初心者DTMerも大歓迎!『モンスターストライク』メインテーマのリミックスコンテスト開催中

大ヒットアプリ「モンスターストライク」のメインテーマのリミックスコンテスト、「【XFLAG公式】リミックスコンテスト vol.1」が2月4日まで開催されています。これは、「モンスターストライク」を開発するXFLAGスタジオのサウンドチームである「XFLAG SOUND CREATORS」が主催で、DTMユーザーであれば初心者からプロまで誰でも参加できるコンテストです。

審査員によって選ばれた優秀作品が日本コロムビアからデジタル配信されるという企画にはなっているのですが、主催者側に話を聞いたところ、一番の目的は「サウンドクリエイターが集まり相互に交流し、刺激し合う場を作りたい」とのこと。「だからこそ、初心者を含め多くのDTMユーザーに参加してほしい」と話していたのですが、今回のコンテストがどんな目的なのか、どういうものを作ってもらいたいと思っているのかなど、素材を使うコツも含め主催であるXFLAG SOUND CREATORSのタニサトシさんと早坂匠さんにお話を伺ってきました。

XFLAGスタジオが2月4日締め切りでモンストのリミックスコンテスト実施中
昨年12月21日からスタートしているので、ご存知の方も少なくないと思いますが、現在XFLAG SOUND CREAOTRSによるリミックスコンテストが実施されており、その締め切りが2月4日と迫ってきています。

これは「モンスターストライク」のメインテーマをリミックスするというコンテストで、現在、コンテストサイトからダウンロードできる音源を利用して、自分なりの作品にリミックスする、つまり仕立て直して、応募する、というもの。


クリエイターやレコード会社などそうそうたるメンバーが審査員として参加

リミックスコンテストの審査員は、ドラマーの五十嵐公太さん、サックス奏者の武田真治さん、アーティストのDÉ DÉ MOUSEさん、サウンドプロデューサーの近谷直之さん、モンスターストライクBGM作曲担当の桑原理一郎さん、XFLAG SOUND統括リーダーの高津戸勇紀さんなどなど。そうそうたるメンバーが揃っているようです。


リミックスコンテストのサイトから素材をダウンロードできるようになっている

実際どんな内容なのか、見てみると、まず音源素材はリミックスコンテストの特設サイト(https://xflag.com/sound-creators/remix-contest-vol1/)が用意されているので、そこからダウンロードできるようになっています。実際にダウンロードしてみるとわかる通り、ここにはドラムとサックスの素材が入ったフォルダとメッセージが用意されています。

ダウンロードしたZIPファイルを開くとDrフォルダとSaxフォルダ、さらにメッセージのPDFがある(画面はMacの場合)

それぞれの中身を覗いてみると、まずドラムの素材のほうは、BeatsとSamplesが用意されており、ビートはBPM110、BPM140、BPM160の3種類がフォルダで分かれて収録されています。それぞれBeat01~Brat11まで音楽のジャンルごとにBluesやJazz、Rockなど、好きなジャンルを選べるようになっているのが特徴。ジャンルの種類などについては、Messageフォルダに詳細があるので、そこを参考に構成していくとよさそうです。


フォルダに分類される形でWAVファイルが収録されている(画面はWindowsの場合)

サンプルはドラムキットを一発だけ叩いた音が17種類入っています。いわゆるワンショットデータとして入っているのではなく、たとえばスネアなら叩き方を変えながら何度かサンプリングした素材になっているので、自分でうまく切り取って編集して使うのがよさそうですね。ちなみに、ビートもサンプルもフォーマットてきには32bitFLOATの48kHzとなっています。


Samplesのスネアを見てみると、叩き方を変えながら4発叩いた音が収録されている

それに対しサックスは32bit/48kHzと24bit/48kHzの2つのフォルダに分かれて同じものが収録されています。こちらもテンポはドラムと同じくBPM110、BPM140、BPM160の3種類が用意されており、それぞれMelo Hard、Melo Normal、Solo1、Solo2の素材となっています。チェックしてみたところ、サックスのほうの32bitはドラムと違って32bitINTEGER。通常は混在させても問題はないはずですが、気になる方は事前に揃えておいてもいいかもしれませんね。


サックスは32bit/48kHzと24bit/48kHzそれぞれで同じものが複数収録されている

このサックスとドラム、審査員にもなっているドラマーの五十嵐公太さんとサックス奏者の武田真治さんが演奏したもの。ご存知の方も多いと思いますが、五十嵐公太さんはJUDY AND MARYのドラマーで、GACKT、水樹奈々、KinkiKidsなど、数多くのレコーディングやツアーに参加されている方。また武田真治さんもテレビ等でもご活躍されている俳優であり、日本を代表するソロサックスプレーヤーですね。


