんな機材なのか、詳しく見ていきましょう。

AmpliTube 5 MAXを買うとギター専用オーディオIF、AXE I/Oが付いてくる!?ギタリストのための超お買い得セットが発売開始


AmpliTubeは、ギターやベースのエフェクト、アンプをモデリングしたソフトウェア。WindowsおよびMacに対応し、WindowsにおいてはVST2、VST3、AAXの環境で動作し、MacはVST2、VST3、AU、AAXの環境で動作する、ほぼすべてのDAWで利用できるソフトです。またDAWを起動せずとも、スタンドアローンモードでAmpliTubeを立ち上げることができるので、PCをまるでアンプやエフェクタのように扱うことも可能。世の中には、いろいろなギターアンプシミュレーターが存在しますが、その中でもAmpliTubeは大定番のソフトであり、プロのギタリストを含め、多くのユーザーが愛用しています。

定番ギターアンプシミュレーターのAmpliTube 5

そんな、AmpliTubeの歴史は長く、最初のバージョンがリリースされたのは2002年。約20年の歴史があるソフトなわけですが、昨年末AmpliTubeはバージョンアップを果たし、最新版としてAmpliTube 5がリリースされ、さらに強力なソフトへと進化し続けています。以下の動画は、AmpliTube 5がリリースされたときのものですが、ぜひバックで流れているギターのサウンドを聴いてみてください。

いかがでしょうか?とてもリアルなギターサウンドですよね。では、AmpliTubeではどんなことができるのか、基本的なところから見ていきましょう。そもそも、アンプシミュレーターとは、実在するアンプやエフェクタなどをソフト上で再現したもの。ギターを演奏するときには、まずコンパクトエフェクタにケーブルを繋ぎ、それからアンプを鳴らすと思いますが、そのエフェクタやアンプがすべてソフト上で再現されていて、DTMで音楽を作る上では大変便利であるため、たくさんの人がこれを使っています。また、録音した後に音作りができたり、簡単にセッティングを呼び出せたりなど、多くのメリットも存在します。実際に出回っている楽曲でもアンプシミュレーターは使われていますし、弾いてみた動画などでも、なにかしらのアンプシミュレーターは使用しています。

ギターアンプシミュレーターとオーディオインターフェイスを使ってレコーディングしている

その中で選ばれることの多いAmpliTubeですが、AmpliTube 5の時点で収録しているアンプやエフェクタなどの機材数は400種類を超えています。アンプでいえば、クリーン系のサウンドでも歪み系のサウンドでも、なんで使うことができ、80年90年代の名機と呼ばれるギターアンプがあったり、あのギタリストが使っていたギターアンプなんかも自由に使うことができます。もし実機をすべて入手しようと思ったら、莫大なお金がかかりますし、運んだりも置いておく場所もありませんよね。そういう意味でも、AmpliTubeはギタリストの夢を叶える、魔法のソフトなわけです。

数多くのアンプが収録されている

さらにエフェクタも、歪み系、ダイナミクス系、リバーブ、ディレイ、コーラス、ワウペダル、ワーミーペダル……となんでもあり、これらを自由に組み合わせて使うことができます。

エフェクターも自由に組み合わせることが可能

まあ、ここまでだったらアンプシミュレーターという名前を聞いた時点で、知らなかった人も想像できる範囲だと思います。ですが、AmpliTubeではキャビネットさえも自由に組み合わせることが可能で、たとえばMarshallのアンプをOrangeのキャビで鳴らしたり、Mesa BoogieのアンプをFenderのキャビから鳴らすことだってできるのです。さらに、キャビのスピーカー1つ1つを別のスピーカーに変えることもできます。

アンプとキャビを自由に組み合わせて、キャビのスピーカーも変えることができる

さらにいうと、そのキャビからの音を拾うマイクも選ぶことができ、よく使われるShure SM57、Sennheiser MD421をはじめ、Neumann U87といったコンデンサマイク、Royer R121といったリボンマイクの選択から、それぞれのマイクのポジションまでも、カスタマイズすることができます。さらにどんな場所でレコーディングするか、部屋の選択だってできてしまいます。

レコーディングスタジオで使われる定番のマイクが収録されている

また、ギターをレコーディングしたらエンジニアがいろいろな機材を使ってミックスするわけですが、そういったツールもAmpliTubeには搭載されています。ここには、IK Multimedia製品のT-RackSなどの技術が盛り込まれており、本格的なツールが使えます。AmpliTubeには、API 560やNEVEのEQ、LA-2A、1176、Fairchild 670といった名機たちが搭載されているので、これだけでギターのみならず、すべてのパートのミックスだってできそうですよね。

ミックスに使われる名機のモデリングたちが揃っている

AmpliTubeのアンプやキャビネット、エフェクトの再現性は本当に高く、本物アンプをマイクで録った音と区別がつかないところまで来ているわけですが、そこにはIK Multimediaの高い技術力が関係しています。ハードウェアのモデリングには、Dynamic Interaction Modeling(DIM)というIK Multimedia独自のモデリング技術があり、キャビネットに関してもVolumetric Impulse Response(VIR)という、スピーカーごとに600を超えるIRデータを収録し、臨場感やトーンを完璧に再現する方法が用いられています。そのためマイクポジションをより細かく設定することが可能です。

新技術VIRを使用したキャビネット・セクション

しかも、AmpliTubeのすごいところは、モデリングの元になった機材メーカーからお墨付きをもらっているところ。Fender, MESA/Boogie, Orange, Soldano, ENGLなど、世界的なアンプメーカーから公認を受けているのです。また、世界的ギタリストのシグネチャーモデルも存在します。

