AI作曲機能で初心者でもすぐ曲作りが楽しめるDAWの最新版、Music Maker 2023 Premiumが登場

ドイツMAGIXの初心者向けDAW、Music Makerの最新版、Music Maker 2023 Premiumが、14,800円でソースネクストより発売されました。これまでDTM経験がまったくない初心者でも、音楽理論も音符さえもまったく分からないという人でも、インストールすればすぐに使えて、AIによるサポートで簡単に作曲できてしまうという他にはないユニークなソフトです。もちろんDAWなので、機能は本当に盛りだくさん。ゼロから打ち込んでいくこともできれば、オーディオレコーディングもできるし、編集、ミックス、マスタリングと何でも一通りのことができるソフトです。

このMusic Makerは長い歴史を持つWindows用のソフトで、今回、発売されたMusic Maker 2023 Premiumは31番目にあたるバージョン。従来からの機能や資産を引き継ぎつつ、新たな機能が追加されるとともに、UIも改良され、初心者がより取っ付きやすくなっているのも特徴となっています。実際どんなソフトなのか紹介してみたいと思います。

MAGIXのDAW、Music Maker 2023 Premiumが発売された

今回、レビュー用としてソースネクストからMusic Maker 2023 Premiumを提供してもらったので、実際インストールして試してみたところ、とくにソフトを起動してから、曲作りを開始するまでの過程のUIが分かりやすくなり、初心者でも迷わず使えるように進化しています。

初心者にもわかりやすいUIで、Windows版のGarageBandといった位置づけなのかもしれない!?

ちょっとAppleのGarageBandっぽい雰囲気といってもいいかもしれませんし、実際WindowsにおけるGarageBand的な位置づけのソフトになっていると思います。そう、Macの場合、標準でGarageBandが付属しているわけですが、MicrosoftはWindows標準でそうしたソフトは用意してくれていません。

でもこの価格で、初心者用のDAWがあるのなら、初めてのユーザーも気軽に導入できると思います。しかも、GarageBandよりも断然多くの機能を備えているし、何の知識経験がない人でも即利用できる、Song Maker AIというAI自動作曲機能があるので、利用するハードルはより低くなっていると思います。

そのSong Maker AIについては、これまでもDTMステーションで何度か紹介してきましたが、Music Maker 2022における機能紹介として、ソースネクストが2分のビデオを用意しているので、これを見れば、雰囲気はわかると思います。

Music Makerではかなり以前のバージョンから、Song Makerという自動作曲機能は装備されていましたが、さらに進化してきているんです。ビデオの通り、使い方はいたって簡単。Song Maker AIの画面からまずはPopやElectronic、Dance、Rockなどのジャンルを選択。その後、使いたいループ素材集(サウンドプール)を選択して「曲を作成」ボタンを押すだけ。必要に応じて、ボタンを押す前に作りたいパートを選んでおくことも可能です。

「曲を作成」ボタンを押すだけでAIが自動作曲してくれる

再生してみて気に入らなければ、再度「曲を作成」ボタンを押せば次の曲を作成してくれます。この際、パラメータが同じであっても、ボタンを押すたびに違った曲になるのも楽しいところです。

まあ、全自動過ぎるので、曲を作れる人にとっては物足りなく感じるとは思いますが、ネタに詰まったときなどに、利用するとアイディアのベースになっていいのではないでしょうか?

Music Maker 2023 Premiumに搭載されている機能は多すぎるので、ここで全部紹介するのは到底無理なので、新機能を中心にいくつか紹介してみます。一つは打ち込みという意味で、非常によくできていたドラムマシン機能、Beatbox ProがBeatbox Pro 2へと進化しています。

16×8のマスを使って簡単にドラムパターンをつくっていくことができるBeatbox Pro 2

これは横16x縦8というマスをマウスでポチポチとクリックしていくと、簡単にドラムパターンが作れるというもの。従来17種類のドラムキットが用意されていましたが、今回32種類までに増えるとともに、各パートの音量を個別に調整できるようになっています。こうしたドラムマシン機能は、ほかのDAWでもよく搭載されているのですが、このBeatbox Pro 2がユニークなのは作ったパターンをそのままオーディオループ素材として、トラック上にドラッグ&ドロップで貼り付けていけるという点。こうすれば、ほかのループ素材と同じように扱えるので、とってもわかりやすく便利です。

Beatbox Pro 2で作ったドラムパターンをトラックへドラッグ&ドロップすればオーディオのループ素材となる

もちろん、MIDIでの打ち込みもできるし、オーディオのレコーディングも何でもできるし、エフェクトやソフトウェア音源もたくさん用意されていますが、今回の新機能として、いくつかのエフェクトが追加されています。

もちろんMIDIの打ち込み機能もオーディオのレコーディング、編集機能も何でも一通りそろっている

その一つがmodernEQというパラメトリックイコライザです。これまでもEQは搭載されていましたが、このmodernEQは最大8バンドの設定が可能なもので、視覚的にも見やすく、再生すると音がFFT表示されるとで分かりやすくなってます。初心者用というよりも、完全に上級者向けのエフェクトですが、各トラックで使ってもいいし、マスターで利用してもよく、強力な武器として活用できそうです。

新たに追加されたmodernEQ

また、以前記事で紹介したことがあったwizardFX Suiteという11本のプラグインのセットが、Music Maker 2023 Premiumに搭載される形となりました。具体的には以下の3カテゴリー11種類です。

ダイナミックス
wizardFX VolumeFormer
wizardFX Compressor
wizardFX Limiter
wizardFX Gate
カラーリング
wizardFX Tape Machine
wizardFX Bitcrusher
wizardFX Tube Distortion
モジュレーション
wizardFX Modern Reverb
wizardFX Delay
wizardFX Chorus
wizardFX Flanger

これの何がいいかというと、プリセットが豊富で、エフェクトに詳しくない初心者でも、即実践的な利用が可能という点です。実際、パラメータはほとんどなく、プリセットを選んでエフェクトをかける量を調整するだけでいいので、簡単。たとえば、ダイナミックスの4種類のプラグインを紹介するビデオがあるので、これを見てみると雰囲気はわかると思います。

こんなものが搭載されているのですから、いろいろな活用ができそうです。手ごろな価格でこれだけたくさんの機能が搭載されているので、初心者の方も、すでにほかのDAWをお使いの方も使ってみてはいかがでしょうか?

【関連情報】
Music Maker 2023 Premium製品情報

【価格チェック&購入】
◎ソースネクスト ⇒ Music Maker 2023 Premium

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