画期的アイディアで、自宅でのクリエイト作業を完全網羅するAustrian Audio MiCreatorシリーズが新登場!

Austrian Audioから、本格的なレコーディングを行えるポケットサイズのUSBマイクMiCreator Studioが発売されました。Austrian Audioは、まだ日本に上陸してから5年ほどの新しい会社ですが、その完成度から業界で高い評価を受けており、実際プロの現場でよく見かけるメーカー。そんなAustrian Audioの新作がMiCreatorシリーズ。そのメインとなる製品が、MiCreator Studioというマイクで価格は、29,700円税込。この手頃な価格であるのにも関わらず、マイク単体の音質が高いのはもちろんのこと、まさに画期的アイディアにより、その拡張性がすごいのです。

MiCreator StudioMiCreator Satellite(15,400円税込)を繋ぐことで、マイク2本が同時に使用可能になります。これまで、USBマイクで2本のマイクを使えるケースはなかったと思うので、これだけでも驚き。マイクを2本使うことができると、ステレオ録音を行うのはもちろんのこと、弾き語りでボーカルとアコギにマイクを立てられたり、2人での対談を行うこともできますよね。さらに、MiCreator Studioにギターやキーボードを接続して録音も可能。またMiCreator Y-Lav(7,920円税込)というピンマイク製品も用意されているので、インタビューや配信などにも利用できるのです。そして、MiCreator StudioとMiCreator Satellite、リンクケーブルやORTF方式のステレオ・セットアップを簡単に行えるバー、システムの持ち運びに便利なキャリーケースなどセットになったのMiCreator System Set(44,000円税込)も発売されています。見たことのないアイディアが詰め込まれた、かなり使いやすいシステムであるMiCreatorシリーズについて紹介していきましょう。

自宅でのクリエイト作業を完全網羅するAustrian Audio MiCreatorシリーズが発売開始

プロ御用達のAustrian Audio

Austrian Audioは、2017年7月1日にオーストリアのウイーンで創業した、オーディオ機器メーカー。AKGの元社員約30人で設立したということで、注目度も高く、コンデンサーマイクのOC818やOC18は、プロからも高評価。また、モニターヘッドホンシリーズも、プロの現場で使用されています。過去には、「個体感度差1dB以内の高精度を誇るマイクを開発する、Austrian Audioの秘密」や「元AKG社員約30人が集まってできたメーカー、Austrian AudioのフラグシップヘッドホンHi-X60、Hi-X65」「C414の伝統を引き継ぎつつ、現代にマッチしたモダンマイクが誕生!元AKG社員約30人が集まってできたメーカー、Austrian Audio始動」といった記事も書いているので、興味のある方はぜひこちらもご覧ください。

MiCreatorシリーズのラインナップ

さて、今回発売されたMiCreatorシリーズのラインナップとその税込みの実売価格は以下の通り

・MiCreator Studio (29,700円)
・MiCreator Satellite (15,400円)
・MiCreator Y-Lav (7,920円)
・MiCreator System Set (44,000円)

MiCreator Studioは、メインのUSBマイクとなっており、MiCreator SatelliteはMiCreator Studioに繋いで使用するマイク。MiCreator Y-LavもMiCreator Studioに接続するタイプのピンマイク。MiCreator System Setは、MiCreator StudioとMiCreator Satellite、そのほかアクセサリーがセットになった製品となっています。

MiCreator System Setは、MiCreator StudioとMiCreator Satellite、そのほかアクセサリーがセットになっている

MiCreator Studioを買った後に、必要になったらMiCreator Satelliteを買い足すという形でももちろんOKですが、それぞれを買い集めるより、MiCreator System Setを買ってしまった方が1,000円ぐらいお得にゲットすることができます。またMiCreator System Setには、MiCreator StudioとMiCreator Satelliteが綺麗に収納できるキャリーケース、ステレオで使うときに便利なバーも同梱されているので、個人的にはこちらがおすすめ。

