世界初の独自機能を備えた日本のNFTマーケットプレイス、Eny!Kumaとは!?代表Maruさんにインタビューしてみた

最近さまざまなところで耳にするようになったNFT。日本でもNFTクリエイターが増えていたり、いろいろな特徴を持ったマーケットプレイスが登場してきています。そんな中、「すべてのクリエイターが輝ける世界を」というテーマのもとEny!Kuma(エニクマ)というNFTのマーケットプレイスが誕生しました。運営を取り仕切るのは、音楽関係にバックグラウンドを持つメンバーたち。

代表であるMaruさんにお話しを伺ったところ、世界初の独自機能を搭載しているとのことであり、またボカロPのねじ式さんの作品も発売されているのだとか。今後音楽クリエイターがここで作品は発売することが当たり前になるかもしれない、そんな可能性を秘めたEny!Kumaとはなんなのか、インタビューしてみたので、紹介していきましょう。

世界初の独自機能を備えた日本のNFTマーケットプレイスEny!Kuma


--まずは、Eny!Kumaとは何なのかを、簡単に教えてください。
Maru:Eny!Kumaは、日本発のNFTマーケットプレイス「Eny!thing Creators’ Market」の略称です。ここでは、イラストや音源、アート作品など、さまざな作品を出品、購入することが可能となっています。基本的なNFTの売買だけでなく、ほかのマーケットプレイスと違い、NFTクリエイターを応援できる世界初の仕組みを最大の特徴としています。ローンチは、2022年8月22日と最近ですが、ボカロPのねじ式さんの作品の出品もあったりと、ありがたいことにさまざまなクリエイターに注目していただいています。

代表のMaruさんにEny!Kumaについてのお話しを伺った

--そもそもNFTについて、知らない人も多いと思うので、あらためて解説をお願いいたします。
Maru:詳しく説明すると、とても長くなってしまうので、ポイントを絞ってお伝えしますね。NFTとは、Non-Fungible Tokenの略であり、日本語でいうと非代替性トークンになります。非代替性というのは、ほかのものと取り換えができないという意味であり、これがNFTの特徴になります。これまでは、インターネット上にあったデジタルデータを固有のものとすることはできませんでした。ですが、これを解決したのがNFTです。NFTには固有のアドレスが割り振られるので、それぞれ1点ものとして代替することができないデジタル資産を作り出すことが可能になったのです。実際にEny!Kumaのサイトを見ていただくと、感覚的に分かりやすいと思います。ここにも出品されているようなNFTアートは、購入すれば、それは世界で1つだけのあなたのコレクションとなるわけです。

すでにいくつかのNFTアートが並んでいる

--Eny!Kumaでは、そんなNFTを自由に売買できるというわけなのですね。ちなみに応援機能が特徴とのことでしたよね?
Maru:Eny!Kumaでは、イラストレーターやミュージシャンをはじめとしたクリエイターを直接応援できる機能を搭載しています。ここでは、独自のコインKumania Coinを利用します。このKumania Coinを作品に使うことによって、作品の価値を高めたり、使ったことでリターンが得られる仕組みになっています。従来のマーケットプレイスでは、NFTを買うか、いいねを押すことでしか、クリエイターを応援することができませんでした。これを解決するためにKumania Coinが存在しています。

従来のマーケットプレイスでは、NFTを買うか、いいねを押すことでしか、クリエイターを応援することができなかった

--Kumania Coinについて、もっと具体的に教えてください。
Maru:Kumania CoinをEny!Kumaで直接購入する。ログインボーナスで無料でゲットする。Eny!Kumaで売買を行った際にゲットする。システムメンテナンス時などの際にゲットする。といった方法があります。実際に応援に使った際には、たとえば1万円分のNFT作品があったときに、その作品に対して2,000円分のKumania Coinを投入したとします。その場合、NFTの価格は10,000円から12,000円へ変更され、NFTが誰かに購入された場合は12,000円の7.5%分の暗号資産がターンとしてEny!Kumaウォレットに送金されます。1人がKumania Coinで応援した際には7.5%ですが、2人の場合は3.75%づつのリターンになります。また、Kumania Coinを投入した商品が売れた場合は、投入したKumania Coinは全額戻ってきますし、商品がEny!Kumaに販売登録されてから30日の間売れなかった場合も全額戻ってきます。

