毎月のように斬新な新製品をリリースしているドイツ・ベルリンのプラグインメーカー、UJAM(ユージャム)が、今月もまたユニークな新製品をリリースしました。Virtual GuitaristシリーズやVirtual Drummerシリーズなど音源メーカーというイメージも強いUJAMですが、今回リリースしたのはFinisherシリーズというエフェクトの新製品で、Finisher Voodoo(フィニッシャー・ブードゥー)という製品。
名前からして怪しい雰囲気の漂うプラグインですが、これはギター用のかなり斬新なエフェクトで、まさにハイになるほかにはあまりないサウンドを作り出すエフェクト。アコースティックギターに使っても、メタル系のエレキギターサウンドに使っても、アンプを通した音でも、ダイレクト接続のギターでもOK。リアルタイムに演奏する場合でもいいし、ギター音源にかけても、ギターのループ素材に利用するのもあり。実際にはギターサウンドに限らずシンセでもヴァイオリンでも、実はボーカルに使っても面白いサウンドを作り出せるユニークなエフェクトとなっています。実際どんなものなのか使ってみたいので紹介してみましょう。
UJAMがリリースしたギター用エフェクトプラグイン、Finisher Voodoo
UJAMでは、これまでFinisher Neo、Finisher Microというプラグインエフェクトを出していましたが、今回出すFinisher VoodooはFinisherシリーズの3作目。UJAMによると、Finisherシリーズのコンセプトは「フルラックのオーディオプロセッサーのパワーと柔軟性、そして音楽制作のクオリティとスピードを向上させるUJAMのアイデアを融合させたもの」なのだとか……。
まあ、プラグインのギターエフェクト自体は、いまやとくに珍しいものではありません。たとえばIK MultimediaのAmpliTubeやNative InstrumentsのGuitarRigなど、さまざまなメーカーから数多くの優秀な製品が出ています。ただ、その多くはリアルに存在するギターアンプをソフトウェアによるシミュレーション技術で再現させると同時に、さまざまなソフトウェア版のストンプエフェクトを組み合わせて使う…というパターンだと思います。
しかし、このFinisher Voodooは、まさにUJAMオリジナルの、かなり斬新なエフェクト。まずはギターのループ素材に対して、Finisher Voodooのプリセットをいろいろ適用して、どんなサウンドが作り出せるのか試してみたので、以下のビデオをご覧ください。
どんなサウンドを作り出すエフェクトなのか、なんとなくの雰囲気はこのビデオから感じとっていただけたのではないでしょうか? ただ文字が小さくて、詳細が分かりにくかったかもしれません。たとえば2番目のプリセット「Accoustic Sizzle」はこんな画面になっていました。
NOTESには
シズル(ジュージューするような音)、広がり、アニメーション、雰囲気を追加します。
12弦アコースティックギターに特にマッチしますが、幅広く活用できます
またパラメータを見てみると、Focus EQ、Chorus Depth、Effects,Live Stage、Highlighterとなっています。
それに対し、3番目のプリセット「BangBang Tremolo」は次のような画面になっていました。
BangBang Tremoloの画面
こちらのNOTESには
クラシックビンテージアンプでトレモロをかけたサウンドです。
リズムギターなどに対して、いい感じのノイズ感を加えます。
とあり、こちらのパラメータはAmp、Tremolo Depth、Effects,Spring Reverb、Highlighterとなっています。
NOTES部分を日本語で表示してくれると、断然わかりやすくはなるのですが、まあ、音を聴けば雰囲気は十分感じ取れると思います。一方で、見ての通り、5つあるパラメータはまったく違うものになっています。まあ、真ん中のEffects(エフェクトの強さ)、および一番右のHighlighter(フィルター)は共通になっていますが、プリセットごとに異なるパラメータに切り替わる形になっています。
そのプリセット自体は全部で150個以上が登録されており、メニューからも選べるようになっているのですが、実はこのプリセット名と画面中央に表示されているモード名がすべて一緒というわけではないんです。そうプリセットのDefaultのところでは、モード名と一致しているので、これがUJAMのお勧めパラメータ値ということなんだと思います。
そのモードとして用意されているのは全部で50種類。それぞれ、かなり違いサウンドを作り出すものとなっていますが、同じモードを利用しつつ、パラメータの設定の違いで、大きく異なるサウンドものものもいっぱいあるわけですね。
モードを切り替えながらパラメータを見てみると、使われているエフェクトとしてはマルチバンドコンプレッサー、歪み系エフェクト、コンボリューション、モジュレーション系エフェクト、フィルターにEQ、さらにはエンベロープフォロワーやグラニュラーエフェクト……と40種類があり、これらがうまく組み合わされているようです。
Virtual Guitaristと組み合わせて使うのもいい
そんなユニークなギターエフェクトプラグイン、Finisher Voodooをどう活用するかはアイディア次第。オーディオインターフェイスにギターを接続して、リアルタイムに弾いてレコーディングするのもいいし、先ほどのデモのようにループ素材に使ってもOK。もちろん、UJAMのVirtual Guitaristシリーズに利用するのにも相性は抜群です。
また、Finisher Voodoo単独でなくほかのエフェクトと組み合わせて使うのもあり。たとえば、同じFinisherシリーズのFinisher Microは仕上げのタッチを施してトラックを磨き上げる、魔法のお手軽プラグインなので、これを後段に使っているのもいいですよ。ちなみにFinisher Microは現在、SONICWIREで無料配布中なので、とりあえずGETしておいて損はないですよ!
SONICWIREで無料配布中のFinisher Microと組み合わせるのもあり
なお、Finisher VoodooははほかのUJAM製品と同様Mac、Windowsのハイブリッドで、VST、AudioUnits、AAXのそれぞれの環境で利用可能。また、ほかのUJAM製品と同様、30日間は全機能を無料で利用できるトライアル期間が設けられているので、まずは試してみて気に入ったら購入という形がよさそうです。
※2020.5.24追記 UJAMのジャネさんによるプロモーションビデオがUPされたので以下に紹介しておきます。
【関連情報】
Finisher Voodoo製品情報(SONICWIRE:日本語ページ)
Finisher Voodoo製品情報(UJAM:英語ページ)
Finisher Voodoo体験版ダウンロード
Finisher Micro無料配布(SONICWIRE)Finisher Micro無料配布(SONICWIRE)
【価格チェック&購入】
◎SONICWIRE ⇒ Finisher Voodoo
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◎UJAM ⇒ Finisher Voodoo
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