先日PreSonusから、Revelator io44(27,500円税込)とRevelator Dynamic(29,700円税込)が発売されました。このRevelatorシリーズは、エフェクト、ミキサー、ループバックを簡単に操作することができる新世代の機材。内蔵DSPも装備しているので、PCに負荷を掛けることなく各種エフェクトを利用可能なのです。音楽制作用途でも配信用途でも使いやすい設計がされているので、機材の操作に不慣れな方でもすぐに扱うことができるのがポイントとなっています。
Revelator io44は、8in/6outのUSBオーディオインターフェースであり、フロントにマイクのミュートボタンが搭載されていたり、ヘッドセットを使えるなど、ほかのオーディオインターフェイスでは見かけないが、配信で重宝する機能を搭載しています。一方Revelator Dynamicは、以前発売されたコンデンサーUSBマイク Revelatorのダイナミックマイクモデルとなっており、そこに搭載されていた便利すぎる機能を完備。Studio One Artistや総額10万円以上もの音源やエフェクトが付いてくるStudio Magicソフトウェア・スイートが収録されていたりと、本体以外の魅力も持ち合わせています。実際にこの2機種がどういった機材なのか、試してみたので紹介していきましょう。
Revelatorシリーズについては、以前「楽曲制作から配信までこなせる、エフェクト/ミキサー/ループバックを統合した新世代のUSBマイクPreSonus Revelator」という記事や、「配信超特化型オーディオインターフェイスRevelator io24。簡単操作なマシーンで快適な配信環境を整えよう!」で紹介したことあるので、ご存知の方もいると思います。
このシリーズの特徴は、PCと接続してUniversal Controlを立ち上げると、かなり強力にカスタマイズしていくことができる点。Universal Controlは、ドライバ兼Presonusのハードウェアを管理するツールで、Revelatorシリーズを接続することで、本体についているPresetボタンで呼び出すプリセットを変更したり、DSPを使ったエフェクト処理、ループバックの設定など簡単コントロールすることができます。難しい設定などなく、視覚的に分かりやすいUIなので、初心者でも扱いやすいシリーズとなっています。
Revelatorシリーズは、オーディオインターフェイス型とUSBマイク型が存在していて、いずれもUSBバスパワーで動作するとともに、このUniversal Controlを使ったコントロールは共通。それぞれの機種ごとにハードウェアのポイントも存在していますが、一貫して簡単に本格的な環境を作ることが可能なのです。
さて、まずはRevelator io44について見ていきましょう。スペックは最大96kHz/24bitで、バーチャルの入出力を含め8in/6outという構成になっています。
フロントに入力端子はまとまっており、左側にギターやマイクを接続するためのコンボジャック、真ん中にヘッドセットの端子、そしてステレオミニライン入力が配置されています。ちなみにヘッドセットの端子は、マイクのついていない普通のヘッドホンであれば、単純にヘッドホン出力として動作します。コンボジャック、ヘッドセット、ステレオミニ(2ch)なので、これで4chの入力。
プラス、バーチャルの入力がステレオ2ch×2扱えるので、トータル8ch入力ということになっています。このバーチャル入力は、Studio Oneで見てみると、Stream Mix A L/Stream Mix A R、Stream Mix B L/Stream Mix B R、というように表示されていて、Universal Controlから細かく設定することが可能。このバーチャル入力に関しては、Revelator Dynamicも共通の機能なので、後述します。
バーチャルの入力も合わせると、合計8inという構成になる
リアには、TRS出力がステレオ1ch装備してあり、バーチャルの出力がステレオ2ch×2扱えるので、6outというスペックになっています。
これもStudio Oneで見てみると、Virtual OutPut A L/Virtual OutPut A R、Virtual OutPut B L/Virtual OutPut B Rと表示されていて、バーチャル入力と同様にUniversal Controlから操作可能。このバーチャル出力に関してもRevelator Dynamicと共通です。
バーチャルの出力も合わせると、合計8outという構成になる
さてトップには、入力のゲインをコントロールしたり、プリセットを切り替えたり、メイン出力をミュートするボタンなどが配置されています。青く光るノブで、出力レベルや入力ゲインをコントロールすることが可能で、押せるボタンにもなっているので、ファンタムのオンオフやハイパスフィルターの切り替えを行うことができます。「◀」「▶」ボタンで入力の種類を選択できるので、基本的な操作はすべてハードウェア上で行うことも可能。
Presetボタンは、Universal Controlで設定したプリセットを呼び出すものになっています。左のPresetボタンで、フロントのコンボジャック入力に対するエフェクト処理、右のPresetボタンでヘッドセットに対するエフェクト処理を呼び出すことが可能になっています。ちなみに長押しでミュートすることも可能です。
そして、地味に嬉しいミュートボタンもRevelator io44には搭載されています。ボタンを押すとこのボタンが点灯し、意図しないところでの出力を防ぐことが可能です。
次にRevelator Dynamicを見ていきましょう。以前DTMステーションの記事でも紹介したRevelatorのダイナミックマイクバージョンなので、搭載されているボタンなどは基本一緒です。付属の卓上スタンドに取り付ければ、デスクの上に置いてすぐに使い始めることができますよ。
ボトムには、USB Type-C端子、ステレオミニのヘッドホン端子が装備されているので、ここからモニタリングすることができます。出力が備えられていることからも分かる通り、Revelatorはオーディオインターフェイスの機能も持っており、このヘッドホン端子からPCの音を聴くことが可能です。
マイク本体のフロントには、「Preset」「Monitor」と書かれたボタンと「Volume」ノブが搭載されています。「Preset」を押すと、Universal Controlで設定した4つのプリセットを順番に切り替えることができます。「Monitor」ボタンは、長押しするとゲインを調整できるモードになり、「Volume」ノブを回すとマイクゲインが調整可能。また、1回押して点灯した状態ではダイレクトアウトの音とエフェクトを通した音のドライ/ウェットのバランスを調整できるようになり、消灯した状態ではヘッドホン出力を「Volume」ノブで調整できるようになります。
