CASIOの歌うシンセサイザ、CT-S1000Vの初のコンテスト、CT-S1000V Challengeのグランプリ決定!

CASIOが昨年発売した、歌うシンセサイザキーボードであるCT-S1000V。鍵盤を弾くことで歌わせることができる非常にユニークな楽器である一方、膨大なプリセット音色を持つPCM音源のシンセサイザでもあります。もちろんUSB経由でDAWからコントロールしたり、スマホを使って歌詞や譜割を設定できるほか、さまざまな機能を持った機材であることは、これまでDTMステーションや、YouTube番組でもある「江夏と藤本のオトトーク」でも紹介してきました。

そのCT-S1000Vに関する初のコンテストであるCT-S1000V Challengeという投稿キャンペーンが2022年9月16日~2023年2月16日の期間開催され、多数の作品が応募されました。日本を中心に世界中のユーザーからの応募となったようですが、先日その審査が行われ、本日3月20日、最優秀作品が選出されました。その発表式?を第42回目の「江夏と藤本のオトトーク」の番組内で行ったので、こちらの記事でも紹介していきましょう。

CT-S1000V Challengeのグランプリが決定!

CT-S1000V Challengeについてご存じなかった人も多いと思うので、簡単に紹介すると、これはCASIOの歌うシンセサイザキーボード、CT-S1000Vを使って楽曲を制作し、SNSを通じて応募する、というものです。具体的にはInstagram、Twitter、Facebook、TikTokのいずれかに#cts1000v_challengeとつけて楽曲の動画を投稿するか、YouTubeの楽曲動画タイトルに「CT-S1000V Challenge」を含めるとともに、ハッシュタグ#cts1000v_challengeをつけて投稿するとともに、エントリーフォームにメールアドレスと投稿した動画URLを入力して応募する、という形になっていました。

CT-S1000V Challengeで応募された作品がすべて「ここ」から聴くことができる

こうしてエントリーされた作品の中から審査を行い、最優秀賞の受賞者に賞金10万円が進呈されるとともに、副賞として2023年4月13日~15日に、アメリカ・アナハイムで行われる世界最大の楽器の展示会、THE 2023 NAMM ShowでCASIO公認CT-S1000Vプレイヤーとして、CASIO製品のデモンストレーション活動に参加できる、というものです。つまり、NAMM Showご招待ということなので、賞金よりも大きな価値がありそうですよね。その作品発表、以下の「江夏と藤本のオトトーク #42」で行っているので、ぜひご覧になってみてください。

とても素敵な作品がいろいろと応募されていたのがわかると思います。そして、その中から選出されたのが、アメリカ・ニューヨーク在住というKAEDE LAPIN(カエデ・ラパン @kaede_lapin)さん。Twitterに投稿された応募作品をお聴きください。

なるほど、納得の最優秀賞。「歌詞を打ち込んで、デスボイスでアルペジエーターをかけて遊んでみたり、歌詞も遊び心にこだわってみました」とのこと。また、バックトラックもすべてCT-S1000Vの音を使っているようですね。Twitterのタイムラインを読んでみると、昨年までPocochaでライブ配信などをして音楽活動をされていて、年末に渡米して、音楽大学で勉強されているそうです。ぜひ、近いうちにお会いして、インタビューなどできれば、と思っているところです。

今後、またCT-S1000V Challengeの第2弾があるかも!?

こうした作品を聴いてみて、「自分もチャレンジしてみたい!」と思った方も少なくないのではないでしょうか?CT-S1000Vを使うことが条件なだけで、ワンフレーズでもOK。手弾きでもいいし、内蔵レコーダーを使ってもいいし、DAWを使ってコントロールしたり、音を重ねてレコーディングしていってもいいという、とっても許容範囲の広いコンテストでした。CASIOの担当者に聞いてみたところ、「ぜひ第2弾もやってみたい!」と話していたので、近いうちにアナウンスもあるかもしれません。その日のためにCT-S1000Vを使ってストックを作っておくといいかもしれませんね!

 

VoiSonaを使ってCT-S1000Vに歌詞や譜割を送る術!

CT-S1000Vは、CASIOがテクノスピーチと共同開発した歌声合成エンジンを使って、歌を歌わせることができるVocal Synthesis機能が最大の特徴です。このVocal Synthesisでは、プリセットとして日本語、英語の歌詞フレーズが用意されており、それを選択の上、鍵盤を弾くことで、その歌詞を歌わせることが可能です。また、そのプリセットには歌詞とともに譜割、つまり歌詞をどのように歌うかの音符情報が一緒に入っているので、CT-S1000Vをフレーズモードにした上で、キーボードを押せば、そのまま歌ってくれるというのも大きな特徴となっています。

その歌詞と譜割のプリセットはiPhone/iPad用、Android用にリリースされているLyric Creatorというアプリを使うことで、ユーザーが作成したものに置き換えることが可能となっています。でもWindowsやMacユーザーの場合、パソコンからコントロールしたい、と思っている人も多いはず。

テクノスピーチのVoiSonaを使って歌詞と音符を入力

そうした中、パソコンから直接転送というわけにはいかないものの、パソコンで入力した歌詞、譜割をCT-S1000Vに持っていく手段が出てきました。それは、テクノスピーチが開発したVoiSonaを使う、という方法です。VoiSonaについては、これまでもDTMステーションで何度も取り上げてきているので、詳細については過去記事を参照いただきたいのですが、WindowsでもMacでも使えるAI歌唱ソフトであり、だれでも無料で使うこともできる強力なソフトです。

このVoiSonaを使って音符を入力するとともに、そこに歌詞を入力することで、その情報をCT-S1000Vに持っていくことができるのです。この際、音程は無視されるので、音符と歌詞が有効となります。

MusicXML形式でエクスポートする

手順としてはまず、VoiSonaのエディタ上で入力した上で、右上のメニューから[エクスポート]ー[MusicXML]を選択して書き出します。これをiCloudやGoogle Driveにいったん保存しておきます。その上で、手持ちのスマホでLyric Creatorを起動し、「インポート」を使って読み込めばOK。

アプリ側でインポートすると歌詞と音符情報を引き継ぐことができる

Lyric Creatorで確認すると、文字と音符情報がしっかり入っていますね。これを保存すると準備ができた形になるので、最後に、スマホをCT-S1000Vと接続の上,転送すれば完了。できれば、スマホを介さず、VoiSonaから直接CT-S1000Vに書き出せるようになると嬉しいのですが、まずは第一歩ということで、嬉しく使わせてもらおうと思っています!

VoiSonaで入力したデータをCT-S1000Vに転送することができた

この内容についても「オトトーク#43」で紹介しているので、ぜひご覧ください。

【関連情報】
CASIO CT-S1000V製品情報
CT-S1000V Challenge情報
DTMステーションPlus! YouTubeチャンネル

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【番組情報】
江夏と藤本のオトトーク・YouTube再生リスト

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