Kumania Coinを使ってクリエイターを応援できる独自機能を持つEny!Kuma

--これはほかのNFTマーケットプレイスと大きく違いますね。
Maru:Openseaという世界で一番使われているマーケットプレイスはありますが、ここにはいろいろな欠点があると考えています。Openseaには、金融商品として扱われるNFTが溢れていて、芸術性の高い作品や素晴らしいアートでも埋もれてしまいがちなのです。実際にそれで苦しんでいるクリエイターが多く、これを解決したいと思い、私たちは作品のよさにフォーカスするマーケットプレイスで、クリエイターを応援する運営を行っていきたいと考えています。

■Eny!Kumaのロードマップ

2022. 3Q OpenSeaとEny!kuma間のNFTを移動可能に
2022. 4Q NFT合成機能を開発し、PFPを作成可能に
Enikuma Original NFTのレプリカNFTの発売
EniKuma Original Trump NFT imitationをEny!Kumaの利用で入手可能に
2023. Q1 Play to Earnで使えるNFT『EniKuma Original Trump NFT』のリリース
2023. Q2 Play to Earn機能の実装
2023. Q3 ブロックチェーンペットの販売
ブロックチェーンペット用飼育セットの販売
2023. Q4 クリエイター用のブロックチェーン身分証の開発
2024. Q1 Eny!kuma独自VR空間の提供

--新たにスタートを切ったEny!Kumaですが、最後になにか伝えたいことはありますか?
Maru:イラスト系のNFTクリエイターは増えてきているのですが、まだまだ音楽NFTクリエイターは少ないので、ぜひ広げたいと思っています。僕のイメージですが、DTMユーザーの方は、新しいものへの感度が高いと思っています。そういう方に、一回「俺の作品をNFTにしてみようかな」と思ってもらえたら嬉しいですね。すべてのクリエイターが輝ける世界を、というテーマで運営を行っているので、ぜひ賛同していただける方に参加してもらいたいと思っています。なお、先ほども話題にあげた、ねじ式さんに先日、私自身がインタビューを行っているので、ぜひ、そちらも合わせてご覧いただければと思います。

 

ボカロPねじ式が語る、NFT x クリエイターの可能性

interview by Maru

今回はボカロPや大学講師、ライブ活動など多角的かつ精力的に活動されているねじ式さんに、NFTマーケットプレイス「Eny!Kuma」参入にあたっての考えについてねじ式バンドでギタリストを務めるMaruがインタビューしました。

ボカロP初期から悩まされていた無断転載

Maru:忙しい中お時間をとっていただきありがとうございます。よろしくお願いします。さっそくですが、NFTのことを知られた経緯について教えてください。
ねじ式:NFTを知ったのはここ1、2年くらいのことだと思います。

Maru:その時はNFTに対してどんな印象を抱かれていましたか?
ねじ式:注目はしていたんですが、投機資産としてのイメージが大きかったです。ただ、ボカロPとしては創作物の権利を守る事が出来るという点も注目していました。

Maru:ボカロP活動を通して、やはり権利周りは多くのクリエイターが悩まれているとお聞きします。
ねじ式:そうですね、僕は2013年から活動しているんですが、海外サイトやYouTubeへの無断転載が当時はめちゃめちゃ横行していたんですよね。今ではYouTubeコンテンツIDによって音源や動画が無断利用されていても権利元に収益が入るようなシステムが確立していますが…

Maru:ボカロだと転載もそうですが、二次利用の文化もありますよね。
ねじ式:歌ってみたや演奏してみたの文化は昔から根付いていますね。ボカロPとしては「どこまでが二次創作なのか」の判断がとても難しい部分でもあります。

