トップレベルのホームスタジオ環境に最適化された、コスパ抜群の新製品、Apogee Symphony Studioシリーズ登場

Apogeeから新時代の制作環境のために設計された新製品のSymphony Studioシリーズが発表されました。ホームレコーディングのレベルがどんどん上がっている昨今、イマーシブ制作にも対応し、フラグシップモデルSymphony I/O MKIIシリーズと並ぶ性能と音質を兼ね備えつつも、ターゲットをホームスタジオに絞ることにより、コストパフォーマンスを高めた新シリーズが登場したのです。そんなSymphony Studioシリーズは、入出力違いで3つのラインナップ、8in/8outのSymphony Studio 8×8(440,000円税込)、2in/12outのSymphony Studio 2×12(319,000円税込)、8in/16outのSymphony Studio 8×16(550,000円税込)で展開されています。

インプットとアウトプットで、それぞれ専用のDSPを搭載し、入力に対してDSPでEQやコンプを掛けるとともに、出力側ではイマーシブに必要なモニター補正をDSPで処理する、といったことが可能。サードパーティ製の補正ツールにも対応予定で、ホームスタジオでも完璧に調整された環境を実現することが可能です。また、ラインアウトには最新のESS Sabre DACチップ(ES9027PRO)を採用。さらにヘッドホンでの制作が多いホームスタジオ環境のために、ヘッドホンアウトにも独立したESS Sabre DACチップを搭載しています。インプットでは、フラグシップモデルと同じAKM AK5574を搭載し、Symphony I/O MKIIシリーズと同様の24bit、最高192kHz、ダイナミックレンジ AD124dB、DA129dBという音質と性能を兼ね備えています。現代の音楽制作に最適化されたSymphony Studioシリーズがどんな製品なのか、その概要を紹介していきましょう。

シンプルながらも必要な機能を詰め込んだ、最新鋭のオーディオインターフェイスApogee Symphony Studioシリーズ

DTMユーザー向けのBOOMとDuet。プロユーザー向けのSymphonyシリーズ

Apogeeといえば、もともとはプロ用機器として展開していたので高嶺の花という印象でしたが、最近はDTMユーザーでも手の届きやすい製品を展開してきています。特にDuetは10万円程度の価格設定で、本格的なホームスタジオ環境を作りたいユーザーに大ヒット。2022年には、その下位モデルとしてBOOMが誕生したり、エントリーから本格的なDTM環境まで対応する製品が充実しています。

エントリーモデルのBOOMとその上位モデルで大ヒットオーディオインターフェイスのDuet 3

そして、さらにその上位モデルのプロ向けとして展開されているのがSymphonyシリーズ。ApogeeのフラグシップモデルであるSymphony I/O MKIIシリーズを筆頭に、そのデスクトップモデルとしてSymphony Desktopが展開されていました。Symphony I/O MKIIシリーズは、音質やワークフローを徹底的にこだわり抜いた製品となっており、拡張性が高く、まさにレコーディングスタジオの業務機器となっています。一方、Symphony Desktopは、プロ用のDTM仕様となっており、レコーディングスタジオで使う機材ほど、入出力数や拡張性はいらないユーザー用に最適化されているので、価格を若干抑えつつ、最高クラスの音質を実現しています。

ApogeeのフラグシップモデルSymphony I/O MKII

そんなSymphonyシリーズに今回新しく仲間入りしたのがSymphony Studioシリーズです。このSymphony Stuidoシリーズのポジションは、Symphony DesktopとSymphony I/O MKIIシリーズの中間。大規模なレコーディングスタジオほどの機能はいらないけれど、Symphony Desktopよりも入出力とスマートなモニター・コントロール機能が必要な方向けの製品となっています。小規模なレコーディングスタジオやプロ仕様のホームスタジオに最適な製品で、最高音質で通常のレコーディング業務を完璧にこなしつつ、イマーシブオーディオの制作も可能な、Symphonyグレードとしてはコスパの高く、最強のマシンとなっています。

SymphonyシリーズのデスクトップモデルSymphony Desktop

Symphony Studioシリーズは、冒頭でも書いたように3つのラインナップで展開しており、どのラインナップもMac/Win対応でUSB-C接続となっています。違いは入出力数で、価格は以下の通り。

Symphony Studio Inputs
Mic/line
Outputs Immersive Audio 価格(税込)
8×8 8 8 最大7.1 440,000円
2×12 2 12 最大7.1.4 319,000円
8×16 8 16 最大9.1.6 550,000円

シンプルながらもプロのホームスタジオに完璧にマッチするSymphony Studioシリーズ

Symphony Studio 8×8は、最大7.1chまで対応しており、8chのインプットを持っているので、楽器や機材を接続しておきたい、ホームスタジオプロデューサーやミュージシャン向けとなっています。Symphony Studio 2×12は、ステレオから7.1.4chまで多彩なモニターセットアップを構築でき、Atmosミックス環境を導入するのに最適。インプットは2chなので、レコーディングはボーカルレコーディングに特化した作りとなっています。そして、最もチャンネル数の多いSymphony Studio 8×16は、9.1.6chまで対応しているとともに、Symphony Studio 8×8と同じ8chの入力を持ち合わせているので、レコーディングも行うし、より多くのスピーカーを使用するユーザー向けとなっています。

