アイドルのライブ現場において、曲の間奏やサビなど、さまざまなタイミングでファンが叫ぶ「はい!はい!」、「それ!それ!それ!それ!」といった掛け声。またアイドルコールと呼ばれるものとして、「世界で一番あいしてる」、「世界で一番あいしてる」とか「やっとみつけたお姫様」のようなガチ恋口上、さらには「虎 火 人造 繊維 海女 振動 化繊」とか「タイガー!ファイヤー!サイバー!ファバー!ダイバー!バイバー!、ジャージャー!」のようなMIX。そしてステージの演者側からの掛け声である「せーの」、「もーいっかい」、「いっくよーー!」…といったものまで、ライブステージで登場するさまざまな掛け声をまとめた音源ライブラリー、「Pop Stars Shout!!」が新進気鋭のメーカー、TWO LANDSの第一弾製品として発表されるとともに、発売が開始されました(通常価格32,780円)。
このPop Stars Shout!!は男性4人、女性4人という個性豊かな8人のキャラクタが、さまざまな掛け声を叫んでくれるというユニークなサンプリング音源(24bit/48kHzと32bit/96kHzの2種類を収録)。各種掛け声を網羅する180種類以上の音声が収録され、音声総数は550以上、総サンプル数は13,408という膨大なもので、Native InstrumentsのKONTAKT 7およびKONTAKT 7 Playerに対応した音源になっています。ひとりのキャラクタをソロで叫ばせることはもちろん、8人全員や任意の2人や3人を選んで一緒に叫ばせることも可能です。曲のテンポに同期させる機能もあるので、各種掛け声を、曲にピッタリの感じで仕込んでいくことも簡単にできる、まさに最初にして決定版の掛け声音源になっています。リリース記念セールということで本日6月20日~7月10日までの3週間、30%引きの22,946円になっているのも嬉しいポイント。実際にどんな音源で、どのように使っていくものなのか、紹介してみましょう。
8人の声優による掛け声を収録したKONTAKT音源
こんな音源が登場するとは夢にも思わなかった…というKONTAKT音源、Pop Stars Shout!!が誕生しました。以下のビデオを見れば、これがどんなものなのか、即、理解できると思います。
見ての通り、とにかくアイドルコールや演者側からの掛け声などを収録された音源で、アイドル楽曲の制作用にはもちろん、アニソンやゲームミュージックなどに利用できるほか、YouTuberやVTuberなどの利用、ネット配信でのリアルタイム使用……などなど、とにかくさまざまなシーンで活用できそうな音源です。
これまで、exVOICEのようなWAV素材集の形で掛け声が収録されたライブラリは存在していましたが、このPop Stars Shout!!はWAVの素材集ではなく、Native InstrumentsのKONTAKT 7上で利用する音源となっているため、DAWユーザーにとっては断然扱いやすいライブラリになっています。
オーディオトラックにWAVファイルを貼り込んでいくのではなく、インストゥルメントトラックでノートを置くだけで8人が一緒にアイドルコールを叫んでくれるし、テンポ同期に対応した音源なら、テンポに合わせる形で「それ、それ、それ、それ!」って具合に言ってくれるのです。たとえば、Japanese.1というライブラリにおいてC2の音程には「いっくぜーー!」、B2には「もいっかい!!」、B4には「せーの!!」と各音程ごとに掛け声がアサインされているのです。そのJapanese.1の場合のキーアサインは以下のようになっています。
また「はい!はい!はい!はい!」といったアイドルコールであっても、盛り上がり具合によって、控えめな掛け声だったり、思い切り叫んだりと、雰囲気が違ってくるものですが、Pop Stars Shout!!はもちろん、そうしたニュアンスの違いも完璧にサポート。ベロシティによって控えめだったり、思い切りだったり…と最大4段階の表現をもっているのです。
KONTAKTを持ってない人も、DTMを知らない人もOK
「とっても魅力的だけど、KONTAKTは持ってない…」、「DTMとか音楽制作とか全然分からない……」という方も多いと思います。でも、大丈夫。Pop Stars Shout!!は無料のKONTAKT 7 Playerでもまったく同じように動作するので、KONTAKT 7を持ってない人でも、Pop Stars Shout!!さえ購入すれば、追加費用なしに使うことができます。
またKONTAKT 7およびKONTAKT 7 PlayerはWindowsおよびMac上のVST、AU、AAXプラグインで動作するソフトではありますが、スタンドアロンでも動作するのが大きなポイント。つまりDTMなんてまったく興味がなかった、DAWなんて持ってないというユーザーでも、使うことが可能になっているのです。