Revelator Dynamic本体で行える操作は、以上であり非常にシンプルな機材だということが分かると思います。
さて、Revelatorシリーズのカスタマイズを行えるUniversal Controlについても見ていきましょう。RevelatorシリーズをPCに接続すると、まず以下のような画面が表示され、サンプリングレート(44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz)やブロックサイズ(バッファサイズ)などを選択できます。
Revelatorシリーズには専用のドライバが用意されている
下に出てきているアイコンをクリックするとミキサー画面が表示され、ここでPresetを変更したり、EQ・コンプ・リバーブを掛けたり、ルーティングを変えたりすることが可能です。画面を見ると下側が各チャンネルのミキサー、上側がエフェクトの設定を行う場所になっているのが分かると思います。
ミキサーでは、Revelatorシリーズ本体を操作しても調整できたゲインやファンタム電源のオンオフを行うことができます。ほかの各ソフトウェアの出力を各チャンネルに割り振ったり、入力したマイクやライン入力にリバーブを掛けることもできます。
そして、上段部分ではエフェクトの設定やプリセットを変更できます。左上でプリセット変更していくことができるのですが、これはどのRevelatorシリーズを繋げるかによって少し表示が異なります。なお、ここのプリセットがRevelatorシリーズ本体に搭載してあるPresrtボタンを押したときに呼び出される内容となっています。まず、Revelator io44を接続して、Mic/inst inのチャンネルを選んでいる状態だと以下のように表示されます。
Revelator io44のHedset Micをチャンネルを選ぶと、下の画像のように切り替わります。
Revelator Dynamicでは、4つのプリセットを切り替えられるようになっているので、4つプリセット名が表示されています。
その右側にあるプリセットセレクターでは、元から用意されているプリセットを8種類、ユーザープリセットを8種類ストックできるようになっています。プリセットセレクターにストックしている内容をプリセットボタンにアサインできるようになっているわけです。
プリセットも多数用意されている
そして、プリセットセレクターの右側には、HPF、Gate、Comp、EQ、Limiter、Voiceと書かれているようにエフェクトの設定を変更することができます。ここに表示されているものは、各エフェクトのプリセットとなっており、それぞれ使い勝手のいいものが用意されています。
HPF、Gate、Comp、EQ、Limiter、Voiceには簡単に設定が行えるプリセットが用意されている
また、さらに詳細にエフェクトを調整するには、「Fat Channel」という書いてあるところをクリックします。すると各エフェクトの詳細なパラメータが表示されるので、これを使って音作り可能。ちなみにStudio Oneに搭載されているFat Channelと同様の画面となっており、ライブ/スタジオ用デジタル・コンソールPreSonus StudioLiveシリーズのFat Channelプロセッサの一部の技術が使われているこの機能では、ビンテージ機材を再現しているエフェクトも利用可能です。
また特殊なエフェクトとして、
De-Tuner
Vocoder
Ring Modulator
Filters
Delay
を搭載しており、この中から1つを選んで利用することができます。ちなみにこのFat Channelの信号処理は、PCで行われているわけではなく、内部DSPで処理しているので、レイテンシーはまったくありませんよ。
特殊なエフェクトが複数搭載されている
また冒頭でも書いた通り、RevelatorシリーズにはStudio One Artistが付属しています。これは、無料版のStudio One Primeと最上位版のStudio One Professionalの間に位置しているエントリー版。エントリー版であるものの十分音楽制作を行える機能を備えており、Studio One 5にアップデートを果たした段階でAU、VST2、VST3プラグインが使えるようになったので、サードパーティー製の音源やエフェクトを扱えます。
さらに以前「PreSonus製品を買うともらえる総額10万円以上のプラグイン集、Studio Magicソフトウェア・スイートがさらに豪華に」という記事でも紹介した通り、10万円以上の音源やエフェクト、サンプルパックがゲットできます。初めての方にとってはいいスタートダッシュを切ることができ、すでにDTMを始めている方にとっても楽曲制作環境を強化する手段になるはず。
ここではWindowsやMacを使っての利用法を中心に見てきましたが、いずれもUSBクラスコンプライアント対応のデバイスであるため、iOSやAndroidで使うことも可能です。ただし、ここでは各パラメーターを調整することはできないためあらかじめプリセットを設定してから、スマホやタブレットで使う形になるので、ぜひ試してみてください。
以上、Revelator io44とRevelator Dynamicでしたが、いかがだったでしょうか?簡単操作で使えるし、Universal Controlで自分の環境に合わせることもできる、汎用性の高い機材だったと思います。付属のソフトウェアが充実していて、バンドル製品が盛りだくさんなのも、嬉しいところですよね。なお、7月19日配信予定の第201回DTMステーションPlus!において、このRevelator io44とRevelator Dynamicを実践的に取り上げる予定ですので、ぜひそちらも併せてごらんください。
【関連情報】
Revelator io44製品情報
Revelator Dynamic製品情報
【DTMステーションPlus!情報】
7月19日 20:30~22:30
特集 「Revelator io44とRevelator Dynamicの実力」
ニコニコ生放送 https://live.nicovideo.jp/watch/lv337604856
YouTube Live https://youtu.be/71EdnynkPMQ
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