圧倒的な歌唱力、表現力を持つ、これまでにないAIシンガー、Synthesizer V AI 花響 琴の実力

すでに、その歌声を聴いて驚かれた方も多いと思いますが、本日10月30日、株式会社インターネットより、「Synthesizer V AI 花響 琴(Hibiki Koto)」が発売されました。非常に人間らしくリアルに歌うAI歌声合成エンジンとして広く知られるSynthesizer V AIではありますが、花響 琴はその中でも最高レベルの歌唱力を持つと同時に、幅広い表現力を持った歌声データベースになっており、従来の歌声合成の世界観とは一線を画すこれまでにない歌声を実現するものとなっています。

まさに圧倒的な歌唱力の本格派シンガーであるデフォルトのボーカルスタイルに加え、優しく歌うBallade、かわいい声で歌うCute、暗い声で歌うDark、ミュージカル風に歌うMusical、Falsetto(ファルセット)、パワフルに歌うPowerと、さまざまな歌い方ができるのも花響 琴の大きな特徴。そして、そのAIボイスの歌声の学習元となっているCV担当が、シンガーの立花れおん@Singer_illusion)さんです。VOAT「レ・ミゼラブル」ガラ・コンサートファンティーヌ役出演したこともある立花さんの歌声をリアルに再現できるSynthesizer V AI 花響 琴とはどんな音源なのか、紹介してみましょう。

Synthesizer V AI花響 琴がインターネットから発売された

驚くべき歌唱力を持つ、新たなAIシンガー、花響 琴

Synthesizer V AI 花響 琴についてご存じない方、実際の歌声を聴いたことがない方もいると思います。いろいろ細かな説明は抜きに、まずは以下の公式デモソングを聴いてみてください。

いかがですか?これまでさまざまな歌声合成ソフト、歌声合成ライブラリがある中で、ミュージカルが歌えるライブラリって存在しなかったと思います。もちろん、歌うことができたかもしれませんが、ここまで本格的にミュージカルとして成り立つ歌声はなかったと思います。

またこの公式デモソングにおいて、何かすごく特別な調声をしたというわけでもないようです。ボーカルスタイルとしてMusical、Power、Balladeを混ぜ合わせるとともに、ラウドネスパラメーター、テンションパラメーターを多少いじっている程度で、ほぼベタ打ちで、これだけのものを歌っているとのことです。

非常にバリエーション豊富な表現力を持っている

でも、この公式デモソングを聴いて「すごいのは分かるけど、別にミュージカル曲を作るわけじゃないから……」と躊躇してしまう方もいるかもしれません。でも、花響 琴はミュージカルのために生まれたAIシンガーというわけではありません。当然ロックも歌えるし、ポップスも歌えるし、ジャズなんかでもカッコよく歌えるAIシンガーなんです。

具体的にはデフォルトのほかに

Ballade
Cute
Dark
Musical
Falsetto
Power

という6種類のボーカルスタイルを持っていて、それぞれによってかなり違った歌い方になるのです。そんなボーカルスタイルを切り替えるとどんな歌声になるのかを紹介するビデオもあるので、こちらをご覧になってみてください。

それぞれのスタイルによってかなり歌い方が変わるのが分かると思います。またこうしたバラードやロック、ポップスにおいても、非常に強力な歌唱力を持っていることが分かるでしょう。

なかには「そうはいっても、曲が違うので、スタイルの違いが比較しにくい…」という方もいると思います。そこで、まったく同じ曲をスタイルを切り替えて歌わせたのがこちらです。

これを聴くと、歌声の表現力の豊富さに驚かされるのではないでしょうか?

Synthesizer Vを使ったことのある方ならご存じのとおり、このボーカルスタイルはBalladeの歌声、Cuteの歌声…と完全に切り替えることができる一方、混ぜ合わせることができるのも面白いところ。それぞれのパラメーターを0~150%の範囲で調整していくことができるので、Powerをやや極端に表現したいなら150%にするのもいいし、ちょっと暗めだけどかわいい声にということならCuteとDarkをそれぞれ80%程度に上げる……なんて使い方が可能になっています。こうすることにより、自分だけの歌声を作っていくことができるのです。

ボイススタイルのパラメータを調整することで、歌い方を大きく変えていくことができる

VOCALOID 6と同時にSynthesizer V AIの開発をしていた

ご存じの方も多いと思いますが、この花響 琴は今年4月に「VOCALOID 6 花響 琴」という製品が先に出ていました。名前からもわかる通りVOCALOID 6のボイスバンク。その公式デモソングが以下のものです。

確かに、花響 琴の歌声ではありますが、ここがSynthesizer V AIとVOCALOIDの違いであり、どちらがいい悪いではなくて、それぞれのソフトの方向性の違いであって、どんな曲で使いたいのか、どんな歌わせ方をしたいのかによって、選ぶ製品が変わってくるということのようです。