持ち運びに便利なキャリーケースもついてくる

MiCreator Studioは、高品質なマイクとしてもオーディオインターフェイスとしても使用できる

MiCreator StudioはUSBマイクというよりも、本体にギターを接続して録音することもできるので、オーディオインターフェイスとマイクが一体化したオールマイティな製品といえます。Austrian Audioが作っているだけあって、音質のクオリティはかなり高く、マイク部分とA/Dが一体化してるからこそなのかもしれませんが、もっと上の価格帯のマイクと比べても遜色ないレベル。クセが少なく、クリアでナチュラルな音質なので、ボーカルでも楽器でも、なんでもいい音で収録可能です。

USBマイクとしても、ここにギターなどを繋いでオーディオインターフェイスとして使用できる

オーディオインターフェイスとマイクを用意するとそこそこの値段になるし、一方従来のUSBマイクだとマイクの本数を増やすのは難しいし、ものによってはボーカルのレコーディングに向いてないこともあります。これまでの選択肢にはなかった、価格とできることのバランスがちょうどいいのが、MiCreatorシリーズなのです。

そんなMiCreatorシリーズの中核を担うのが、MiCreator Studio。本体マイクは単一指向性、最大SPL 130dBの設計なので大音量にも対応。筐体は金属製となっており、重さは370g。ずしっとした重さで、耐久性は高そう。安っぽさはまったくなく、ヘッドの角度を変えることができるので、机の上に直接置いて使用することもできます。

ヘッドの角度を変えることができるので、机の上に置いて使用することもできる

底面にはゴム足と、マイクスタンドに取り付けるための穴が空いています。

底面にはゴム足と、マイクスタンドに取り付けるための穴が空いている

また、フロントとリアのフェースプレートは交換可能で、付属している赤のプレートに交換したり、公式が用意しているMiCreatorフェース・プレート・デザイン用テンプレートを使って3Dプリンターでオリジナルプレートを作ることもできます。また、フロントとリアのそれぞれ2枚、白と黒のプレートがセットになったMiCreator Studio用DIYフェースプレートも販売されているので、これを使ってオリジナルを作ることも可能。

プレートは自分好みにカスタマイズ可能

フロントには、ゲイン/ミュートスイッチとボリューム/バランスジョグホイールが搭載されています。MiCreator Studioのゲインは3段階で、low(0dB)とhigh(+20dB)とミュートが用意されています。トークや繊細な歌はhighにスイッチを切り替え、ドラム、ギター、管楽器、大音量のボーカルなどの信号が大きい場合はlowがおすすめ。

フロントには、ゲイン/ミュートスイッチとボリューム/バランスジョグホイールを搭載

ボリューム/バランスジョグホイールでは、LEDが緑の場合、リアに接続したヘッドホンのボリュームを操作できます。

ジョグホイールで、ボリュームを変更できる

高機能で使い勝手も抜群

ジョグホイールを押すと、LEDバーが赤色モードになるのですが、この状態ではダイレクトアウトとDAW後の音量のバランスを調整することが可能。ボーカル録音中にレイテンシーを感じる場合は、これを左側に回すことでダイレクトアウトの音が大きく再生されるようになるので、歌いやすくなります。ただし、左に回し切ってしまうと、リバーブなどが一切耳に返ってこなくなってしまうので、ちょうどいいバランスを調整すればOK。操作がとてもシンプルで簡単なのも嬉しいところですよね。

押すとLEDバーが赤色モードになり、ダイレクトアウトとDAW後のバランスを変更可能

一方リアには、highとlowのスイッチ、in/outジャック、outジャック、USB端子が用意されています。in/outジャックには、入力として付属のケーブルを使ってMiCreator Satelliteを接続したり、楽器を接続したり、また出力としてヘッドホンを接続することができます。マイクであると同時にオーディオインターフェイスでもあるので、ここにあらゆるデバイスを接続することが可能なわけです。この入力のゲインはhighとlowのスイッチで切り替えます。たとえば、アクティブピックアップを備えたキーボードやギターなどの楽器を接続する場合は、スイッチはlowに切り替えるのがおすすめ。そしては、outにはヘッドホンを繋ぐことが可能。

