インドのプラグインメーカー、Pitch Innovationsから、無限のグルーブを生成するというユニークで画期的なプラグイン、Groove Shaperが新登場しました。Pitch Innovationsは音楽制作のための革新的なプラグインを開発しているインド・チェンナイにあるメーカー。以前DTMステーションでも紹介したことのある、手持ちのMIDIキーボードをMPE対応にする画期的プラグインFluid Pitch、コードからコードへのベンディングを実現する画期的なプラグインFluid Chordsといった、ユニークかつクリエイティブな製品をリリースしているのが、この会社の特徴です。愛用しているユーザーには、2度のグラミー賞とアカデミー賞を受賞した作曲家のAR Rahman、Dream TheatreのJordan Rudessなどがおり、日本ではまだまだ知名度が低いものの、世界では多くのプロから評価されています。
そんなPitch Innovationsの新製品、Groove Shaperは、名前の通りグルーブを簡単に作成することのできるプラグイン。シェイプブロックと呼ばれる、丸、三角、四角のアイコンを並べると、さまざまなリズムを作り出すことができ、指1本で鳴らした1つのノートをグルーブ感あるフレーズにすることが可能。また、DAWに付属しているMIDIループなどをGroove Shaperで、魅力的なフレーズに変えることもできるので、初心者でも扱いやすい製品となっています。価格は通常8,192円(税込)と手ごろな価格なのもうれしいところです。そんな現在持っている音源やMIDIループなどの可能性を広げてくれるGroove Shaperについて紹介していきましょう。
ユニークで画期的な製品を開発するPitch Innovations
「コードからコードへのベンディングを実現する画期的なプラグイン、Fluid Chordsが誕生」という記事や「インドメーカーが開発。手持ちのMIDIキーボードをMPE対応にする画期的プラグイン、Fluid Pitchが国内発売開始」という記事で紹介したことのあるPitch Innovations。インド・ムンバイに拠点を構える同社は、非常にユニークなソフトをリリースしており、これまでできなかったことを可能にしてくれたり、すでにある環境で表現できる幅を広げてくれる存在です。
◯、△、⬜︎のアイコンを並べてグルーブを作り出すプラグインGroove Shaper
そんなPitch Innovationsの新製品として、Groove Shaperが登場しました。スタンドアローンまたはAU、VST、VST3対応のこの製品がいったいどんなものなのか、まずは以下の動画をご覧ください。
Groove Shaperは、指先のシングルノートから無限のグルーブを生成することのできる製品。簡単にいうと、シーケンサー。ただもちろん、普通のシーケンサーとは違い、丸、三角、四角、五角…のアイコンを並べて、リズムを作成していきます。それぞれのアイコンの形は、それぞれの音符に対応しており、たとえば3つの面を持つ三角形は3連符のリズムに対応し、5つの面を持つ五角形は5連符のリズムに対応しています。
さらに、それぞれのアイコン、たとえば四角形であれば、4つの音に対して、それぞれベロシティ、ノートの長さ、ディレイを調整できるので、グルーブ感溢れるリズムを手軽に作成することができるのです。ドラム、パーカッションはもちろんのこと、シンセフレーズにも使うことができ、ありふれたフレーズもより新鮮なフレーズへと進化させてくれます。
普通のインストゥルメントと同様にGroove Shaperを起動する
実際の使い方を見ると、どんな製品なのか理解が深まると思うので、簡単にGroove Shaperを使って、何の変哲もないサウンドをグルーブのあるフレーズにしていこうと思います。前述の通り、Groove Shaperはスタンドアローンでも起動しますが、今回はDAWで立ち上げて使用していきます。ちなみにGroove Shaperは、性格上はMIDIプラグインといってもいいもの。DAWから見ると、実はインストゥルメントとなっているので、普段音源を立ち上げるときと同じようにGroove Shaperを起動します。
Groove Shaperに搭載してあるサンプラ機能を使ってサウンドを奏でる
Groove Shaperは、これを経由してドラム音源など、ほかのインストゥルメントを起動することもできますが、Groove Shaper自身がサンプラ機能も搭載しているので、ここにサンプルを読み込んで音を鳴らすことも可能です。まずは、ドラム、パーカッション系として、リズムを作ろうと思うので、デフォルトで搭載してあったハイハットのサンプルを鳴らしていきます。
ここではDAWに、2小節分のノートを入力しました。なにもしなければ、1小節目の1拍目に1発だけハイハットが鳴る状態です。
ここからリズムを作成していきます。Groove Shaperでリズムを作る方法は、大きく分けて3つあります。1つは、プリセットからリズム読み込むパターン、
2つ目は、右下に搭載してあるMAGIC DICEと書かれた、ランダマイズ機能を作るパターン
そして、3つ目が自分で作成するパターンです。自分で作成するのであれば、下に並んでいる各図形を上のエリアにドラッグ&ドロップすればOK。プリセット、MAGIC DICEでベースを作って、そこから好きなように組み替えていくのもアリですね。
ちなみにMAGIC DICEはカテゴリ分けされているので、単なるランダマイズ機能とは違い、楽器にあったフレーズをランダムに生成してくれます。ここではMAGIC DICEを使ってリズムを作成します。ハイハットを使用するので、カテゴリをハイハットにした上で、いい感じのフレーズを選んでいきます。
いい感じのフレーズを作成できたら、CAPTURE MIDIをクリックして、Groove Shaperで作成したリズムをMIDIファイル化します。
再度クリックするとキャプチャが完了するので、ここに書いてあるようにドラッグ&ドロップするとDAWのタイムライン上にGroove Shaperで作成したリズムを読み込むことができます。もちろん、これをもとにDAW側で調整していってもいいですよ。
Groove Shaper経由でシンセを立ち上げて、既存のMIDIループにグルーブをつけていく
次に音程のある楽器として、シンセのフレーズをGroove Shaperを使って、より魅力的にしていきます。さきほどは、搭載してあるサンプラを使いましたが、ここではGroove Shaper経由でシンセを立ち上げます。
自分で簡単なフレーズを打ち込んで、Groove Shaperでグルーブ感を付けていってもいいのですが、ここではあえてDAWに付属しているMIDIループを元にカッコいいフレーズを作りたいと思います。
MIDIループをタイムラインに入力して、先ほどと同様にカテゴリをシンセにした上で、MAGIC DICEを使っていい感じのリズムを選んでいきます。
何度かクリックしているうちにいい感じのリズムが生まれたので、ドラッグ&ドロップでDAWのタイムライン上に入力しました。DAWにフレーズを持ってくる前にシェイプブロックを使って、フレーズを整えてもいいし、ドラッグ&ドロップ後にDAWエディタで調整してもOK。手入力ではなかなか表現できないリズム、思いつかなったフレーズを作ることができるので、アイディア出しとしても有効ですね。付属のMIDIループのリズムを変えるだけでも、違った感じに聴こえるので、初心者こそ持っておきたい製品です。
以上、Groove Shaperについて紹介しました。なお、トライアルとして15日間無料でフル機能を使うことができるので、ぜひ興味のある方は試してみてはいかがでしょうか?
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