ねじ式さん

クリエイターのコンテンツを守る仕組み

Maru:この度NFTマーケットプレイス「Eny!Kuma」へ参入されたことについて、その理由やストーリーをお聞かせください。
ねじ式:先ほどの話に繋がるんですけど、従来の仕組みだと傍目からも「どれがオリジナルでどれが二次創作なの?」という区別が難しい所があって。誰が何を持っていて、クリエイター本人の所有物は何なのかという権利を明文化出来る所に共感したのが発端です。

Maru:時流的にも自分だけが所有している価値の高いモノが重要視されるようになってきましたよね。
ねじ式:そうですね。オリジナルのコンテンツがNFTによって証明されて、クリエイターの収益に繋がることで活動を支援出来るような未来になればと思っています。

Maru:確かにNFTならMetamaskなどのデジタルウォレットを介して所有物や暗号資産を譲渡が可能ですね。Web3.0の技術によって無断転載などの権利侵害に遭っているクリエイターを助けられると。
ねじ式:その通りです。

ねじ式バンドのライブシーン

ずっと危惧していたクリエイターの未来

Maru:OpenSeaをはじめにNFTマーケットプレスは多数存在しますが、Eny!Kumaで出品された理由について教えてください。
ねじ式:実は、以前からOpenSeaにはアカウントを開設してMetamaskにガス代(NFT発行/販売手数料)に必要な暗号資産を入金したりしていました。そんな感じで手探りで何とか始めようと苦戦している中で、バンドメンバーでもあり旧友でもあるファウンダーのMaru君から声をかけていただいたのが理由ですね。

Maru:Eny!Kumaのいい所や決め手となった機能などはありますか?
ねじ式:投機資産としての話題が先行しがちなNFTですが、Eny!Kumaはアートや音楽が好きな人が集まるマーケットプレイスという点に惹かれました。NFTを売買するだけでなく、クリエイターを応援することが出来る仕組みというのがいいですね。またMaru君のように今まで音楽活動を行なってきたクリエイター自身が作ったマーケットプレイスというのも大きな要因だと思います。

Maru:人気の音源やアートはもちろん、過去の創作物を現在に渡ってクリエイターを応援出来るような状況を作りたいという想いから、マーケットプレイスの運営に行き着きました。
ね:それはありがたいですね!20代は全国各地を機材車一台でツアーを行い生計を立てている人は周りにも居たし、僕も実際そうだったんですが、なかなかそういった活動は未来に繋がって行きづらい実情がありますし、クリエイターの未来が不透明な状況はやはり危惧しているところです。Maru君も以前はバンド活動やってましたよね?

Maru:懐かしいですね(笑) 仮にメジャーで活動出来たとしてもバンドマンとして長く生き続けるのは大変ですよね。ではやはりネットを活動拠点にするクリエイターに使って欲しいという想いが強いですか?
ねじ式:そうですね。そして、先ほど話に出てきたライブツアーを活動のメインにしてきたミュージシャンの方も自分のコンテンツを守るためのプラットフォームとして、今後はマーケットプレイスも利用されることをおすすめします。

Maruさん

NFTと今後のボカロについて
Maru:NFTコンテンツを使うことによって今後のボカロやネット活動はどうなると思いますか?
ねじ式:今まで通り二次創作は活発に行われつつも、無断でオリジナルコンテンツを複製されたり無断で取得されることは減っていくと思います。また、作曲家や絵師をはじめとしたクリエイターの収入源としての新たな選択肢となると思います。

Maru:歌ってみたや演奏してみたコンテンツも新しい形となるかもしれませんね。
ねじ式:以前は歌ってみたコンテンツも一部で人の褌で相撲を取るような悪い言い方をされてましたが、今は権利周りが明確になり、歌ってくれることで制作者に収益がいく仕組みになっていますよね。こういった試みを音楽だけでなく絵師さん達にも繋げていけたらと思います。

Maru:確かにそうですね。例えばねじ式さんのイラストを手掛けていらっしゃる檀上大空さんもそうですが、素晴らしい絵師さん達にSNSの「いいね」以上に実益がリターン出来るというのはNFTのいい所だと思います。
ねじ式:ですね。今は金融資産としてのイメージが強いNFTですが、いずれはボカロ文化と同じ道を辿るんじゃないかなと予想してます。