付属のケーブルを使ってリアにギターやキーボードを接続することもできる

そして、USB端子から付属のUSB-Cケーブルを使って、Windows、Mac、Linux、Android、iPhone、iPad、ソニー PS4、PS5とあらゆるデバイスに接続可能。ただし、専用のドライバは用意されていないので、WindowsだとWindows AudioやMMEドライバを使うかASIO4ALLなどを利用する必要があります。一方MacであればCore Audioで接続します。Macの場合だと、レイテンシーを短くすることが可能ですが、Windowsだと音の遅れやや大きくなってしまうので、ジョグホイールでうまくダイレクトアウトの音量とDAW後の音量を調整する必要がありますね。

付属のUSB-Cケーブルを使って、あらゆるデバイスと接続できる

マイクを拡張するMiCreator Satellite

さて、ここまでMiCreator Studioについて見てきましたが、MiCreator System Setに入っている、もう1つのマイクMiCreator Satelliteについても簡単紹介しましょう。MiCreator Satelliteの端子類は、MiCreator Studioに繋ぐためのlink端子とヘッドホンアウトのためのout端子のみが用意されています。前述の通り、MiCreator StudioにMiCreator Satelliteを接続することで、2本目のマイクとして使うことができるので、対談やステレオレコーディングが可能になります。

MiCreator Satelliteがあるとステレオレコーディングもできる

ちなみにMiCreator System Setには、ORTF方式のステレオセットアップを簡単に行えるバーというものも付属しています。ORTF方式のステレオセットアップというのは、フランスの国営放送局ORTF (フランス放送協会、Office de Radiodiffusion Télévision Française)で考案されたステレオ方式で、2本の単一指向性マイクロフォンのマイク間隔を17cm、開き角度を110°にするセッティング。MiCreator StudioとMiCreator Satelliteを合わせることで、本格的なステレオレコーディングが可能なのです。

MiCreator System Setに付属しているバーを使うと、ORTF方式のステレオセットアップを簡単に行える

もちろん、MiCreator Satelliteは単体でも使用することができます。先ほどMiCreator Studioに接続したケーブルをPCやスマホに繋ぐことで、普通にマイクとして使用することができるのです。その際、MiCreator Satelliteにあるout端子にイヤホンを接続すれば、会話をモニタリングすることも可能。ただ、このセットアップでのボーカルレコーディングは難しいので、オンライン会議やトーク配信など、手軽に使いたい場面で活用するといいと思います。

MiCreator Satelliteは単体でも使用できる

ちなみにMiCreator System Setに同梱されている内容は以下の通り。

MiCreator Studioマイクロフォン
MiCreator Satelliteマイクロフォン
HXCU1M2 USB Type-Cケーブル(1.2M)
MCC1インストゥルメント・ケーブル(2M/6.3mm TS <-> 3.5mm TRRS)
MCC2リンク・ケーブル(1.4M/3.5mm TRRS <-> 3.5mm TRRS)
MCSCキャリー・ケース
MCMBミニバー
MCTAマイク・スタンド用変換アダプター2個
交換用レッド・プレート(裏/表)
バンドル・ソフトウェア用バウチャー・カード
マルチランゲージ版クイック・スタート・ガイド

ピンマイクタイプのMiCreator Y-Lavも発売されている

最後にMiCreator Y-Lavについても少し触れておきましょう。このアナログラベリアマイクは、TRRSジャックプラグを備えているので、PCやスマホに繋いでも普通に使用することが可能。形は違えど、マイク付きのイヤホンと同様に動作するのです。また、3.5mmのイヤホンジャックもあるので、ここにイヤホンを接続することもできます。もちろんMiCreator Studioに接続することで、最高音質で音を収録可能。ピンマイクが必要な場面で選択することができます。

以上、MiCreatorシリーズについて紹介しました。MiCreator Studioは、マイクのような、オーディオインターフェイスのような、ありそうでなかった製品でしたね。USBマイクというイメージよりも、マイクとオーディオインターフェイスがくっついたという方が正しいかもしれません。外部からの入力もできるし、本体のマイクもそのまま収録できるし、本体はコンパクトだし、いろいろな場面で活躍すること間違いなしですね。

【関連情報】
Austrian Audioサイト
MiCreator Studio

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