ドラム素材、サックス素材の演奏は五十嵐公太さんと武田真治さん

この素材を聴くだけでも楽しいのですが、実際にダウンロードして素材をならべてみると分かるように、素材集に近いんですよね。リミックスというと、オリジナル作品を元に組み立てなおすという印象が強いですが、このリミックスコンテストでは素材をそれぞれ1個以上使えば何をしてもいいとのことで、普通のリミックスとはちょっと概念も違いそうな気もします。

そこで、このコンテストはどんな目的で行われているのか、どうやってアプローチすればいいのか、XFLAG SOUND CREATORSのタニサトシさんと早坂さんに伺ってみました。


主催であるXFLAG SOUND CREATORSのタニサトシさん(左)と早坂匠さん(右)

ーー普通のリミックスコンテストとは、ちょっと違った印象を受けましたが、そもそもどんな考えで実施されたのですか?
早坂:普通コンテストというと、1番を決めてデビューさせようとか、宣伝をしようとかが目的である場合が多いと思います。ですが、今回開催しているリミックスコンテストはそれが目的ではないんです。1番の目的はクリエイターが集まって刺激しあえる場所を作るということなんです。そのためのきっかけとして、コンテストを開催するに至りました。こういったこと自体、今後も定期開催を予定しています。ですので、参加する人は初心者でも学生でも、誰でも参加可能で、今までコンテストに参加したことない人でもチャレンジして送ってみると、楽しいと思いますよ。

タニ:われわれXFLAG SOUND CREAOTRSの中にも様々な個性を持ったメンバーが在籍していますが、もっといろいろな人たちと相互交流したい、刺激し合う場が欲しいと思い、こんなコンテストを思いついたんです。今回のコンテストが記念すべき第1回目で、今後コーライトやセミナーなど、どんどんクリエイターが集まれる場所として大きくしていきたいと考えています。


多くのクリエイターのみなさんと交流したいと話すタニさん

--今回、なぜ武田さん、五十嵐さんを起用したのですか?
早坂:武田さん、五十嵐さんに今回の素材提供をお願いしたのは、昨年仕事でご一緒させていただき意気投合することができたからです。これは、このコンテストの目的に通じるところもあり、人と人とのつながりを大切にしました。コンテストを開催するためにとりあえず音源を用意したわけではないんです。音源素材は今回のコンテストのために録り下ろしてもらったものでもあるので、かなり高いクオリティになっています。実は僕自身お二人のファンでもあるので、これが聴けるだけでも楽しいんです。

--とはいえ、素材をどうやって使って、楽曲を作っていいかわからない人もいると思います。そこで、コツなどなにかいいアドバイスはないですか?
早坂:素材をダウンロードして並べてもらうと分かると思いますが、それだけでも形になるんです。今まで作曲したことない方でも、ドラムとサックスがすでにあるので、作りやすいと思いますよ。僕の場合はピアノとベースを重ねただけで、基本的にセッションする形で今回の楽曲を作成しました。リミックスと言ってしまうとハードルが高いと感じてしまう方がいるかもしれませんが、素敵な素材を五十嵐公太さんと武田真治さんが演奏しているので、それに対して得意な楽器でセッションするだけで楽しいですよ。ぜひプレイヤー指向の方も参加してもらいたいです。
タニ:今回の素材に対するアプローチは無数に考えられると思います。たとえば、素材をアンプなどで鳴らして、それを録音するサウンドコラージュ的なことでもいいですし、素材を全部リバースして使ってもいいんです。ドラムをチップチューンのようなサウンドになるまで加工しちゃって使うとか、そんな使い方があったか!となる作品ができたら面白いと思います。素材は1つずつ使いさえすれば何をしてもいいので、楽しく参加していただければと思います。あとは人とのつながりを大切にしたコンテストでもあるので、友達にギターやピアノを弾いてもらったりして、そこからどんどん仲間を作ってもらえたら嬉しいです。


プレイヤーの方ならセッションする感覚で楽しんでもらいたいと話す早坂さん

前述の通り、今回のコンテストは、必ずしも競い合って優秀作品を集めてデビューさせるのが主目的ではなく、サウンドクリエイターの交流の場を作ることが大切とのことなので、そんな仲間づくりをしたい人にとってはいいチャンスになりそうです。もちろん、いい作品として認められれば「B.B.Q. with SOUND CREATORS vol.1」という名前のコンピレーションアルバムとして、日本コロムビアからデジタル配信されるとのこと。残り時間も少ないですが、チャレンジしてみてはいかがですか?

【関連情報】
【XFLAG公式】リミックスコンテスト vol.1