レコーディングスタジオの定番として名高く、宅録クリエイターには憧れの老舗マイクブランド、NEUMANN(ノイマン)。どのマイクも高額で、一般のユーザーにはなかなか手が届かないマイクばかりですが、その中にあって比較的手ごろな価格で入手できそうなマイクがTLM 102というラージダイヤフラム・コンデンサーマイクです。現在サスペンションとポーチ付きのキャンペーン中ということもあって気になっている人も多いではないでしょうか?
TLM 102はNEUMANNラージダイヤフラムマイクの中で最も低価格とあって、モデル名だけ見るとリリース済モデルの廉価版に見えますが、実際はどのマイクとも異なる、個人ユースのレコーディングに特化されたマイクなのです。低価格ながら自宅録音、リハスタでの録音など、幅広く使えそうです。特に向いているのがナレーション録音と言われているので、ナレーションと歌録りでその実力をチェックしてみました。
TLM 102はどんなマイク?スペックと特徴をチェック
TLM 102は、数あるNEUMANNのラージダイヤフラム・コンデンサーマイクの中で最も手軽なモデル。ほとんどのNEUMANNマイクは知識と技術のあるレコーディング・エンジニアがスタジオで使用することを前提に設計されていますが、TLM 102は自宅録音に特化されたモデルです。
サイズもコンパクトではありますが、そのスペックは他のモデルに迫る高性能をキープ。中でもノイズの少なさを示す等価ノイズレベルは-12dB-Aという数値を誇り、あの有名なマイク、U 87 Aiと同等の数値です。
また、どれだけ大きな音に耐えられるかということを示す耐音圧も144dB SPLという数値。実はこの値、他のNEUMANNマイクよりも大きな数値なんです。エンジニアが使う場合はマイクのスペックや耐音圧を考慮して使われますが、自宅録音向けのTLM 102は知識が無いユーザーの使用も想定されているため、どんな音でも耐えられるよう調整されているようです。
どの方向の音をよく収音するかを示す指向性については、ハイグレードなマイクでは切り替え式が多いのですが、TLM 102は単一指向性のみに絞られています。とはいうものの、プロが使用する無指向性は良い響きの場所で録音することが前提。実際に自宅で録音する場合は単一指向性のみで問題ないでしょう。
このように、自宅録音ユーザー向けにチューニングされていることがTLM 102の大きな特徴です。
TLM 102でナレーションを録ってみた
今回は、以前DTMステーションPlus!の番組にも出演いただいたドラマーでもある、声優の葵井歌菜さんに協力いただき、ナレーションとボーカルのレコーディングにチャレンジしてみました。
葵井歌菜さんプロフィール
声優・ナレーター。代表作にマクドナルドTVCM、UNIQLO TVCM、「モンスターストライク」「ワケあり!レッドゾーン」など。「ポケモン」シリーズの歌唱やゲーム「ウマ娘」BGMにて口笛の演奏、「Live of Re:Union」のライブでのドラム演奏など音楽活動も行なっている。
録音は近所のリハーサルスタジオで行いました。部屋の響きがコントロールされていない環境なので、かなり音が響いてしまうのが難点。まさに自宅での録音に似た環境なので、宅録ユーザーにとっては参考になるのではないかと思います。高額なマイクプリは使用せず、RME Fireface UCXのマイク入力をそのまま録音しました。レコーディングはエンジニアの小泉こいた。貴裕(@KOITA_SWK)さんに手伝っていただきました。
TLM 102はポップガード内蔵なので、写真のようにポップガード無しでセッティングできます。
録音したのがこちらのサウンドです。
いかがでしょうか?言わなければリハーサルスタジオで録音したとはわからない、クリアで質感の高い音に驚きました。葵井さんのなめらかで美しい声がよく録音できているなと感じました。葵井さんも「音、いいですね!」と驚きの声。安価なマイクとは違う、やはりNEUMANNと思わせてくれる納得のサウンドでした。