Maru:といいますと?
ねじ式:例えば「ハチ」という名義でボカロ活動をしていた米津玄師さんが今や国民的番組の紅白歌合戦に出るまでの知名度を獲得してメインストリームで活躍したり、最近だとYOASOBIのAyaseさんも同じような立場だと思います。
昔はボカロっていうと萌えイメージみたいなものが少なからずあったんですが、今では1つの音楽ジャンルとして確立されていますよね。
Maru:金融イメージの強いNFTも、よりコンテンツを守るような使い方だったりアーティストの収益源として認知される流れが来るかもしれない?

ねじ式:そう願っています。

Maru:今後恐らくボカロ界隈にもNFT化の流れが波及してくると思われますが、ボカロファンにNFTコンテンツをどのように楽しんで頂きたいと思いますか?
ねじ式:元々ボカロを愛してくださるファンの方々はクリエイターのCDをコミケや同人イベントで購入して制作者の活動を支援する文化があるんですね。その延長線上でよりお金の流れの透明性を確保できる形でコンテンツの販売や譲渡を行っていけると思います。

Maru:ニコニコ動画の広告機能だったりリアルイベントでの即売会など、「こんないい曲を作ってくれてありがとう」と感謝してくださるファンの方が沢山いらっしゃいますよね。
ねじ式:僕だけでなく、ボカロPは本当にこういったファンの方々に支えられてボカロP活動が出来ているんじゃないかなと思います。そういった活動がWeb3.0でも見られるようになるといいと思います。

Maru:他のボカロPやファンの方々はねじ式さんの参入によりどんなアクションを取ると思いますか?
ねじ式:元々ボカロという新しい技術に目をつけたリテラシーの高い方達が多いと思うので、蓋を開けてみないと分からないですが「きっとやらないだろうな」とは思いませんね。ネットに精通した方々なので今まさにリサーチしたり始めようといているんじゃないかな。

maruさん(左)とねじ式さん(右)

Web3.0に見る新しい人の価値

Maru:メタバースやNFTなど、Web3.0と呼ばれる世界にねじ式さんとしてどのようなメスを入れていきたいとお考えですか?
ねじ式:大それたことは考えていないですが、以前からVTuberさんに楽曲を書き下ろしたり配信したりと、今の自分も案外Web3.0から遠くないところで活動をしていると思います。そういう意味でもより自然に楽しみながら使っていきたいと思います。

Maru:VTuberやメタバース空間でのVRキャラクターは確かに距離としては近しい所にいるような気がします。今後のWeb3.0的な活動についてどんな未来をねじ式さんは予想されているでしょうか。
ねじ式:良い意味で「中身がより重要視される世の中」になっていくんじゃないかと思っています。

Maru:可憐なビジュアルのVTuberが多いイメージ中で、独創的なアイデアですね!

ねじ式:確かに可愛いですよね。ただ、Web3.0だと基本的に自分は歳を取らないしキャラクターは基本的に美男美女じゃないですか。

Maru:皆ビジュアルが良いから、逆に内面や何をしてきたかが問われる?

ねじ式:はい。ビジュアルが整うことで逆にビジュアルによるバイアスが減っていって、人を騙したり傷つけたりする人が淘汰されていく内面重視の世界になるんじゃないかと思っています。

Maru:ネットを主戦場としているアーティストにも繋がりますが、年齢制限なく活動していける土壌があり今後更にその文化が拡張されていくのはとてもクリエイターにとって魅力ですよね。最後に、ファンの皆様へ向けて一言お願いします。
ねじ式:僕の仲間であるMaru君が始める新しい挑戦を共に応援してくれたら嬉しいです。

Maru:精一杯頑張らせて頂きます。本日はありがとうございました!
ねじ式:ありがとうございました!

 

【関連情報】
Eny!Kumaサイト

モバイルバージョンを終了