画面に表示される鍵盤をマウスでクリックして掛け声を発声させることができる一方、MIDI鍵盤を接続して、その鍵盤を押すことで、発声させることもできます。つまり、鍵盤をポン出しスイッチャーとして利用することができ、その鍵盤を押す強さを変えることで、先ほどのニュアンスを変えることもできるのです。現在、ちょうどNative Instrumentsが「SUMMER OF SOUND 2023」というセールを展開中なので、このタイミングにKOMPLETE KONTROL M-32などのキーボードを買ってみるのもよさそうですね。
なお、初めてNative Instrumentsのソフトを使う人にとってはインストール、セッティング手順がわかりにくいと思うので、記事最後に入れたコラムで簡単に紹介しているので、参照してみてください。
鍵盤にさまざまな掛け声が割り当てられている
では、さらにPop Stars Shout!!の使い方を見ていきましょう。Pop Stars Shout!!はKONTAKT 7で動作するソフトであるため、まずKONTAKT 7またはKONTAKT 7 Playerを起動します。すると、画面左側にPop Stars Shout!!のアイコンがあるのでこれをクリック。
今度は右側に16種類のnkiと呼ばれるファイルが表示されるので、どれかを選択してみてください。それが、どんなライブラリなのかプレビューが聴こえてくるので、雰囲気がつかめると思います。
同じものが2つずつありますが、96kHzと書かれているのが96kHz/32bitのライブラリ、書かれていないのが48kHz/24bitのライブラリとなっており、その内容は以下のとおりです。
English.1 | 日本人声優による、英語Voiceがアサインされています。 |
English.2 | 日本人声優による、英語Voiceがアサインされています。一部日本語表現もあります。0~10までの数字およびアルファベットが収録されています。 |
Japanese.1 | 日本語での、感情や行動の表現、数字などのVoiceがアサインされています。 |
Japanese.2 | 日本語での感情、呼びかけ表現のVoiceがアサインされています。 |
Japanese.3 | 日本語での、客席からアイドルコールと呼ばれるVoiceがアサインされています。 |
Japanese.4 | 日本語での、客席からアイドルコール、口上と呼ばれるVoiceがアサインされています。 |
TempoSync.1 | 日本語と英語での、感情や行動の表現などのVoiceがアサインされています。楽曲のテンポに追従します。 |
TempoSync.2 | 日本語での、客席からアイドルコールと呼ばれるVoiceがアサインされています。楽曲のテンポに追従します。 |
使いたいライブラリが見つかったらダブルクリックすると、Pop Stars Shout!!が起動します。画面下に鍵盤が表示されていないときは、ツールバーからKeyboardにチェックを入れるようにしましょう。これで鍵盤の緑になっている部分をクリックすることで、鳴らすことが可能です。
どの鍵盤に何が割り当てられているのかは、画面右下のLAYOUTと書かれた鍵盤をクリックすると、表示されます。英語表記=ENGLISHと日本語表記=JAPANESEを選択できるので、わかりやすいほうで確認してみてください。
緑ではないカラフルな鍵盤はキースイッチと呼ばれるもので、Pop Stars Shout!!の各機能が割り振られています。マウスだけだと操作しづらいので、これを使う場合はMIDI鍵盤を利用してください。基本的には鍵盤がなくてもPop Stars Shout!!の画面操作で使えるようになています。
ミキサー画面で細かく設定していける
画面を見ればだいたいお分かりになるかと思いますが、まさにミキサーコンソール風になていて、画面左側が男性陣、右側が女性陣。各キャラクタごとの音量レベルを調整できるほか、PANで各キャラクタごとの左右バランスを調整できたり、TUNEで声のピッチを-24~0~+24の範囲で調整することもできます。
デフォルトでは8人の声がすべていっぺんに発声されるMULTモードになっており、ミキサー上にあるON/OFFスイッチを使うことにより、任意のキャラクタをオフにすることも可能です。
また1人のキャラクタだけで発声させる場合には、中央にあるSOLOボタンを押すことでSOLOモードになります。そのうえで、ON/OFFスイッチをクリックすることで、キャラクタ選択ができるようになっています。
一方、MULTモードでは一番左側では男性陣4人を一気にオンにするとかオフにするといった操作もができます。同様に一番右側では女性陣4人を一気に設定できるようになっているのも便利なところです。
その最終的なマスターチャンネルが中心にあり、ここで全体の音量を調整したり、8人全員を一気にミュートしたり、ステレオにしたりモノラルにしたり…という操作もでき、DAW使っている人であれば、すぐに全体像を理解できると思います。
パラアウトの設定や、メモリ節約方法も!
