大須賀淳さんお勧めのフリーウェアの最終回となる第3弾。今回はWindowsでもMacでも利用可能なヨーロッパのDAWで、かつ非常に自由度の高いモジュラー音源としても利用可能なMUTOOLSのMU.LABというソフトを取り上げます。
実はこのMU.LAB、以前私もちょっと使ったことがあり、AllAboutのDTM・デジタルレコーディングでも記事にしたことがありました。が、それから1年経ち、機能が微妙に変わっていたり、有償版のバリエーションが増えたりもしていました。
まずは、大須賀さんのコメントです。
フリー版と有償版のある、マルチプラットフォーム対応のDAWです。以前藤本さんも他所で紹介されており、そこそこ知名度のあるソフトですが、今回注目したいのは「パッチ機能」の点。実はMU.LAB内では、オシレーターやフィルター、そして他のVSTプラグインといったモジュールを組み合わせて、自分オリジナルのシンセやエフェクト設定を組む事が可能なのです。解りやすく言うと、例えばYMOのステージで松武秀樹さんのブースにどすーんと設置されている巨大モジュラーシンセと同じような(あるいはそれ以上に自由な)事ができてしまうのです!質素な外観からは想像し難いポテンシャルを是非一度お試しください。
非常に自由度の高いルーティング機能を備えている
基本的な機能説明は、そのAllAboutの記事でそこそこ詳しく書いていたので、そちらを参照いただきたいのですが、確かに大須賀さんがおっしゃるとおり、パッチ機能というかエフェクトやソフトシンセ、オーディオのポートを自在に接続していく機能は秀逸です。まあ、MAX/MSPやReaktorのように音源をゼロから作り上げるということまではできませんが、本当に自由度高くいろいろと組み合わせられるのは楽しいですよ。
もちろんDAWですからMIDIシーケンサとしてもオーディオレコーディング用としても使えますし、WindowsおよびMacのVSTプラグインも組み込んでいけるというのも大きな魅力です。
DVD-ROMでのインストールが当たり前となっている中、MU.LABが非常に軽いDAWであるのも嬉しいところ。実際、最新版のMU.LAB 3.2.7ではインストーラのサイズがWindows版で6.58MB、Mac版で8.83MBと桁違いにコンパクトですから、驚きです。それなのに、これだけの機能を備えているのもビックリですが。
ただ1年前のVer.2の時代はフリーウェアのMU.LAB Freeでも6トラックまで扱うことができましたが、このVer.3では4トラックに制限されてしまいました。またVSTエフェクトおよびVSTインストゥルメントとして組み込めるのは8つまでに制限されてしまったので、この辺がちょっと厳しくなったところですね。
それに対して有償版があるのですが、これも制限がある安いXT(25ユーロ)というバージョンと機能無制限のUL(75ユーロ)と2つのバージョンに分かれました。以前はUnlimitedだけで価格が49ユーロでしたから、実質的な値上げともいえそうですね。人気がある優秀なソフトだけに、ちょっと自信を持ってきたということなのかもしれません。なお、機能差の詳細はこちらをご覧ください。
とはいえ、このフリーウェア版でもかなり遊べますので、一度試してみてはいかがですか?
【MU.LAB】
開発元:MUTOOLS
環境:Windows,Mac
URL:http://www.mutools.com/
【大須賀淳さん】
大須賀淳のロシアンブログ
スタジオねこやなぎ
Twitter:@jun_oosuga