TLM 102はミキシングせずに良い音に聞こえるよう調整されているので、何もしなくてもクリアに聞こえますが、高域のサシスセソの音(歯擦音)が気になることも。実際に音を使う場合と同様に、試しにノイズ処理をしてみたサウンドがこちらです。
この音なら、声優やVTuberなど、声の魅力を伝えることが重要な用途でも、自宅録音でレコーディングスタジオさながらの音が期待できそうです。
TLM 102でボーカルを録ってみた
続いてはボーカル録音にチャレンジ。オケを流しながら葵井さんに歌っていただきました。
音源はOyaji50’s-Kさん制作の「若者のすべて / フジファブリック」を使用させていただきました。
こちらもナレーション同様に録音してそのままの音です。ミキシング済のようなクリアな音ですよね。ミキシングに詳しくない宅録ユーザーには嬉しい特徴ではないでしょうか。
コツという意味では、ポップガードは内蔵されているのですが、ダイナミックマイクのように近づいて使えるわけではないということです。近づきすぎると特性が変わってしまうだけでなく、「吹かれ」という息によるノイズも発生してしまうので注意が必要です。
リハスタでボーカルもProToolsにレコーディングしていった
小泉さんによると、低価格マイクの場合は先程のノイズ処理同様にミキシングで音作りをしていく中でどんどん音が劣化してしまうことも少なくないそうです。ということで、ノイズ処理だけでなく、イコライザーやコンプレッサー等のエフェクト、ピッチやタイミングなどのボーカル処理を簡単に行ってもらい、少しリバーブもかける形でMIXしてもらったのがこちらの音源。
かなり聞きやすくなっていますが、録音した時の特徴がそのまま残っているのがわかります。「ピッチやタイミングを修正したりイコライザーをかけたりしても音が維持されるので、安心して色々な音作りに挑戦できます。もちろんU 87 Ai等のNEUMANNマイクとは異なる音ですが、しっかりNEUMANNの流れを持った質感がありますし、このマイクなら安心して自宅で録音して下さいと言えますね。」とのことでした。エンジニアさんにMIXをお願いするような場合でも安心して使うことができそうです。
買うなら今!?サスペンションとポーチが付属するキャンペーンを実施中
決して安いと言える価格ではありませんが、音を聞くと欲しくなってしまう、頑張れば購入できそうと思えるNEUMANNマイクですよね。何より決して環境が良いとは言えない響きの多いリハーサルスタジオでこの音が録れるのですから驚きです。
しかも現在、専用のサスペンションEA 4とポーチが付属するキャンペーンを実施中とのこと。サスペンションはノイズ低減はもちろん何より設置した姿がカッコいいので、ぜひ手に入れておきたいアイテム。数量限定とのことなので、購入を検討している人は急いだほうが良さそう。自宅でボーカルレコーディングする人はもちろん、ナレーション録音やVTuberの声録りなど、音質をグレードアップしたいと考えている人は、この機会にNEUMANNマイクを手に入れてみてはいかがでしょうか。
注記:TLM 102とEA 4サスペンションがセットになったTLM 102 Studio Setという別の製品がありますが、キャンペーンの対象はTLM 102 LESPという特別品番のみになるようです。購入時に販売店にご確認下さい。
【関連情報】
TLM 102製品情報
TLM 102キャンペーン情報
【価格チェック&購入】
◎Rock oN ⇒ TLM 102 , TLM 102 Lesp
◎宮地楽器 ⇒ TLM 102 , TLM 102 Lesp
◎イケベ楽器 ⇒ TLM 102 , TLM 102 Lesp
◎イシバシ楽器 ⇒ TLM 102 , TLM 102 Lesp
◎島村楽器 ⇒ TLM 102 , TLM 102 Lesp
◎サウンドハウス ⇒ TLM 102 , TLM 102 Lesp
◎SMITH Digital Musical Instruments ⇒ TLM 102 , TLM 102 Lesp