公認を受けているアンプなので、その出音はまさに本物

ざっと、AmpliTubeに搭載されている機材などを紹介してきましたが、AmpliTubeのソフトとしての使い勝手もよく、精度の高いチューナーが装備されているのはもちろんのこと、パフォーマンスや作曲を行うためのSuper Looperというルーパーも搭載されています。

ルーパーが搭載されている

また、AmpliTube 5ではスタンドアローン起動時に使える、8トラックDAW機能が搭載されています。単純に録音するだけでなく、録音済みデータの編集やEQやパンの調整、テンポの変更、ループの貼り付けなど行えるので、弾いてみた動画とかSNSに上げる動画のギターサウンドなんかは、これで完結させることだって可能。さらに、練習するときに便利なスロー再生機能も搭載されています。

簡易的に使えるDAW機能も搭載

あとは、後述しますがレコーディング時には、ギターのポテンシャルとAmpliTubeの性能を引き出すオーディオインターフェイスAXE I/OとAXE I/O Soloを使うのがおすすめなのですが、レコーディング時に作ったセッティングをそのままライブで使うためのライブモードもAmpliTube 5には搭載されています。このライブモードを使えば、曲ごとにセッティングを瞬時に変えることができ、iRig Stomp I/Oというペダルボードコントローラーを使えば、足元でエフェクタの切り替えも可能です。AmpliTubeがあれば、レコーディングからライブまで、完結できてしまうわけですね。

レコーディングからライブまで、利用することができる

AmpliTube 5には、無料で使えるAmpliTube 5 Custom Shopをはじめ、AmpliTube 5 SE、AmpliTube 5、AmpliTube 5 MAXというラインアップが存在し、それぞれ収録されている機材の数が異なります。

  AmpliTube 5
Custom Shop
AmpliTube 5 SE AmpliTube 5 AmpliTube 5 MAX
価格 無料 19,490円 38,990円 77,990円
収録ギア・モデル数 39 77 177 416
ストンプ 10 19 47 107
アンプ 5 12 34 107
キャビネット 6 13 27 101
キャビネット用スピーカー 3 8 14 31
マイク 3 5 11 18
ルーム 6 6 8 8
ラック・エフェクト 6 14 36 44

表のように機材数が異なるわけですが、新しくリリースされたAXE I/O + AmpliTube 5 MAX Bundleでは、冒頭でもお伝えしたようにAmpliTube 5 MAXを買うと、AXE I/Oというギター専用の高性能オーディオインターフェイスが付いてくるので、これをゲットするのがいいと思います。

AXE I/Oについては以前「ギター入力はHi-Zにするだけで本当にいいのか?自分のギターの力を最大限に引き出せるギター専用オーディオIF、IK Multimeda AXE I/Oの実力」https://www.dtmstation.com/archives/23448.htmlという記事でも紹介しましたが、改めて簡単に紹介します。AXE I/Oは、IK Multimediaが開発したオーディオインターフェイスであり、Z-TONEというツマミを回すことで、入力インピーダンスを自由に変えられる設計になっており、持っているギターを最適な状態でレコーディングできる機材。またパッシブギター、アクティブギターに最適化するPASSIVE/ACTIVEスイッチ、録り段階でトランジスタを通すか選択できるJFET/PUREスイッチが装備されており、リアンプなんてこともAXE I/Oだけで行うことができます。

AXE I/O

ほかにも、ギタリストのために用意された機能が搭載されているので、ぜひ記事をチェックしていただきたいのですが、AXE I/OにはAXE I/O SOLOというギター入力が1系統搭載された、コンパクトモデルも存在します。AXE I/Oがマイク入力を2系統持っているのに対し、AXE I/O SOLOは1系統となっていますが、その分価格も抑えられてるエントリーモデル。もちろん、AXE I/O SOLOにもZ-TONEツマミは付いていますし、基本的な機能はしっかり搭載されています。違いとしては、AXE I/O SOLOではPRESETノブやチューナーが省略されており、電源供給はAXE I/Oが電源アダプタ、AXE I/O SoloがUSBバスパワーとなっています。

AXE I/O(下)、AXE I/O SOLO(上)

AXE I/OかAXE I/O SOLOの選択は自身の環境によって変わってくると思いますが、AmpliTube 5 MAXまたはAmpliTube 5を入手するのであれば、今回リリースされたバンドルセットがおすすめ。現在AmpliTube 5の各グレードのセールが3月31日まで行われているものの、バンドル製品のお得感はすごいですよね。セールではAmpliTube 5 MAXが47,990円となっているものの、少し足せばAXE I/Oが付いてくるので、もしこれからDTMを始めようと思っているギタリストであれば、かなりいいスタートを切れると思いますよ。

 

各種アンプシミュレーターを駆使するギタリストの福地智也さんのコメント

各メーカーからギターアンプシミュレーターが出ており、各社各様の特色がありますが、IK MultimediaのAmpliTubeの最大の特色は、スタジオの中で音を作っているのと同じ感覚で音作りができるので、とても扱いやすくプレイしやすい、というのが以前からの印象です。

今回登場した、AmpliTube 5はさらにその音作りのしやすさを追求した感じで、VIR=Virtural IR機能は大きなポイントだと思います。これまでもアンプの音をマイクで拾うことはできましたが、このVIRではマイクの向きや傾き、距離などが細かく設定できるだけでなく、部屋の壁の材質なども細かく指定できるようになっていて、コンクリートなのか、木材の壁なのか、そのスタジオの大きさがどのくらいなのか……など、まるでスタジオを自分で構築するような感じで音を作っていくことができるのです。

複数のマイクを立てられるのも面白いところです。現実ではフェイズコンフリクトを起こして音が破綻してしまうこともありますが、AmpliTubeではそういう心配はいらないので、より手軽に音作りを楽しめていいですよ。

【関連情報】
AXE I/O + AmpliTube 5 MAX Bundle製品情報
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