ディレイの問題点を解決したインテリジェント・テープ・ディレイ、iZotope Cascadiaが登場。Plasma、Auroraとの格安セットが12月25日まで発売中

先日11月26日にiZotopeの新製品インテリジェント・テープ・ディレイのCascadia(カスケーディア)が発売されました。これは、シンプルで使いやすいディレイに、Unmaskという独自のパラメータが搭載された製品。ドライ音とディレイの掛かったウェット音、この2つで生じる濁りをコントロールでき、音を立体的に表現したり、逆にオケに溶け込むようなサウンドを簡単に作り出せるようになっています。

価格は新規購入で8,500円(税込)、iZotope製品を持っていれば適応される期間限定のクロスグレード版は6,300円(税込)と、手頃価格で展開。そして、このCascadiaの発売を記念して、先日リリースされたばかりのiZotope Plasma、Aurora、Cascadiaという3つのプラグインがセットになってお得な「Catalyst Series Holiday Bundle」が12月25日までという期間限定で発売されています。Cascadiaを中心に、シンプルながらも非常に強力なPlasma、Aurora、この3つを紹介していきましょう。

Plasma、Aurora、Cascadiaの3つがセットになった「Catalyst Series Holiday Bundle」も発売中!

iZotopeの新製品、Cascadia

iZotopeといえば、マスタリングプラグインのOzone、オーディオ修復ソフトのRX、各トラックをミックスしてくれるNeutron……など、初心者から上級者まで、音楽制作を助けてくれる製品を多数リリースしています。最近では、サチュレータープラグインのPlasma、リバーブプラグインのAuroraなどの新製品をリリースしており、AIによる自動的なものだけでなく、ミックスする際に活躍するプラグインもいろいろ開発しています。

そんなPlasma、Auroraに続いて、リリースされたのが、このCascadia。UIを見てもらえば分かると思いますが、ほかの2つのプラグインと同様にパラメータは非常にシンプル。なのに、すごくパワフルなプラグインとなっているのです。ピンポン、リバース、ヴィンテージディレイも作ることができ、ベーシックな使い方からクリエイティブなサウンドまで作成可能。直感的にコントロールできるし、50以上のプリセットを搭載しているので、初心者でも使いやすく、サウンドがいいので、メインで使うディレイプラグインを探していた方にも最適。そして、ほかのディレイにはない機能、Unmaskを搭載しているので、ドライ信号とウェット信号の濁りを解消することができ、ディレイを掛けるとトラックが前に出てこなくなってしまう問題を簡単に解決できるのです。

シンプルで使いやすく、ドライ音とウェット音の濁りを調整できるUnmaskを搭載したCascadia

では、実際に各パラメータを見つつ、どんなことができるのか紹介していきましょう。トラックにCascadiaをインサートして、Delayのノブを回すと、ドライの信号はそのまま、ディレイ音だけが足されていきます。通常のディレイプラグインであれば、Dry/WetのMIXのノブで、ドライ音とディレイを調整しますが、CascadiaはDelayノブ1個で、調整できるようになっています。