花響 琴のプロデューサーでもある株式会社インターネットの代表取締役、村上昇さん

先日、DTMステーションの姉妹番組であるDTMステーションPlus!においてインターネットの社長である村上昇さん、花響 琴の中の人である立花れおんさんをゲストに、「Synthesizer V AI 花響 琴特集」の番組をお送りしましたが、この中で、村上さんは

「もともとアタック感があって、しっかり歌うタイプのキャラクタを作りたいと思っていて、さまざまなボーカリストの歌声を聴きながらいい人を探していました。そうした中、知人からの紹介で立花さんの歌声を聴いて、この人しかいない、とお願いしたのです。立花さんのYouTubeチャンネルを拝見し、ミュージカルが歌えたり、迫力ある歌い方があったり、かわいい歌い方ができるなど、いろいろな歌い方ができることも立花さんにお願いした大きな理由です」と語っていました。

花響 琴はアタック感があって、しっかり歌うキャラクタを作りたい、という思いから作られた

「最初にVOCALOID 6のボイスバンクから製品化したのですが、最初に企画した段階で、VOCALOIDとともにSynthesizer V AIで出したいと決めていて、その上でレコーディングを行っていきました。最初にVOCALOID/Synthesizer V AI用に結構な曲数を録っていきましたが、それがひと段落してから、Synthesizer V AIのボーカルスタイルを録っていった感じですね。本当はもう少し早くこのSynthesizer V AI 花響 琴を製品化するつもりではいたのですが、制作にいろいろと時間が経ってしまい、この時期になりました」と村上さん。

10月1日に配信されたDTMステーションPlus!の番組での記念撮影

 

立花れおんさんの歌声を忠実に再現するSynthesizer V AI 花響 琴

この番組内では、Synthesizer V AI 花響 琴について、いろいろと紹介していた一方で、ぜひチェックしていただきたいのが、立花れおんさんの実際の歌唱です。何曲か歌ってもらっていますが、まずは、冒頭のデモを本人に歌ってもらったシーンがあるので、こちらをご覧ください。

若干リバーブをかけただけですが、Synthesizer V AI 花響 琴の歌声、声質、歌い方とそっくりであることが分かると思います。ただ、やはりほぼベタ打ちのSynthesizer V AI 花響 琴と比較すると、立花さんの生で歌っているシーンのほうが、感情豊かな歌い方になっていますかね。

花響 琴の中の人である、シンガーの立花れおんさん

もうひとつ番組内でSynthesizer V AI 花響 琴と立花さんの歌唱の面白い比較をしているので、こちらも聴いてみてください。

これはオケなしでPowerのベタ打ちと立花さんのアカペラ比較。すごい高い再現性を実現しているのが分かるのではないでしょうか?

基本的にはベタ打ちで十分な威力を発揮してくれるSynthesizer V AI 花響 琴ですが、ちょっとハスキーな雰囲気にっせるにはブレスを混ぜるのも手とのこと。たとえば一つの音符の中で冒頭はブレスがなく、最後のほうに向けてブレス多めにしていくといったパラメータ調整をするとそれっぽくなるのだとか。

また、ラウドネスを上げると音量が上がる一方、テンションを上げると声に張りがでるので、これを同時に動かすことで感情表現をつけやすくなるとのことなので、ぜひ試してみていただければと思います。

なお、インターネット社からは、ほかにもSynthesizer V AI 花響 琴に関するいろいろなデモが公開されています。以下のプレイリストからぜひチェックしてみてください。

商品ラインナップは4種類。公式MMDモデルの配布もスタート

以上、Synthesizer V AI 花響 琴について紹介してみましたが、いかがでしょうか?
製品ラインナップとしては

Synthesizer V AI 花響 琴(パッケージ版)
9,800円(税別)/10,780円(税込)
Synthesizer V AI 花響 琴(ダウンロード版)
8,800円(税別)/9,680円(税込)
Synthesizer V AI 花響 琴 Studio Pro スターターパック(パッケージ版)
18,000円(税別)/19,800円(税込)
Synthesizer V AI 花響 琴 Studio Pro スターターパック(ダウンロード版)
18,000円(税別)/19,800円(税込)

の4種類があり、ユーザーのニーズに応じて選択することが可能です。スターターパックは、エディタであるSynthesizer V Studio Proと歌声ライブラリであるSynthesizer V AI 花響 琴をセットにしたものなので、すでにSynthesizer V Studio Proを持っている方であれば、上の2製品のいずれかを入手すればOK。とくにパッケージ版にこだわらないのであれば、ダウンロード版が安く入手できますね。またすでにインターネット社製品をお持ちの方であれば期間限定の優待販売価格で入手できるので、インターネット社サイトのマイページをチェックしてみてください。

【関連情報】
Synthesizer V AI 花響 琴製品情報
VOCALOID 6 花響 琴製品情報
花響 琴 X公式アカウント @HibikiKoto0418

【価格チェック&購入】

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