8つのマイクプリを搭載し、最大9.1.6chまで対応しているSymphony Studio 8x16Symphony Studioシリーズ、3機種の違いは入出力だけとなっているので、AD/DAの性能や機能、音質はすべて同じ。まず特徴として、DSPをインプット用とアウトプット用とそれぞれ別々に搭載しているということ。これによりインプット側ではレコーディング段階でゼロレイテンシーでエフェクトを掛けられることが大きなポイントとなっています。

インプットDSPで処理をするECS Channel Stripベースのプロセッサ

一方で、アウトプット用のDSPでは、イマーシブ環境に必要なモニター補正のためのEQ,ディレイ、ベース・マネージメントを搭載。PCに負荷を掛けることなく、処理することが可能となっています。これにより、キャリブレーション機能を装備していないスピーカーでも、そのスタジオにマッチした鳴らし方が可能になるのです。今後サードパーティ製の補正ツールにも対応予定となっているとのことなので、この点にも期待したいところです。

アウトプットDSPで処理を行うイマーシブ・オーディオ・モニター環境に必須の補正、マネージメント機能

基本となる性能はプロクオリティ。加えてイマーシブオーディオにも対応している

また、イマーシブオーディオにも最適化されたモニターコントロールを実現しており、Symphony I/O MKIIシリーズに最近のアップデートで追加された最新の機能も搭載。

使用するスピーカーのセットアップを設定、保存するモニターワークフロー機能を搭載

たとえば、ステレオ、7.1.4、9.1.6、Aのモニタースピーカー切り替え、Bのモニタースピーカー切り替え、Cのモニタースピーカー切り替え…など、モニターコントロールをプリセットとして保存して、素早く切り替えたり、サブウーファーを2台使うことができたり、さまざまなモニターシステムに柔軟に対応しています。

DSPでスピーカー補正を行える

別売ではありますがApogee Control 2というリモートコントローラーにも対応しています。このApogee Control 2を使うことで、サンプルレートなどの本体設定はもちろん、モニター・ミックスの設定、ループバックを含むルーティングなどをコントロールできるようになり、レコーディングやミックスなどの作業をスムーズに進めることができるようになっています。

本体の設定、モニター・ミックスの設定、ルーティングなどをコントロールするApogee Control 2

フラグシップモデルと同じチップを搭載

さて、前述した通り、Symphony Studioシリーズに搭載しているAD/DAチップは、フラグシップモデルと同様で、最新のESS Sabre DACチップ(ES9027PRO) をラインアウトとヘッドフォンアウトに独立して搭載しています。またSymphony I/O mk2 SEモデルと共通のADCチップ、AKM AK5574を搭載。ADのダイナミックレンジは123dB、DAは129dB、マイクプリアンプのゲインは75dBと、スペックだけを見ても、かなり性能が高いことを確認できます。

またApogeeの特徴でもある、ゼロオームヘッドフォンアウトを搭載しているため、ヘッドホンのインピーダンスに関わらず、安定したサウンドを再生することが可能。現代の音楽制作はレコーディングスタジオではなく、ホームスタジオに遷っている関係もあり、ヘッドホン中心の環境となっています。そんな現代の音楽スタイルに合わせて、ヘッドホンセクションに独立してチップを搭載しているところから分かるように、Symphony Studioシリーズは、ヘッドホン出力の音質にもかなりこだわりをもって開発しています。

Symphony Studio 8×16のシステムセットアップ

ほかにも、David Bowie、Bruce Sringsteen、TOTO、Bryana Adams、The Rolling stones、Bon Jovi、INXS……とさまざまなヒット作を手掛けてきたエンジニアBob Clearmoutainが監修したECS Channel StripベースのEQ、コンプレッション、サチュレーションを搭載していて、これをインプットDSPで処理できるなど、シンプルながらも必要なものが全部詰め込まれています。

以上、Symphony Studioシリーズについて、その概要を紹介しました。優れたコストパフォーマンスで、Symphonyグレードの音質を持ちつつ、イマーシブにも対応している、最新鋭のオーディオインターフェイスとなっていましたね。ぜひ、イマーシブオーディオの導入を検討している方は、Symphony Studioシリーズをチェックしてみてはいかがでしょうか?

 

Apogee Symphony Studio早期予約特典

Apogee Symphyony Studioシリーズの発売を記念し、この新シリーズ3製品のうちいずれかを予約注文した方、先着20名にヘッドホンアンプのApogee Groove 40th Anniversary Editionをプレゼントするキャンペーンが実施中です。このApogee Groove Anniversary Editionは大人気製品であった初代GrooveからDA変換を32bitに進化させたDAC、ヘッドフォン・アンプ。通常価格が54,800円というものなので、大きなチャンスになりそうです。

Apogee Groove Anniversary Edition

【関連情報】
Symphony Studioシリーズ製品情報
【価格チェック&購入】
◎MIオンラインストア ⇒ Symphony Studio 8×8
◎MIオンラインストア ⇒ Symphony Studio 2×12
◎MIオンラインストア ⇒ Symphony Studio 8×16

モバイルバージョンを終了