Delayのノブを回すと、ディレイ音だけが足されていく

バスにインサートして、センドで使いたい場合は、Solo Delayボタンを押します。すると、ディレイの音だけが再生されるようになります。

センドで使う際は、Solo Delayボタンをオンにする

ディレイタイムをDAWのテンポに合わせて音符単位で調節することも可能だし、

通常のディレイと同様にDAWのテンポに合わせてディレイタイムを音符で決定できる

音符ボタンを押すと、ms単位で設定することもできます。

DAWのテンポに同期せず、ms単位でディレイタイムを決めることができる

そして、この右にあるピンポンボタンを押すと、ピンポンディレイに切り替えることが可能。

ワンボタンでピンポンディレイに切り替えられる

また、Reverseボタンを押せば、簡単にリバースディレイを作ることができます。

リバースディレイも簡単につくれる

Feedbackでは、ディレイのフィードバックの回数、減衰率を設定でき、

Feedbackでディレイのフィードバック回数を調整できる

Widthでステレオ幅を調整可能。ピンポンディレイのステレオ幅をここで設定できるのは便利ですね。

ステレオ幅を0〜200%で設定できる

Mod Depthでは、ピッチのゆらぎの大きさ、Mod Rateでピッチのゆらぎの早さを調整可能。

Mod DepthとMod Rateでモジュレーションをコントロールできる

そして、Unmaskのスライダーですね。これを下げれば、ドライ音とディレイ音がぶつかっている周波数帯を検出して、マスキングを解消することができます。これにより、ドライ音をクリアに聴かせることが可能。またディレイ音を目立たせなくすることもできるので、ディレイが掛かっている感じは控えめにしつつ、ボーカルをより立体的に聴かせたりなど、さまざまなものに応用することができますね。

Unmaskスライダーで、ドライ音とウェット音の濁りを解消できる

AttackとReleaseでUnmask処理の早さ、Sensitivityで感度を調整可能。

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Unmaskの掛かり方をAttack、Release、Sensitivityで調整可能

Unmask処理のバイパス、Unmask処理で取り除いた音声をモニタリングするボタンも搭載しています。

Unmask処理を無効にするボタン、Unmaskが有効になっている部分だけをモニタリングするボタンを搭載している

また、フィルターも搭載。

画面中央には、視認性に優れたメーター。フィルターを搭載している

そして、ピンポンディレイやダブル、シンプルなディレイから、リバースやMODを使ったクリエイティブなプリセットまで用意されています。

オーソドックスなディレイから、クリエイティブなものまでプリセットを搭載している

以上が、Cascadiaの機能でしたが、いかがでしょうか?シンプルながらも、必要なポイントを抑えつつ、さらにはこれまでのディレイにはなかった便利な機能まで搭載していましたよね。

インテリジェント・リバーブAurora

そして、Auroraですが、これもシンプルながらもリバーブに必要な要素が詰まったプラグインとなっています。ホール、ルーム、チェンバー、プレート、アンビエンス、大聖堂の6つのリバーブを搭載し、ToneはBrigtかDarkのパーセンテージで調整。細かいパラメータがないので、扱いやすく、こちらもUnmaskが付いているので、ドライ音とウェット音を濁らせずにリバーブを掛けることができるようになっています。

シンプルながら優秀なiZotopeのリバーブAurora

インテリジェント・チューブサチュレーターPlasma

Plasmaについては、以前「ゴールとなる周波数に向けてサチュレーションを掛けるiZotopeの画期的新製品、Plasma誕生」という記事で紹介しましたね。こちらは、CascadiaとAuroraが空間系だった一方、サチュレータープラグインとなっています。ゴールとなる周波数を決めて、それに対し最適なサチュレーションを掛けていく、通常のサチュレータープラグインとは違ったアプローチが特徴。音を前に出したり、迫力を付けたり、持っていて損のないプラグインとなっています。

各ソースに最適なサチュレーション感を得ることができるPlasma

Catalyst Series Holiday Bundle 21,500円(税込) 12月25日まで発売中!

そんな2024年9月12日発売のPlasma、10月1日発売のAurora、11月26日発売のCascadiaがバンドルになったCatalyst Series Holiday Bundleが12月25日まで販売中です。この3つのプラグインは、iZotopeの定番バンドルであるMPSやEverything Bundleなどに含まれていないので、今もっともお得にこの3つを揃えることのできるバンドルとなっています。

12月25日までの期間限定発売されている「Catalyst Series Holiday Bundle」21,500円(税込)

この3つのプラグインはすべて新規購入は8,500円(税込)なので、全部買うと25,500円(税込)。Cascadiaの期間限定クロスグレード版価格6,300円(税込)で計算しても、23,300円(税込)。そんな中、Catalyst Series Holiday Bundleは21,500円(税込)となっているので、気になっているのであれば、12月25日までの購入がおすすめですよ。

【関連情報】
Cascadia製品情報
【価格チェック&購入】
◎MIオンラインストア ⇒ Cascadia(通常版) , Cascadia(クロスグレード版)
◎MIオンラインストア ⇒ Catalyst Series Holiday Bundle

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