またちょっと凝った使い方としては、各キャラクタごとにパラアウトさせるといったことも可能となっています。詳細な手順については省きますが、KONTAKT 7のOutputsのポートをあらかじめ増やした上で、各チャンネルの一番下の出力先を変更していくのです。
これにより、キャラクタごとに違うエフェクトをかけるなどの特殊な処理が可能になります。
一方で、使っているパソコンが非力で、8人分の声を一気に出すのは厳しい…といったケースもあるでしょう。KONTAKTの仕組み上、使う音源がメモリに読み込まれるため、搭載メモリが少なかったりすると、動作が重くなってしまうことがあります。
そんな場合、使わないキャラクタの声を完全にオフにしてメモリに読み込まないようにする、ことも可能です。方法はとっても簡単。画面左下にあるLOADというアイコンをクリックの上、使わないキャラクタの上にあるLOADというボタンをクリックするのです。
するとキャラクタがシルエットになるとともに、完全に機能がオフになり、メモリに読み込まれないようになるので、マシン負荷を軽くすることができるのです。必要に応じてこんな機能も活用してみてください。
以上、KONTAKT 7を使う、掛け声音源、Pop Stars Shout!!について紹介してみました。自分のDTM作品に掛け声を入れて雰囲気を出すといった使い方はもちろん、コンペなどに提出する作品で活用するのにも効果がありそうですし、音楽以外にもネット配信の実況などに活用するのも面白そうです。ぜひ、いろいろな使い方をしてみてはいかがでしょうか?
Pop Stars Shout!!のインストール方法
Pop Stars Shout!!はNative InstrumentsのKONTAKT 7を使う音源であるため、一般のソフトとはインストール方法が少し異なります。あらかじめ、SONICWIREなどでオンライン購入した上で、シリアルを入手しておきます。
Native Instrumentsのアカウントを持ってない場合はまず作成するところからスタート
一方、Native InstrumentsのアカウントであるNIアカウントが必要となります。もしない場合は、Native Instrumentsのサイトの右上の人型のアイコンをクリックし「初めてのご利用ですか?今すぐ登録する」をクリックし、氏名、メールアドレス、パスワードを入力の上、アカウントを作成してください。
名前、メールアドレス、設定したパスワードを入力すれば、即アカウントを作成できる
その後ログインし、マイアカウントのダウンロードのページから、Native Accessというソフトをインストール、起動し、先ほどのNIアカウントでログインします。
その後、画面左のAdd Serialをクリックし、購入したシリアルを登録します。これによって、シリアルがNIアカウントと紐づく形となります。
その後、Native AccessでPop Stars Shout!!を選択し、インストールすると、KONTAKT 7とセットでインストールされるようになっています。
【関連情報】
Pop Stars Shout!!製品情報(TWO LANDS)
Pop Stars Shout!!製品情報(SONICWIRE)
Twitter : @TWOLANDS-Official
【価格チェック&購入】
◎SONICWIRE ⇒ Pop Stars Shout!!